多摩爺の「スポーツ観戦(その50)」
人生は敗者復活戦だから (PARIS 2024)
心地よい睡眠不足が続いた「パリオリンピック2024」も残すところ・・・ あと三日
熱く燃えた二週間を振り返ってみれば、
オリンピックの神様が微笑んだ選手がいれば、
残念ながら、オリンピックの魔物に足下をすくわれた選手もいた。
スポーツとはいえ、勝負事ゆえに、
その結果がクリーンであろうと、疑惑のプレーや判定があったとしても、
必ず勝者と敗者に分かれ、
感涙であろうと、悔し涙であろうと・・・ 見ている者は感動を覚えるものだ。
悔し涙を流す選手に向けて、軽々に「よく頑張った。」と声をかけ辛いところはあるが、
人生は敗者復活戦だから・・・ この経験を糧にして、
4年後のオリンピックを目指すのか、それともセカンドステージに向かうのか、
いずれを選択であろうと、人生の成功者であってほしいし、応援を続けることができればなお嬉しい。
ということで、まずは「パリオリンピック2024」に挑んだ代表選手たちの健闘を称え、
「ナイスファイト、お疲れさまでした。」と申し上げたい。
それから、今大会で気がついたことについて・・・ 三つほど語ってみたい。
一つ目は、国技ともいえる柔道で誤審が相次ぎ、ストレスが爆発寸前に至っていたことであり、
二つ目は、水泳で・・・ 世界との差が著しく開いてしまったこと、
三つ目は、期待された球技(サッカー、バレーなど)で、結果がともなわなかったことである。
まず一つ目の柔道の誤審についてのストレスは、
一昔前は威厳を持っていたジュリー(審判の監視員)が、まったく機能してなかったことだろう。
本来なら主審の判定に疑義が生じれば、即座に待ったをかけ、ビデオで確認したジュリーが検証し、
判定の正当性を確認すべきはずだが・・・ 今大会でジュリーの出番はほとんどなかった。
すでに終ったことについて、あれこれいうのは未練がましいと思うものの、
あくまでも個人的な思い(いわゆる愚痴)を吐露すれば、
柔道がオリンピックの競技となり、JUDOとなって以降、さまざまなルール改正が行われ、
武道という潔い勝負事から、点取りゲームに変化したことが・・・ 残念で堪らない。
二つ目の水泳では、代表選手の大半が、決勝まで行けなかったり、
決勝に行った選手がいたにはいたが、ことごとく伸び悩んでいたことについて、
素人考えで恐縮だが・・・ 私なりに思案してみた。
あくまでも、個人的な推測の範疇ではあるが、
ひょっとしたら、プールの水深が浅いことが微妙に影響したのではと思っている。
いわゆるマラッカ海峡現象である。
主要国際大会で使用されているプールの深さは、3メートル(ルール上は2.5メートル以上)だが、
今大会で使用されたプールは2.2メートルで・・・ 80センチも浅く、
国内での練習環境に、問題はなかったのか、
検証してみる必要があると思うが・・・ 如何なものだろうか?
ルールが決まる前に、オリンピックでの使用が決まっていたことから問題ないとされているが、
底が浅いと、底に当たった波が水流を生むことから、体への負担が大きく、
そのぶんだけ、タイムに影響がでているはずである。
マレー半島とスマトラ島(インドネシア)を隔てるマラッカ海峡は・・・ 水深が浅いため、
速度を上げて航行すると、つんのめる可能性があり、スピードを落として慎重に航行しているように、
選手たちは、自国の練習環境と違った負荷を感じながらの競技だから、
記録に影響が出るのは必然であり、想定外に体力を削られたのではなかろうか?
そう捉えれば、プールの深さに影響があったかどうかまで、真意を確かめることはできないが、
競泳ニッポンの成績が奮わなかった背景に・・・ ちょっと皮肉になってしまうが、
この国の恵まれた練習環境があったのかもしれない。
三つ目の球技については、それぞれの競技で見どころがあったものの、
展開のアヤというか、勝負どころで、オリンピックの神様がそっぽを向いた感が否めない。
まず最初に男女のバレーボールだろう。
先月のネーションリーグの大活躍で、否が応でも期待が膨らんだが、
2ヶ月もの間、アスリートの心身をピークに保つことが出来るのかという、
極めて単純な疑問に辿りついてしまった。
それでも男子チームは、最後の最後で地力の高さを証明してくれ、
予選リーグは、8位ギリギリでの通過だったものの、
準々決勝でのイタリア戦では、なんどもなんども見せ場を作り、土俵際まで4度も追い詰めたが、
後一押しが出来ないうちに・・・ 痺れを切らしたオリンピックの神様にそっぽを向かれてしまった。
一方で女子チームは、3本に1本がフェイントだから、
コンビネーションが悪いのか、自信を失っているのか、それともピークを過ぎていたのか、
そこんところは分からないが、ゲーム全体を通して「負けて堪るか!」的な覇気が感じられず、
残念ながら・・・ なんとなく始まり、なんとなく終った感が否めなかった。
続いてサッカーにも触れておきたい。
