多摩爺の「時のつれづれ(霜月の14)」
首班指名を軽くみてないか?
この国の政権を担う総選挙が終わって二日が経った。
小選挙区で敗れ、比例で復活した与党の幹事長が辞意を表明したり、
政権交代を訴えて、左派系の政党と共闘を組んだものの、
結果的に議席を減らしてしまった野党第一党のトップも辞意を表明したりで、
与野党ともに戦(いくさ)に負けた幹部が責任を取って、相次いでその職を辞することになった。
政治家というものの出処進退は・・・ 自ら判断するものである。
政権与党の幹事長は、現職の外務大臣を後任に充てることを総選挙の翌日に決め、
あとは党内手続きを経るだけになっている。
一方で野党第一党のトップは・・・ 総選挙の二日後に辞意を表明し、
来週の10日に開催予定の特別国会を終えてから、代表選挙を行ってほしいと述べた。
政権交代を訴えていたものの、結果をみれば代表交代になってしまった。
それが戦であり、戦に負けたわけだから・・・ 責任者が交代するのは仕方ないことだ。
野党第一党のある幹部は「他に選択肢はあったのか?」と開き直りの姿勢をみせたが、
そういった総括しかできないから、支持者が逃げたのであって、
「支持者を含めて、ホントに知恵を絞った総意だったのか?」と逆に問いたいぐらいである。
けっして傷ついた敗軍の将に、難癖を付けたいわけではないが、
特別国会を終えてからと、拘ったところが・・・ ちょっと腑に落ちない。
その拘りとは、10月4日に臨時国会が召集され、衆参両院にて行われた首班指名選挙で、
総選挙で共闘した野党4党は、そろって野党第一党のトップに投票しているが、
来週10日に開催予定の特別国会で行われる予定の首班指名選挙で、
辞めることを表明した野党第一党のトップに・・・ 再び投票するのだろうか?
メディアに露出する、政治コメンテーターの方々の分析に寄れば、
今回共闘した4党の失敗は・・・ 野党第一党が左に寄りすぎたことだと結論づけている。
メディアに露出する野党第一党の議員ですら、表だって異を唱えてないし、
素人の私でさえ、そう思うんだから・・・ そのとおりだと思う。
だが、いったん軒先を貸した共産党からしたら・・・ それでは困るもんだから、
「結果はともかく、接戦で追い詰めているのは明らかに共闘効果だ。」と、
来年行われる予定の、参議院議員選挙での共闘を念頭に置いて、
野党第一党が軒先から出ないように、路線変更しないようにと、言葉巧みにジャブを打ち続けている。
おそらく首班指名選挙では、野党第一党の長老クラス(総理を経験した重鎮など)を、
取りあえず代打としてだして、共闘した4党で合意をとりつけ、
投票に至るのだと思うが・・・ 首班指名って、そんなに軽いものなんだろうか?
だれでも良いってものじゃない。
そこんところが曖昧なままでは、首班指名が軽く扱われていると指摘されても致し方ないだろう。
トップが辞めることを表明したんだから、
そういったことを想定してポストを用意している・・・ 代表代行を首班に立てるべきだろう。
それが組織というものだから、昔の人(長老)を代打にするのだけは止めてほしい。
選挙のみならず、首班指名で共闘を組むということは、
今後の方向性を同じくするということでもあり、国民はその動向をしっかりと見ている。
4党が共闘で首班指名を行うのか、それとも・・・ ?
まずは第一関門の共闘という踏み絵をどうやってクリアするのだろうか?
トップを決める前から・・・ のっぴきならぬ調整が待ち受けている。
やっつけ仕事で首班指名選挙に望むと、後々痛い目にあうことは必然だし、
かつては政権をとった政党なんだから・・・ それぐらいの察しはつくだろう。
閑話休題
ついでで恐縮だが、投票日の夜に報道された選挙特番で、
あるお笑い芸人が・・・ 小選挙区で苦戦が強いられていた政権与党の幹事長に向けて、
「ご愁傷さま。」と投げかけたことに、ワイドショーでは取り上げられてないが、
無礼ではないかとの声が・・・ ネットで物議を醸し出している。
言葉の意味だけにフォーカスすれば、「ご愁傷さま。」は「お気の毒さま。」だから、
全くもって無礼ではないし、むしろ適切な言葉とも取れるが、
この国で「ご愁傷さま。」を使うのは、亡くなった方のご家族にかけるのが一般的で、
今回のような場で使うのは適切とは思えず、皮肉や嫌みと捉えられても致し方ないだろう。
この国のメディアに関しては、中立を保って報道することを求められているが、
相手が政治家だからといって、特別に忖度する必要はないものの、
だからといって茶化したり、喧嘩腰で持論を展開して相手を追い詰める必要もない。
また、気になる言葉投げかけたのは、お笑い芸人だけではなかった。
専門知識を持った有名なジャーナリストが、上から目線極まりない口調で立て板に水のごとく、
与野党の政治家に、したり顔で迫る姿には、
報道の域を超えており・・・ いかがなものかと思っている。
政治家も・・・ 一人の人間である。
腹が立つこともあれば、イライラが顔に出ることもあるだろう。
政治家や政党が、これまで行ってきた政治に関する責任や姿勢について、
さらには今後の政策について、聞きたいことを聞いてくれれば良いのであって、
皮肉や嫌みを投げかけて、政治家が不機嫌な顔をするのを見たいわけではないし、
「なんだ。あいつは・・・ 」なんて、思いたいわけでもない。
選挙の報道番組って、どのように扱うべきものなんだろうか?
各局の総てが同じ特番をやってるんだから、視聴率が気になるのはわからんでもないが、
お昼のワイドショーじゃないんだから、もう少し、お行儀良くても良いと思ってみていた。
報道番組のMCには、進行と仕切りは任されているが、
オチまで任されているわけではないし、ましてや言葉巧みに誘因すべきではない。
どう感じ、どう思い、どうあるべきか・・・ それは視聴者に任せるべきことである。
全くお説の通りです。
長文にもかかわらず、記述の要旨が頭に入ります。
文字も大きく、読みやすい文章で最後まで読ませていただきました。
政権交代を叫んで戦った、曲がりなりにも野党第一党。
国会での首班指名する党首が不在で済まそうとするするなんて、前代未聞な珍事です。異常事態です。
「立憲共産」に投票した国民をなめるのも酷すぎる。
維新と国民民主が是々非々で議論する健全な野党になってくれそうですので、
これからはスキャンダル追及がメインの野党から、少しは変わるのではないでしょうか。
立憲民主は共産がだきつき、つきまとうので一人去り二人去りで、なんだか行く末が見えるようです。
第三勢力が議論をリードすれば、それなりに白熱と緊張の国会になりそうで期待が膨らみます。
今後も思いの丈を、コメントしていただければ幸甚です。
よろしくお願いします。