多摩爺の「スポーツ観戦(その7)」
関脇・正代、秋場所を制す!
東西の両横綱が休場しただけじゃなく、他にも多くの力士の休場が目立った大相撲9月場所
10日目を過ぎた当たりから、大関から平幕14枚目までの力士6~7人が、
優勝戦線でしのぎを削るという荒れた場所は、
関脇の正代(しょうだい)が、千秋楽の一つ前で、平幕・翔猿(とびざる)に攻め込まれながらも、
土俵際で体を入れ替える上手さを見せて突き落とし、熊本県出身力士としては初の賜杯を手にした。
稀勢の里の引退あたりから、白鵬と鶴竜の両横綱にも衰えが見え始めると、
待っていたかのように、貴景勝や朝乃山が大関に昇進するなど、
あれよあれよという間に世代交代が進んだ大相撲
両大関からは置いて行かれた感はあるが、地力に勝る御嶽海や正代、阿炎などに加え、
元大関の琴奨菊、栃ノ心、さらには遠藤や炎鵬などの人気力士の活躍などもあって、
場所そのものは盛り上っていたものの、
なにか一つ・・・ しっくりくることがなかった。
それは、大関に昇進し、期待された貴景勝や朝乃山の、昇進後の成績が芳しくないうえに、
暴力事件や、素行の悪さが露見するなど、勢いに逆行する行動などが目立ち、
かつての勢いが、すっかり失せてしまったことにあるといっても・・・ 過言じゃないだろう。
群雄割拠といえば、聞こえは良いし、見ている方には面白いかもしれないが、
やっぱり相撲というスポーツは、強い力士が、強い相撲を取って、賜杯を手にしなきゃ面白くない。
若手の台頭も悪くはないが・・・ その昔、憎たらしいほど強いと言われた名横綱・北の湖のような、
納得のヒール役がいれば、相撲はもっともっと盛り上がると思うがどうだろう?
横綱・白鵬の実績は認めるものの・・・ 個人的な思いで恐縮だが、
立ち合いで、張り手や、かち上げを繰り返し、相手を痛めつけてから勝つ相撲は、
どうも好きになれない。
勝敗を大きく左右する立ち合いとはいえ、横綱・大関という地位を務める力士は、
基本的に、相手に合わせて受けて立ち、それでも勝つ、それぐらい強い力士のことだと思っている。
その点にだけフォーカスすれば、いまの両大関の相撲には・・・ 拍手喝采なんだが、
問題なのは、憎たらしいほどの強さがなく、コロッと負けてしまうことだろう。
優勝した正代に、ケチをつけるつもりはない。
むしろ、不甲斐なかった大関をしり目に、大関に次ぐ番付の関脇として、
責任を果たしたのはアッパレだと思う。
優勝を決め、花道を引き揚げる際、付き人の肩にそっと手をかけ、
涙した姿には・・・ 思わず、もらい泣きしてしまった。
打ち出し後には、審判部長が大関昇進を諮る臨時理事会の招集を、
理事長に要請したという一報が流れた。
理事長が承認すれば、臨時理事会を経た11月場所の番付編成会議で
「大関・正代」誕生が正式に決定するらしい。
13日目に貴景勝、14日目に朝乃山を圧倒した相撲は、文句なしの大関相撲だったが、
気になるのは・・・ 昇進後の相撲だろう。
とにもかくにも、来場所どういった相撲を見せてくれるかである。
くれぐれも、くれぐれも、タニマチからの接待にうつつを抜かすことなく、
稽古に励んで欲しいと願う。
また、正代の優勝や、敢闘賞を獲得した翔猿の大活躍は、アッパレもアッパレ、大アッパレだが、
今場所を通して一番強く感じたことがあるとすれば、
途中休場を含めて、あまりにも休場者が多かったことではなかろうか?
新型コロナウイルスの影響を受け、どう見ても力士の稽古量が十分でないような気がしてならない。
稽古が、満足にできなきゃ、いかに大関とはいえ、
15日間をとおして、満足できる相撲が取れないことが、いみじくもハッキリしてしまった。
必然的にというのは、言い過ぎかもしれないが、
いくら体を大きくしても、鍛えて保つことができなきゃ、ケガ人が増えるのは致し方ないことだろう。
体と体をぶつけあう角界の稽古に・・・ リモートはあり得ない。
新たな生活様式じゃないが、コロナ禍における稽古スタイルについて、
協会はどんな知恵を絞っているのだろうか?
これ以上、休場者が増え、お相撲さんが壊れてしまうのは・・・ さすがに、見ていられない。
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