すっかり観光地化してしまった赤レンガ倉庫、そして新港埠頭。
私が車の免許を取った頃は、まだ単なるコンテナ埠頭だったんですよね。
今でも公園内に残っているプラットホーム。
当時も既に廃線になっていましたが、巨大なコンテナが並んだ敷地内を、このホームに上がって眺めたりしていました。
赤レンガ倉庫も、ベニヤ板や太いチェーンで囲われており、立ち入り禁止になっていました。
まだギリギリ十代の頃。
男として生きなければならないのかと思い詰め、複雑な心境で過ごしていた私。
当時付き合っていた彼女と、よくここへ来て、お互いの未来、そこから始まる二人の生活を語り合ったりしていました。
彼女は私の心、内面が女性であることを知っていました。最終的には私が話しましたが、それよりずっと前に彼女の方から尋ねてくれました。良き理解者であり、最愛の人。懐かしい想い出です。
あれから三十数年が経ち、先日、息子と二人で久しぶりに赤レンガ倉庫へ。
もちろん息子は今の様相になる前のコンテナ埠頭を知りません。
当時のことをいろいろ話してあげると、興味津々に聞いてくれました。
「パパ、その頃は男だったの?」
「そうだよ」
「そっか。なんかこの埠頭とパパって似てるよね。コンテナ埠頭で作業場だったのが、お洒落なカフェとかお店がある観光地に変わったしさ」
「言われてみればそうね」
上手いこと言うもんだなと感心しながら、二人で笑いました。
同じ場所でも男時代に来たときの印象と、女性になった今では感じ方が違う。
男時代、若かったもんなー
その時代を、出来れば生まれた時から女性として生まれたかったもん。
ま、仕方ないけどね(笑)💁🏻♀️