時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

生絹(すずし)豆子郎

2021年11月19日 | 大人のおやつ

多摩爺の「大人のおやつ(その21)」
生絹(すずし)豆子郎 豆子郎・山口宇部空港店(山口県宇部市)

飛行機で帰郷する義弟を迎えに、たぶん20数年ぶりだと思うが山口宇部空港にやって来た。
時間が少しあったもんだから、2階の搭乗口付近のお土産物コーナーを見ていたら、
私の大好物でもある故郷の銘菓「豆子郎(とうしろう)」の支店があることに気がついた。

私の大好物は、山口県内の13店舗でしか販売されていない、お取り寄せができない逸品で、
そのみずみずしさと、滑らかな口溶けから、
精錬されてない絹に例えて・・・ 豆子郎の頭に生絹(すずし)の冠がついている。

薄くて透明のフィルムに包まれた・・・ 「生絹豆子郎(すずしとうしろう)」の賞味期限は、
店頭で販売されてからおおよそ3日以内(できれば当日中に食べてほしい。)だから、
お取り寄せ(ネット販売)は・・・ とうてい無理なのである。

因みに紙に包まれて、お取り寄せが可能な一般的に豆子郎と言ってるのは、
包み紙に印刷はないものの・・・ 「簾子(れんじ)豆子郎」という商品名で販売されている。

その町に住む人々に、昔から愛された和菓子(山口の銘菓・外郎)は、一つの文化だと思う。
室町の時代に使われていた米粉が、江戸の時代になって手に入りにくくなってくると、
地元産のわらび粉を使って、白外郎を作り・・・ そこから黒外郎、抹茶外郎に進化させると、
戦後(昭和23年)、菓子作りは素人だった職人が、外郎を進化させて豆子郎が生み出している。

「豆子郎(とうしろう)」の由来は、「素人(しろうと)」が作った和菓子ということにあり、
頭に豆を付けて・・・ 「豆子郎(とうしろう)」として商品化されたという。

小田原や名古屋、京都の銘菓「外郎(ういろう)」のような、
もっちりした食感も堪らないが・・・ ぷるんとした口当たりと小豆の風味に、
控えめながらも、口の中でしっかりと期待に応えてくれる甘味は、
山口ならではの・・・ おもてなしの逸品ではなかろうか?

長細い形状にも拘りがあって・・・ 女性が大きな口を開けて食べなくても良いように、
考え抜かれたというから、いやはやその思慮深さには恐れ入る。

イートインのコーナーもあるが、あいにく営業時間外だったので、
女房と1本(たぶん130円だったと思う。)ずつ買って近くの椅子に座り、
自販機で買った、あったかいほうじ茶を飲みながら・・・ ぷるんぷるんの食感を堪能した。

餅、饅頭、大福、どら焼き、羊羹などなど・・・ 秀逸な和菓子は各地に数多あり、
その土地で進化と変化を繰り返しながら、絶えず新しいものが世に出てくる。

そこで私がお薦めする、おもてなしの逸品(和菓子)は・・・ 「なに?」と問われたら、
即座に故郷の外郎(ういろう)と、豆子郎(とうしろう)だと応えるだろう。

美味い。
本当に美味い。
ぶち(山口の方言で、もの凄くという意味)美味い。

閑話休題
ちょうどその頃、宇部市では豊島竜王に藤井三冠が挑戦する、将棋の竜王戦が行われていて、
メディアで話題のおやつは・・・ きっと「豆子郎」か「外郎」だろうと思っていたら、
予想は大外れで、女房の故郷・長門市のブランド柚(ゆず)を使ったケーキで、
勝負メシは、なんと私の故郷・下関市のブランド河豚(ふく)を使ったカレーライスだった。

いつも、その土地の名産を食べてくれる藤井三冠だから、
今回はなにを選んでくれるのか、何気に気になっていたところ、
私と女房の故郷の特産品だから・・・ チョーびっくり

さすがに空港から、対戦会場があるANAホテルに直行して、
同じものを食べるといった、時間的な余裕はなかったが、
ゆずきちを使ったおやつと、ふくカレーは、
日を改め、近隣の道の駅で食べてるので・・・ 後日、ブログにアップしようと思う。

また、今回の帰郷で一番驚いたことは・・・ 交通量がコロナ前に戻っていたことだろう。
トラックも乗用車も、6月に帰郷したときと比べて4~5倍、9月の2~3倍になっていて、
サービスエリアでの駐車率も6月は1~2割、9月は4~5割だったのに、
今回は8~9割埋まっているんだから・・・ 交通量は完全にコロナ前に戻っていた。

年が明けると、これにGoToトラベルが加わるんだから、嬉しい悲鳴だろうが、
ガソリン代さえ落ち着けば・・・ 経済も回ってくるんじゃなかろうか?


薄いフィルムにプリントされた商品名の「生絹豆子郎(すずしとうしろう)」が、
単価(130円)以上に格調高い。

搭乗口に上がって右手にある豆子郎の宇部空港店、左手の奥にイートインコーナーが併設されている。

空港の1階には、注目の将棋「竜王戦」を告知する大きなポスターがあった。
この1枚を取った翌日、藤井三冠は竜王を獲得して四冠になっているんだから・・・ 凄すぎる。

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4 コメント

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Unknown (tsubone)
2021-11-19 09:09:15
おはようございます

この生絹豆子郎にとても惹かれました。
お取り寄せができないって処も残念ですが、余計に欲しくなりますね。
食べたいな~
生絹をすずしと読むのを初めて知ったのは元絹屋の娘としては恥ずかしいです。
ただ、精錬されない絹って手触りや鈍い光沢は素敵ですが、なんともいえないタンパク質の生臭い匂いがするんですよね。
生糸を運んだあとの会社の車に乗せてもらって車酔いした遠い記憶。
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Unknown (多摩爺)
2021-11-19 10:08:11
tsuboneさん、こんにちは

生絹を「すずし」と読むのは私も知りませんでした。
「しょうけん」とか「せいけん」かなと思っていました。
音読みと訓読みの妙でしょうか?
漢字は読みでイメージが変わりますから面白いですね。
また、光沢ある生絹が生臭くて、車酔いするとは驚きです。
これは全く知りませんでした。
絹屋さんならではの忘れ得ぬ思い出ですね。
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Unknown ( kazukomtng)
2021-11-19 11:55:50
おかえりなさい。
時に、、
人は、人の間に生きている事を実感しますね。
人も葦のように?

豆子郎、もちろん知っていますよ。
ただ、母の影響でか?
山口市に本店にある、御堀堂の生外郎の方が好きです。
これも日持ちせず、必然的に入手できる店は限られています。
山陽自動車道の上り下松SAに店舗がありますよ。
いつか、ご縁があったら(^^)
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Unknown (多摩爺)
2021-11-19 14:23:41
くちこさん、こんにちは

もちろんですが、私も外郎は大好きです。
最近は大阪からフェリーなので、下松SAに寄る機会はなかったですが、チャンスがあれば寄ってみようと思います。
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