時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

よっしゃ! よく頑張った。

2021年12月26日 | 時のつれづれ・師走 

多摩爺の「時のつれづれ(師走の25)」
よっしゃ! よく頑張った。

女房がコロナうつを患って1年と8ヶ月、
月に一度の頻度で精神科の先生に通い、私も同席してカウンセリングを受けてから、
ぐっすり睡眠が取れるよう・・・ 睡眠薬の処方箋を出してもらっている。

ここんとこ驚くほどに、状態は良くなってきているが、
そのことについて、私が触れるとプレッシャーになりかねないので、
黙って静かに見守ろうと決めていたことは・・・ 以前にもふれていたが、
先週末に・・・ ちょっと想定外のことが起きた。

今年最後の通院の日、朝メシを食って出かける支度をしなきゃと思ったところに、
「私、ここ2週間ぐらい、薬を飲まなくても眠れるようになったし、
 今月に入った当たりから、なにかが落ちたみたいに体調が良くなって、
 どうしたのかなって、思ってたんだけど、気持ちがもの凄く前向きになってきたんで、
 先生にそのことを伝えて、通院をしばらく止めようと思うんだけど・・・ どう思う?」と
突然・・・ 女房から言ってきたのだ。

ついに・・・ この日がやってきた。
女房自身が、完全ではないものの、
1年8ヶ月前の体調に、戻ってきつつあると自覚したのである。

思わず「やったぁ・・・ 。」と叫びたかったが、
ここは、あえて冷静を装いながら、
先生(近所のクリニックから紹介してもらった総合病院の精神科)に相談してみたらと、
嬉しさを顔に出すことなく、返事をするだけにしておいた。

1ヶ月ぐらい前から、話す内容がだんだんポジティブになり、
あれほど好きだったのに、自ら見ることを拒んでいたサスペンスも、見れるようになってきたし、
趣味の裁縫も・・・ 明るい時間に1時間限定でやるようになってきている。
なにも言わずに任せて見ていたが、状態がかなり改善していることには気がついていた。

主治医の先生は、いままでにないぐらい自信を持って話す女房の顔を見て、
「良いことですね。しばらく間をおいて様子をみましょう。」と言い、
「半年以内なら電話をいただければ、診察の再開はできますが、
 半年過ぎちゃうと・・・ 申し訳ありませんが、また紹介状をいただくか、
 初診扱いになるので、余分に5,000円かかります。」と言われた後、
「顔色も良くなったし、本当に良かったですね。」と続けると、
「私、電話を待ってませんので・・・ ?」と軽いジョークで、私たちを笑わせてくれた。

主治医の先生からは「治りましたね。」とは言われなかったものの、
こういった治療に「はい、もう大丈夫です。」と言われることは、まずもってないので、
先生の「良かったですね。」との言葉から・・・ その真意を読み取らねばならない。

普通なら「今夜は乾杯だね。」となるところだが、
心の病は環境の変化と、気持ちの持ちよう一つで、また元に戻る可能性もあると思われるので、
だれかが常に、女房の様子を気に掛けておかないと、いつまたぶり返すかわからないと捉えれば、
その役割は・・・ 一番近くにいる、私が担う以外にないだろう。

よって、心の中では「よっしゃ! よく頑張った。」と叫んでいたが、
口から出た言葉は・・・ 「(今年亡くなった)爺さんと婆さんのお陰かもね。」と、
「まだまだ油断大敵だから、絶対に無理しないことだよ。」だった。

体調に自信を持つことは、良い傾向だと思うが・・・ 自信過剰は禁物である。
私はどちらかというと慎重派だが、女房、母、息子と我が家には自信過剰が多いことから、
そこんとこだけは、常に気にしておきたいと思う。

イメージ的には、ちょっと暗すぎるかもしれないが「それで良い。」と思う。
いきなり気持ちを切り替えるより「それぐらいで・・・ 良いんだ。」と思うことにした。

とはいうものの・・・ やれやれというか、ホッとしたというか、
言葉では言い表わすことができない安堵が、私の心にパッと広がったことだけは隠せない。
少しだけだが、肩の荷が軽くなったような気がしないでもない。

