多摩爺の「四季おりおり(その30)」
花は越後の雪椿 津川絞り
バルコニーガーデニングといったら、ちょっと格好が良すぎるが、
いわゆる・・・ ジイサンが楽しむ盆栽で、
色彩が単調で薄い冬から春にかけて、色鮮やかに開く椿を楽しみに育てている。
今年の椿は、どうしたことか開き始めが遅かったが、
ここにきて、なんとなく帳尻が合ってきて、しっかり楽しませてもらったが、
どうやら、そろそろシーズンオフを迎える、季節の変わり目になってきたようである。
そんな折、今年は開かないのかなと思ってた「津川絞り」が、昨日ようやく開いてくれた。
蕾がまだ二つあるので、この調子だと、4月の1週目ぐらいまでは、
千重咲きの中輪で、淡いピンク地に、濃い紅の小紋が入った、
ちょっと小粋な椿が・・・ もう少しだけシーズンを繋いでくれそうである。
「津川絞り」は、新潟県の旧津川町(新潟と会津の中間辺り)の名花で、
新潟を代表する雪椿だが、雪シーズンが終わったころになって開くんだから、
ホントに雪椿なんだろうか・・・ ちょっと心配になってしまった。
まっ、それはそれとして、雪椿と言えば、真っ先に思い浮かぶのは、
新潟出身の小林幸子さんが歌った名曲・・・ 「雪椿」ではなかろうか?
題名となった雪椿が、「津川絞り」のことを指しているのか、そこまでは分らないが、
「 ♪ 優しさと 甲斐性のなさが 裏と表についている・・・ 」の歌い出しから始まり、
「 ♪ 花は越後の、花は越後の雪椿 」のサビの部分が耳元に残る・・・ 印象深い演歌だった。
この歌が発売されたのは・・・ 1987年だから、もう36年も前になるが、
それは私が上京して、間もないころであり、
テレビを付ければ「24時間働けますか?」のCMが、ガンガン流されていた、
バブル時代の・・・ 真っ只中だった。
かくいう私も・・・ ご多分に洩れることなく、
若さに任せて、年間で100時間を大きく超える残業をやっていた猛烈サラリーマンで、
仕事が最優先で、家庭を顧みることがスッポリと抜け落ちた、哀れな働き蜂だった。
今風にいえば、社畜ってことになるのかもしれないが、
みんなそうだったから・・・ それが当たり前だと思っていた。
そこにもってきて、歌い出しのフレーズが「優しさと甲斐性のなさが・・・ 」だから、
東京での仕事と生活には、なんとか慣れてはいたが、
なに気に立ち止まりながら、振り返ることが多くなっていたころでもあって、
随分と歳月が流れてから言うのもなんだが・・・ この歌詞は、けっこう沁みていた。
そんな雪椿でもある「津川絞り」は、ピンク一色の乙女椿とよく似ている千重咲きだが、
花びらの一部に、紅色を濃く引いた、太い絞りの紋様があって、
乙女椿とは、ちょっと違って・・・ 艶っぽさと、趣を感じる品種である。
もう少し具体的に例えるなら・・・ ピンク一色が、純情可憐な乙女椿なら、
化粧を覚えた乙女が・・・ 頬紅や口紅を差し、
大人の女性へと成長したものが「津川絞り」だと言えば、分かり易いかもしれない。
見ていて飽きないというか、その紅が・・・ 気になるのである。
なぜだか不思議と、気になるのである。
ちょっと小粋な椿に、惚れてしまったのである。
写真を撮りながら、角度を変えて見ていたら・・・ 後ろから女房の声が聞こえてきた。
「今日は、お母さんの誕生日だよ。」
「あっ、そうそう、そうだった。」
息子はうっかり忘れてたのに、嫁はありがたいことに、しっかり覚えていてくれた。
めでたく93歳になったお袋に、電話しようと思って部屋に入ったら、
なんと・・・ お袋から逆に電話がかかってくるから驚く。
女房が誕生日のお祝いにお菓子と、小遣いを送っていたようで・・・ そのお礼の電話だった。
「なんだよ。プレゼント送ったって、言っといてくれよ。」と思いもしたが、
私のそんなところが、おそらく「甲斐性のなさが・・・ 」の部分なのかもしれない。
お袋も、私より女房と話したかったようなので、電話は直ぐに代わったが、
なんだかちょっと・・・ 朝から良い気分である。
女房に感謝、感謝・・・ 大感謝しなきゃならないだろう。
ひょっとしたら雪椿の開花の遅れは、お袋の誕生日を待っていたのかもしれない。
そんなわけないが、そう思えば・・・ ドンピシャ辻褄が合うので、良い方向で捉えたい。
気候も良くなってきたし、なんとなく良い風が吹き始めたようである。
そろそろマスクを外して出かけても・・・ 良いのかもしれない。
そう思いだしたんだが、如何なものだろうか?