男女ともに、間違いなく世界と戦えるレベルにあっただけに、
惜しいというよりは、悔しい結果になってしまった。
サッカーは男女ともに決勝トーナメントまで行ったものの・・・ いずれも初戦で敗退、
審判の判定に疑義はあったが、終始押され気味で苦しい展開のなか、
男子はどうしても納得し難いオフサイド判定が・・・ 流れを変えてしまった。
けっして気持が萎えたわけではないと思うものの、試合巧者に上手く寄り切られた感が否めない。
女子も頑張ったが、相性が悪いアメリカに延長の末・・・ 惜敗
予選リーグで破ったブラジルが決勝に進んでいるが、
ワールドカップでも予選リーグで破ったスペインが優勝したんだから、地力は折り紙付きである。
ただ、ただ、ただ・・・ オリンピックの神様のいたずらに、腹が立って仕方がない。
バスケットボールに至っては、厳しい結果となった。
男女ともに、立ち上がりからシュートが入らず、リードを許す展開になったのが総てだろう。
とはいえ・・・ 男子はベスト4に勝ち進んだフランスを、勝利の目前まで追い詰めたが、
終了間際の疑惑のファールで追いつかれ、延長戦で敗れてしまったことで、
なんとなく燃え尽きてしまい、残念だが次戦の立ち上がりでシュートが入らず、
プレッシャーが増幅して、空回りしてしまったと思う。
女子は東京大会の銀メダルというプレッシャーとも戦いながら、
立ち上がりのシュート成功率が低調で、リードを許したまま追いつけず、
得意のスリーポイントシュートも精彩を欠いた。
客観的に見れば、男女ともに国際舞台では、俄に注目されるようになったイメージがあったが、
フランスを追い詰めた男子、東京大会での実績が光る女子、
国際舞台では新参者でも、キラッと光るチームであり、
悔しさかが糧となる日が、次のロサンゼルス大会であることを願って・・・ 応援を続けたい。
ありきたりの言葉になってしまうが、スポーツには夢と感動がある。
その夢と感動を掴むための一歩は・・・ 勇気だと思う。
メダルを取った選手も、手が届かなかった選手も・・・ いま、続々と帰国している。
スポットライトを浴びる選手の傍らで、唇を噛みしめてる選手もいるだろう。
人生は・・・ 敗者復活戦である。
勇気を持って、次の一歩を踏み出して欲しい。
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パリ・オリンピック 2024 メダリスト一覧 ( 金12 銀6 銅13 )
・大会2日目(7月27日夕刻~28日早朝) ※ 大会初日は開会式
金 柔道 女子48キロ 角田夏美
銅 柔道 男子60キロ 永山竜樹
・大会3日目(7月28日夕刻~29日早朝)
金 柔道 男子66キロ 阿部一二三
スケートボード 女子ストリート 吉沢恋
フェンシング 男子エペ 加納虹輝
銀 スケートボード 女子ストリート 赤間凜音
水泳 男子400メートル個人メドレー 松下知之
・大会4日目(7月29日夕刻~30日早朝)
金 スケートボード 男子ストリート 堀米雄斗
体操 男子団体 日本
銅 馬術 総合馬術団体 日本 (自称・初老ジャパン)
柔道 女子57キロ 舟久保遙香
男子73キロ 橋本壮市
・大会5日目(7月30日夕刻~31日早朝)
金 柔道 男子81キロ 永瀬貴規
・大会6日目(7月31日夕刻~8月1日早朝)
金 体操 男子個人総合 岡慎之助
銀 柔道 男子90キロ 村尾三四郎
・大会7日目(8月1日夕刻~2日早朝)
銅 フェンシング 女子フルーレ団体 日本
・大会8日目(8月2日夕刻~3日早朝)
銀 フェンシング 男子エペ団体 日本
銅 バドミントン 混合ダブルス 渡辺勇大 、東野有紗
・大会9日目(8月3日夕刻~4日早朝)
銀 柔道 混合団体 日本
銅 卓球 女子シングルス 早田ひな
バドミントン 女子ダブルス 志田千陽 、松山奈未
フェンシング 女子サーブル団体 日本
・大会10日目(8月4日夕刻~5日早朝)
金 フェンシング 男子フルーレ団体 日本
銅 ゴルフ 男子 松山英樹
・大会11日目(8月5日夕刻~6日早朝)
金 体操 男子種目別 鉄棒 岡慎之助
銅 体操 男子種目別 平行棒 岡慎之助
・大会12日目(8月6日夕刻~7日早朝)
金 レスリング 男子グレコ60キロ 文田健一郎
銀 スケートボード 女子パーク 開心那
銅 レスリング 女子68キロ 尾崎野乃香
・大会13日目(8月7日夕刻~8日早朝)
金 レスリング 男子グレコ77キロ 日下尚
銅 レスリング 女子50キロ 須崎優衣
本当に同感!同感!と思いながら拝読しました。
人生は敗者復活戦!この言葉は運動以外の人生全てに当てはまると思います。 なおとも
30代半ばのころ、子どものことや、仕事のことでもの凄く悩んだことがあり、
人生は敗者復活戦だし、遠回りしても必ず意味があると、頼った先輩から言われたことがありました。
そのときから、人生は敗者復活戦だからは、私の座右の銘となり、
気持ちを切り替えなくちゃならないときには、いつもそう思うようにしています。