今年も残すところ1週間を切り、今週末は早いもので新しい年を迎える。
この1年と8ヶ月・・・ 女房が布団に入る時刻(23時ごろ)まで、
なにも言わず、そっと確認してから床につく日が続いていて、
ここんとこ・・・ 少し疲れがでてきていたので、
そろそろ私の心と体を、年相応のタイムスケジュールに合わせたいなと思ってた矢先だった。

心の病に「頑張れ。」は禁句だが、
なん年か経って、いつか女房に「頑張ってくれてありがとう。」と伝えられる日がくるまで、
共倒れだけは・・・ なんとしてでも避けなければならない。

なにはともあれ、今年は半年の間に親が3人(父、義母、義父)相次いで亡くなり、
いささか辛い年ではあったが、視点を変えて振り返れば、
人生の難所ともいえる峠を、三つ四つ纏めて越えていたのかもしれない。

気苦労に加えて、お金もたくさん使ったけど、
きっと無駄ではなかったはずだし、なんらかの意味があったんだろう。

楽観主義で行こうと思う。
この先、なにが待ち構えているのか、それは分らないが、それはそれで、
いつまでも、どこまでも・・・ とことん楽観主義で行こうと思う。

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6 コメント

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Unknown (けいこ)
2021-12-26 07:05:41
おはようございます。
今年は本当にいろいろお辛い年でしたものー。
でも!!でも!!本当に良かったです。
電話を待ってませんので、、とおっしゃる担当医にも恵まれたことも幸いなことと思います。

奥さまに寄り添って 本当に 素晴らしいなあといつも読ませていただいてましたので 私まで嬉しいです。
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Unknown (多摩爺)
2021-12-26 07:18:14
けいこさん、おはようございます。

文字に起こすと大げさになってしまい、少し誇張しすぎた表現があることも否めませんが、
思いのまま正直に書くと、恥ずかしながらこうなってしまいます。
お金も使いましたが、それ以上にさまざまなことを学んだ年でもありました。

悪いことは続かない。
次は必ず良いことが待っている。
そう思って、楽観主義でいこうと思います。
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おはようございます。 (霧子)
2021-12-26 09:00:41
そうだったのですか・・・
側で見守られたご主人素晴らしいです。
私も時には落ち込み立ち直りしています。

悪いことは続かない。
次は必ず良いことが待っている。
そう思って、楽観主義でいこうと思います。

その通りですね。
頑張って良い年を迎えましょうね。
ステキな更新ありがとうございます(__)
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Unknown (多摩爺)
2021-12-26 09:17:52
霧子さん、おはようございます。

私のモットーは、人生いろいろ、いきあたりばったりです。
なんか投げやりみたいですが、きっとなにか意味があると受け止め、
なにがあっても楽観主義で、前を向こうと決めています。
コメントを頂戴しありがとうございました。
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精神科のこと・・・ (くちかずこ)
2021-12-26 18:56:14
鬱について、
よく理解されているなあと感心しました。
双極性障害の中で、殆ど鬱で、躁がわずかなタイプがあるから、それが治癒に感じることも。
勿論、そちらの場合は専門家がキチンと観察されていると思いますが。
寛解時期ってイメージでしょうか?
人生は、波。
鬱も波だと思っています。
内服薬の減量が終了したらメデタシ!
眠れるようになって良かったです。
そして、大事なことは、また眠れなくなっても、まあ、こんなこともあるさ、と受け入れて流し、また眠れる日もくるだろうと思う心かなと思うくちこです。
私自身がそうなので、ね。
お互い、来年は、良い年にしたいですね(#^.^#)
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Unknown (多摩爺)
2021-12-26 20:03:38
くちこさん、こんばんは

現役だった頃に、産業医の先生のアドバイスをいただいて、メンタルが弱くなった社員の対応や、
職場復帰に向けての人事や、関係部署への根回しなどに汗を掻いたことがあります。
もう15年ぐらい前のことになりますが、その時の産業医の言葉を覚えていたの役に立ったのかもしれません。
女房のタイムスケジュールに併せて、負担が生じないよう、もう少し頑張ってみようと思います。
コメントを頂戴しありがとうございました。
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