ＭＬＢがやって来た。

多摩爺の「スポーツ観戦（その５２）」
ＭＬＢがやって来た。

１８日と１９日に行われるＭＬＢの公式戦を控え、来日したドジャースとカブスを相手に、
ＮＰＢのジャイアンツとタイガースが対戦するプレシーズンゲームが、
先週末の土曜日と日曜日に・・・　デーゲームとナイトゲームで行われた。

オープン戦ではあるものの・・・　古い人間で恐縮だが、日米対決でもあり、
日本人メジャーリーガーの大谷選手や鈴木選手には、打って欲しいなとの思いがあるものの、
タイガースやジャイアンツの投手陣が、メジャーリーガーたちから三振を奪う場面もみてみたい。

水を飲むのが厳禁だった時代の、半世紀以上も昔の高校球児の視点で恐縮だが、
勝敗を度外視して、ＭＬＢとＮＰＢの違いをハッキリと感じたことが、
幾つかあったので・・・　それについて能書きを垂れてみたい。

まず一つ目は、両国投手の試合に挑む基本姿勢だろう。
ＮＰＢの投手陣は、メジャーリーグのスカウト視線を意識して、明らかに真剣勝負を挑んでいたが、
一方でＭＬＢの投手陣は、長距離移動と時差ボケの解消と、１８日の開幕戦を意識した調整と確認で、
使用する東京ドームの雰囲気とか、マウンドの傾斜や硬さの確認をしていたように見えた。

さらに、ピッチクロックに馴染んだＭＬＢの投手陣は、
出てくる投手が誰であろうと、投球間隔というか、間合いというか、テンポが小気味良くて、
ヒット数が少なかったとはいえ、四死球がそれなりにあったにも拘らず、
試合進行がことのほかスピーディだったのは・・・　ＮＰＢにも是非取り入れて欲しいと思う。

そして二つ目は試合で使用される公式の試合球がＭＬＢとＮＰＢで違うことだろう。
プレシーズンゲームでは特別ルールがあり・・・　両チームの投手に配慮して、
ＭＬＢのチームが守備に就くときは、ＭＬＢ球を使用し、
ＮＰＢのチームが守備に就くときは、ＮＰＢ球が使用されていたのである。

牛皮を使って、縫い目の数も同じだから、大差はないようにも思えるし、
ＭＬＢの公式球は、ＮＰＢの公式球より滑るというのは・・・　良く聞く話だが、
それより、ＮＰＢの公式球は、ＭＬＢの公式球より飛距離が出ないことは知らなかった。

調べてみると・・・　ＮＰＢ球の抗力係数は０.４１０で、ＭＬＢ球は０.３７０らしく、
一般的には、この数値が大きいほど、打球は飛ばないということだから、
ＮＰＢの公式球がＭＬＢの公式球と比べて飛ばないのは・・・　間違いないようだ。

よってＮＰＢの公式球でホームランを打とうとすれば、
タイミング良く芯でとらえることは勿論だが、
フェンス際の微妙な打球をホームランにしたいと思えば、
パワーを付けるか、球場の広さや、風向きや風の強さなどの、ウンに頼るしかないようである。

そういった視点でみれば、大谷選手のホームランは巧く拾ってパワーで押し込んだ当りであり、
ライトスタンドとレフトスタンドに放り込んだ、ドジャースの二人の選手のホームランは、
快心の打球音から察すれば、スタンドの上段まで飛んでいても不思議ではなかった。

さらに・・・　１５日の試合で、鈴木選手の第二打席のセンターフライは、
ＭＬＢの公式球だったら、おそらくフェンス直撃だったと思われる。

然は然り乍ら（さはさりながら）・・・　そこだけ見れば、
ＭＬＢの公式球は、打者有利のように思えるが、
一方で・・・　ＭＬＢの公式球の曲がりが、恐ろしくエグい。

パワータイプの投手であっても、１６０㎞のストレートを投げるだけなら、
メジャーの打者なら、目が慣れればなんとかなりそうに思うものの、
あれほど大きく曲がったり、小刻みな変化があったら、そう簡単に打てるわけがなく、
打者有利というほどでもないので、バランスが取れていることが良く分かる。