ガーデンバルコニーの鉢植え椿も、そろそろシーズンオフ、
その掉尾を飾ったのは・・・ なんともはや艶っぽい雪椿「津川絞り」だった。
シーズンオフ最後に開いてくれた津川絞りに、ちょっと感情移入して綴ってみました。
津川絞りの開花もさることながら、たいしたものでもないのに、母が誕生日プレゼントを喜んでくれたことが嬉しかったですね。
雪椿の歌は知っていますが(胸に迫る歌ですね)、こんなふうに艶やかさを慎ましく包んだ花とは知りませんでした。
ありがとうございます😊
マスクは、人混みの中以外は外して生活しています。
通常のインフルエンザも流行っていますし、まだまだマスクなしを不安に思う人が多いと思いますので、人混みではマスクをつける方が何かと穏やかかな?と思いまして。
その「雪椿」を自分の人生に重ね合わせ、「やさしさとかいしょのなさが裏と表についている」企業戦士の北多摩さんを支えた奥様に感謝する気持ちが文章に現れていて、ほっこりさせられました。
「私がその分がんばりますと/背をかがめて微笑み返す」奥様のイメージが沸き上がってきます。
そんな奥様に「感謝」ですね。
椿は花びらが散らず、花がそのまま落ちるので、掃除が楽かなと思って育てましたが、いまじゃすっかり嵌まってしまいました。
最近、マスクを外してウォーキングされてる方を、たくさん見かけるようになりました。
季節とともに、状況も良い方に向かってきた感じがしています。
歌詞の続きを書いてくださって感謝です。
さすがにそこまでは書いては、うぬぼれが過ぎると思い書きませんでしたが、
裏方で私を支えてくれる、私には過ぎた女房です。
ありがとうございました。
雪椿カラオケ十八番でうたってました。いい歌詞ですね。
そしていい奥様
その奥様にちゃんと感謝できる多摩爺様素敵なご夫婦。
あやかりたい
蚊帳つりたいです。(笑)
お互いに感謝できる事大事ですね。お〜い夫に読んで聞かせましょう(笑)
3年前に65歳でリタイアしたとき、女房が一生懸命働いてきたんだから、家でゆっくりとたらと言ってくれたんで、
少しぐらい働こうかなと思ってましたが、その言葉にあまえて、
ブログと、ウォーキングと、孫のお守りと、家事手伝いの日々を過ごしています。
私には過ぎた女房です。
ありがとうございました。
ひ孫に会いたいと言って、5月に母が上京します。
私が迎えに行くよと言ったら、1人で行くから大丈夫と言って、言うことを聞いてくれません。
妹にお願いして新幹線に乗せてもらい、東京駅まで迎えに行き、月末には父の三回忌のために、一緒に帰郷する予定です。
93歳になった高齢者の一人旅は、とっても心配ですが、妹と相談して任せることにしました。
まだ2ヶ月も先のことなのに、いまからドキドキしています。