愛鳥倶楽部 02 うぐいすタカラトミーこのアイテムの詳細を見る |
穏やかな月曜の朝。
教室に入っていくと,
4人の子ども達が駆け寄ってきて,
驚きの告白。
「先生,昨日,
お店の駐車場で鶯が弱っていて,
お母さん達に相談したら,
『学校に連れて行けば何とかなるんじゃないの?』
って・・・・・・。」
「鳥?!
どこにいるの??」
とりあえず朝の会を進めるよう指示し,
鶯の幼鳥を箱ごと倉庫に隔離。
子ども達には,
「とりあえず,
全員うがいと,薬用石鹸で手洗いしましょう。」
と指示。
ちょうど1校時は道徳。
「終生飼養」についての教材を読んだ後に,
全員に鳥の姿を覗かせて,
(入念にうがい手洗いをさせて)
みんなで,
「手にしてしまった鳥をどうしたら良いか?」
を考えた。
「鳥インフルエンザ」という言葉は子ども側から出てきた。
そう,
学校では「野生の鳥,特に弱っている鳥や死んでいる鳥には近づかない」と指導している。野生の鳥を飼うには知事の許可も必要である。
そして,
昨日から世話をしてきた子ども達から,
「餌も食べさせられない」という問題点も挙げられた。
私の側からは,
「人間が関わった野生の生き物は,もう,親は関わらない。」
「小さい体だけれども,命の大きさは大事にしたい。」
「連れてきたみんなの思いも大切にしたい。」
と話した。
そして,
「学校の教員としては,全員の安全を考えれば,
ここに置いておくわけにはいかない。
でも,
1人の人間としては,
あの鳥の命も,みんなの思いも,何とかしてやりたい。」
と私自身の中の葛藤を打ち明けた。
「成鳥にして自然に帰してやりたい。
でも,
どこで育てればいいのか?
どうやって育てればいいのか?」
と,39名みんなで頭を抱えてしまった・・・・・・。
2校時以降は通常の教科の授業。
(どうしたものか・・・・・・。)
ずっと葛藤が続く。
途中の休み時間に,
子ども達はミミズを捕ってきて食べさせてみていた。
努力の甲斐なく,
入念なうがい手洗いの機会が増えただけに終わる。
私は業間休みに「飼い方と餌」をネットで調べ,
「きな粉」を使った前例を発見。
「昼休みに近くのお店まで飼いに出よう。
餌さえ食べさせられれば,
誰か子どもに持ち帰らせるか,
または,
小屋に持ち帰って,
獣医学関係志望の【けーこ】に
世話をさせてみるか・・・・・・(笑)」
等と密かに今後の計画を練る。
しかし,
私たちが思っていた以上に,
死は突然だった。
*「後編」に続けますm(_ _)m