たろおの小屋

昼間は「聖職者」を演じる永遠の若造「たろお」のつぶやき。
仕事,家族,後遺症・・・。感謝の日々を綴っています。

無力 ~教員か、教師か~ (前編)

2009-06-01 23:59:47 | お仕事
愛鳥倶楽部 02 うぐいす

タカラトミー

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穏やかな月曜の朝。
教室に入っていくと,
4人の子ども達が駆け寄ってきて,
驚きの告白。
「先生,昨日,
 お店の駐車場で鶯が弱っていて,
 お母さん達に相談したら,
 『学校に連れて行けば何とかなるんじゃないの?』
 って・・・・・・。」
「鳥?!
 どこにいるの??」

とりあえず朝の会を進めるよう指示し,
鶯の幼鳥を箱ごと倉庫に隔離。
子ども達には,
「とりあえず,
 全員うがいと,薬用石鹸で手洗いしましょう。」
と指示。


ちょうど1校時は道徳。
「終生飼養」についての教材を読んだ後に,
全員に鳥の姿を覗かせて,
(入念にうがい手洗いをさせて)
みんなで,
「手にしてしまった鳥をどうしたら良いか?」
を考えた。


「鳥インフルエンザ」という言葉は子ども側から出てきた。
そう,
学校では「野生の鳥,特に弱っている鳥や死んでいる鳥には近づかない」と指導している。野生の鳥を飼うには知事の許可も必要である。
そして,
昨日から世話をしてきた子ども達から,
「餌も食べさせられない」という問題点も挙げられた。


私の側からは,
「人間が関わった野生の生き物は,もう,親は関わらない。」
「小さい体だけれども,命の大きさは大事にしたい。」
「連れてきたみんなの思いも大切にしたい。」
と話した。
そして,
「学校の教員としては,全員の安全を考えれば,
 ここに置いておくわけにはいかない。
 でも,
 1人の人間としては,
 あの鳥の命も,みんなの思いも,何とかしてやりたい。」
と私自身の中の葛藤を打ち明けた。



「成鳥にして自然に帰してやりたい。
 でも,
 どこで育てればいいのか?
 どうやって育てればいいのか?」
と,39名みんなで頭を抱えてしまった・・・・・・。



2校時以降は通常の教科の授業。
(どうしたものか・・・・・・。)
ずっと葛藤が続く。


途中の休み時間に,
子ども達はミミズを捕ってきて食べさせてみていた。
努力の甲斐なく,
入念なうがい手洗いの機会が増えただけに終わる。

私は業間休みに「飼い方と餌」をネットで調べ,
「きな粉」を使った前例を発見。
「昼休みに近くのお店まで飼いに出よう。
 餌さえ食べさせられれば,
 誰か子どもに持ち帰らせるか,
 または,
 小屋に持ち帰って,
 獣医学関係志望の【けーこ】に
 世話をさせてみるか・・・・・・(笑)」
等と密かに今後の計画を練る。



しかし,
私たちが思っていた以上に,
死は突然だった。


    *「後編」に続けますm(_ _)m

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