そして、最後の三つ目は・・・　牽制球に関する厳しいルールの違いだった。
ＮＰＢには、投手のボーク以外に牽制球に関わるルールはないが、
ＭＬＢには、投手が３回牽制してアウトに出来なければ、ボークで進塁が認められるルールがある。

それを見越してか、メジャーの投手は牽制が少なく、クイックも少ないことから、
タイガースもジャイアンツも、ほとんどノーマークで盗塁したけりゃどうぞぐらいで走り放題だった。
一方でメジャーリーガーは大柄な選手が多く、走る選手は限られていて、
その選手だけマークしておけば良いので、盗塁という興味はあまり強くないらしい。

それがメジャーであり、野球ではなくベースボールだと言えば、それまでなんだが、
キャッチャーの肩が強いとか弱いとか以前に、ＮＰＢの選手にこれは通用しないし、
いかにプレシーズンゲームとはいえ、あまりにもなめすぎではなかろうか？

最後に、これはＮＰＢに関することで、全くもって私見だが、
タイガースは２試合ともに、外国人投手をリリーフで１イニングだけ登板させたが、
ジャイアンツは１試合はタイガースと同じだったが、もう１試合では先発投手として起用していた。

また、外国人野手については、タイガースは１試合だけ１名を代打で起用したが、
ジャイアンツは２試合ともに、２名をスタメンで起用していた。

別にイチャモン付けるわけじゃないが、公式戦が始まれば主力として起用するので、
調整期間と捉えればそれで良いとも思うが、メジャーリーグとの願ってもない対戦であり、
できれば日本人選手を起用して、メジャーリーガーの野球を肌身で経験させてほしかったと思う。

球団や監督の方針というか、戦略なのかもしれないが、
将来のある日本人選手に経験させてやって欲しいと思ったのは・・・　私だけではないだろう。
メジャーの投手ボールを見て打って、メジャーの打者の打球を捕って投げて、
それだけで先々の糧になると思うが・・・　如何なものだろうか？

それにしても・・・　タイガースは強かった。
今朝の関西のスポーツ紙には「タイガースはヤンキースより強い！」の大見出しが躍っているだろう。

追伸
これはイチャモンになるかもしれないが、
大谷選手とミスタージャイアンツが対戦するＣＭを、最近見かけるようになっている。
私が堅物なのか、それとも変わり者なのか、おそらくどちらもだと思うが、
あり得ないことを、あったら面白いな的に捉える・・・　飛躍したＣＭを私はあまり好まない。

ミスターはミスターのままで良いと思うし、
大谷選手は大谷選手のままで良いと思っており、
レジェンドを空想で対戦させる必要はないし、結果を出してないから良いというものでもない。
よって、なんでも有り的な野暮なＣＭは・・・　見たいと思わないし興味もない。

明日の開幕戦を控えた東京ドーム前
混み合わないことを願って、試合のない月曜の朝にＭＬＢグッズショップまで出かけ、
大谷選手のティーシャツなどを購入してきた。

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ＭＬＢワールドツアー　東京シリーズ　２０２５　［東京ドーム］

プレシーズンゲーム　・ＭＬＢ　ドジャース　　１勝１敗、　カブス　　　１勝１敗
　　　　　　　　　　・ＮＰＢ　ジャイアンツ　０勝２敗、　タイガース　２勝０敗

２０２５年　３月１５日（土）
カブス　　　（ＭＬＢ）０００　０００　０００　＝　０
タイガース　（ＮＰＢ）００１　１１０　００Ｘ　＝　３
・鈴木誠也選手（３打数１安打）　中直　中飛　左安　四球

ドジャース　（ＭＬＢ）００５　０００　０００　＝　５
ジャイアンツ（ＮＰＢ）０００　００１　０００　＝　１
・大谷翔平選手（２打数１安打２打点）　四球　右本　二ゴ

２０２５年　３月１６日（日）
ドジャース　（ＭＬＢ）０００　０００　０００　＝　０　　※　特別ルールで９回裏の攻撃も実施
タイガース　（ＮＰＢ）０００　３００　０００　＝　３
・大谷翔平選手（２打数０安打）　三振　中飛

カブス　　　（ＭＬＢ）０００　０４０　０００　＝　４
ジャイアンツ（ＮＰＢ）０００　０２０　０００　＝　２
・鈴木誠也選手（３打数０安打）　四球　右飛　三振　三振