時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
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えっ、NTTがなくなるの?

2024年12月30日 | 時のつれづれ・師走 

多摩爺の「時のつれづれ(師走の65)」
えっ、NTTがなくなるの?

ニュースとしては、けっこう話題性があると思うものの、
メディアも、ネットも、その扱いがあまりに小さいのが・・・ 不思議なんだが、
昭和60年(1985年)に民営化されて発足したNTT(日本電信電話株式会社)が、
来年40年の節目を経て、馴染みの看板というか、歴史の脇役を担った暖簾を掛け替えると発表した。

今年4月に成立した「改正NTT法」で、社名変更が可能となったことに加え、
民営化から40年を経たいま、業界に吹き続ける技術革新の風と、利活用スタイルの変化を受け、
サービス形態そのものが「名は体を表わす。」になってないことに、その理由があるらしい。

いまふうに見直すとすれば・・・ 「電信電話」の部分を「通信通話」にすることが手っ取り早いが、
それじゃ、ただ改称しただけで、イメージチェンジした感がないので、
たぶん語呂が良くて、生業のイメージが湧くような、
すでに子会社名になってるが、データとかドコモのような、カタカナ表記になるのだろう。

なお、NTTドコモは移動体通信を意味する「Do Communications Over The Mobile Network」から、
2文字ずつピックアップし、「どこでも繋がるコミュニケーション」を意識した語呂合わせで、
2000年から正式社名になったが、それ以前は「NTT移動通信網株式会社」が社名だったし、
NTTデータも、元々は「NTTデータ通信株式会社」だったと記憶している。

これをみて分かるのは、NTTグループの稼ぎ頭でもある2社は、
通信事業を生業としているにも拘らず、
社名のなかから、通信の文字を消しているんだから・・・ これにはちょっと驚いてしまう。

グループとして、社名の冠でもあるNTTを外すかどうかは、かなり勇気が要ると思うが、
同社の英語社名「Nippon Telegraph and Telephone Corporation」の頭文字に由来しているので、
社名が変更になれば、英語表記も変わることから、NTTという冠をそのまま残すわけにもいかず、
おそらく「日本」という金看板もなくなるだろうから、これはこれで頭が痛いかもしれない。

然は然り乍ら(さはさりながら)・・・ 気になることがないわけでもない。
何年か後には、NTTの名称を、屋号や商標にすることができるし、
ブランド力のあるNTTの社名変更が、世の中に認知されるまでには時間を要することから、
広報には相当の力を入れてもらわないと、NTTを騙る悪い奴らが跋扈する可能性もあるだろう。

まっ、それはそれとして・・・ テレグラフは電報で、テレホンは電話だから、
公社時代は電報電話局が自治体単位で点在していたが、民営化後はNTT◯◯支店となり、
ネット環境を整えるため、ISDNや光回線の敷設ではお世話になったが、
最近ではドコモショップで足るので、NTTの支店とのお付き合いはほとんどなくなっている。

公社時代には対地別、距離別に通話料金が設定されていて、
1回の通話が、数10秒で10円だった時代もあり、夜間割引のお世話になっていたが、
それがいまじゃ、ほとんどのサービスが安価な定額料金で、通信も通話もし放題なんだから、
昔を知る者としては感慨深いが・・・ 民営化の是非にフォーカスすれば、大正解だったと思われる。

そういった視点で捉えれば・・・ 私はNTTの回し者でもなんでもないが、
多くの企業が利益を内部留保し、設備投資や従業員への還元を躊躇してきたなか、
民営化後のNTTが、研究開発や技術革新を怠らなかった企業努力あってこそであり、
ビジネスや社会生活において、計り知れない恩恵をもたらしてきたと云っても、過言ではないだろう。

新しい社名は、いまのところ未定で、いつから変更になるかも分かってないが、
ゴールデンウィーク明けの決算会見で発表され、
翌月末に予定されている、株主総会を経て決まるらしい。

そんなこんなだから、NTTの社名がなくなると思えば、いささか残念ではあるが、
来年が巳年だと云う奇遇と重ね合わせたら、
この国の通信事業が、新たな進化に向けて脱皮する起点になるのかもしれない。

いろんなことがあった・・・ 40年、
「かえるコール」は、「かえるメール」を経て「かえるライン」になり、
まさか、まさか、固定電話がケータイ電話に取って代わられるとは思いもしなかったし、
画期的だったキャプテンシステムが、インターネットの先駆けだったとは、これぞ先見の明だろう。

40年を振り返ってみれば、だれもが一度はお世話になった企業だから、
できるものなら・・・ 新しい社名を公募するってのも面白いかなと思っている。
決定までに、3ヶ月ぐらいは余裕があると思われるので、
景品付きで検討していただけるとありがたいんだが・・・ 如何なものだろうか?


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4 コメント

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Unknown (yattokamehikotaro)
2024-12-30 17:45:00
お詳しいですね。
こちらは博学を真似ようとも、知恵が無い(笑)
参考になりました。
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Unknown (なおとも)
2024-12-30 18:18:59
こんばんは!

とても面白く拝読しました。もし、募集があるならば絶対応募します(笑)世の中どんどん変わっていきますね。着いていかなければ。

今年も楽しく為になる記事を楽しみました。
来年もどうぞ宜しくお願い致します。
良いお年をお迎え下さいませ。なおとも
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Unknown (多摩爺)
2024-12-30 18:20:53
yattokamehikotaroさん、こんにちは

博学だなんて、滅相もありません。
親しい友人や親戚に、NTTに勤務していた方がいて、
うろ覚えですが、お酒を飲みながら聞いた話しや、知ってることを、思い出しながら書いてみました。
コメントを頂戴し、ありがとうございました。
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Unknown (多摩爺)
2024-12-30 19:25:44
なおともさん、こんばんは

松下電器が商品がランドのパナソニックを企業名にしたように、
ITの業界で普通に使われているICTをそのまま社名に出来ればスムーズかなと思っていますが、
それじゃ工夫がないので、なにか一捻りが必要かもしれません。

私が好みの「名は体を表わす。」に相応しい、IT系会社のブランド(英語表記)は、
IBMのThinkや、日立のInspire the Nexなので、
そんなのが出来れば、ちょっとワクワクしてしまいそうです。

ご挨拶が最後になり、申し訳ございませんが、
なおともさんも、良い年をお迎えください。
また、来年も宜しくお願いいたします。
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