藤原よしこ著『あしなが王子様は失恋する』１巻あらすじ・ネタバレ感想

藤原よしこ著『あしなが王子様は失恋する』１巻あらすじ・ネタバレ感想。
貧しくても自分の力で立っていたい。
それなのに世界一嫌いな男と同居するハメになるなんて……。
悔しくてたまらない((ヾ(≧皿≦ﾒ)ﾉ))

『あしなが王子様は失恋する』１巻

あしなが王子様は失恋する（１） (フラワーコミックスα)

■著者：藤原よしこ

■カバーデザイン：カナイデザイン室
■発行：株式会社小学館
■発売日：2019年12月10日

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★『あしなが王子様は失恋する』１巻登場人物

『あしなが王子様は失恋する』１巻あらすじ・ネタバレ感想

★『あしなが王子様は失恋する』１巻あらすじ

★『あしなが王子様は失恋する』１巻ネタバレ感想

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『あしなが王子様は失恋する』１巻登場人物 

●槙かなえ（まき・かなえ）

　母と小五の妹の３人暮らし
　高校・大学とあしながおじさまから援助
　入社早々家が火事になる
　因縁の相手・永峯玲央が大嫌い

●永峯玲央（ながみね・れお）

　高校時代に失礼な発言でかなえに嫌われる
　［Ｎ＆Ｄカンパニー］御曹司

＜槙家＞

●かなえのママ

　恋多き女

●のんちゃん

　かなえの異父妹で小五だがシッカリ者
　玲央のことを気に入っている

＜永峯家＞

●トザワ

　玲央の執事でおひげの老人
　玲央より若者言葉に詳しい
　キメ台詞は「おググリなさいませ」

●ミホコ

　家政婦さん

●徳三郎（とくさぶろう）

　永峯家のペットで白い大型犬

＜Ｎ＆Ｄカンパニー＞

●ミヤちゃん

　面接の時からかなえと仲良しになった同期
　苗字は宮本
　“王子”玲央に憧れている

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『あしなが王子様は失恋する』１巻あらすじ 

「新しい
体操着を
買ったら？
貧しいのか？」

（6、7ページ）

初出勤の日に見た夢は、世界一嫌いな男から受けた屈辱の瞬間だった。
家庭の事情で高校退学も考えていた矢先、体育祭であの男が放った一言が槙かなえの運命を変えた。
リレーに出場したかなえは怒りのあまりあの男を華麗に抜き去った。
それがたまたま学校を訪れていたある裕福なおじさまの目にとまったことで、高校から大学卒業まで支援を受けることになったのだ。
以来、かなえはいつの日かおじさまに会えることを夢見て月に一度、あしながおじさまへ手紙を書いた。

張り切って入社式に出席するかなえの前に現れたのは、社長の息子で女子社員憧れの王子様、そしてかなえ史上最も腹の立つ男・永峯玲央だった。
長いものには巻かれろ、とは分かっているのだが、玲央はとにかくかなえに対して感じが悪くて腹が立たつやつなのだ。
そんなある日、母の不注意で出火し、家に住めなくなってしまう。

母は妹を連れ今カレの元に身を寄せる。
かなえは１人、満喫で過ごす。
先行き不安でもおじさまに前向きな手紙を書いたかなえの元に迎えの人がやって来て、かなえをあるお屋敷に連れて行く。
大好きなおじさまに会える！
大喜びのかなえだったが、そこにはなぜか玲央がいて……。

◆２巻あらすじ・感想こちら

あしなが王子様は失恋する（１） (フラワーコミックスα)

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『あしなが王子様は失恋する』１巻ネタバレ感想 

恋多き母のおかげで苦労してきたかなえだけど、母を恨んじゃいないし、頑張って頑張って頑張ってきたのだ。
よく知りもしない奴に「貧しいのか？」などと言われる筋合いはない。
そりゃあ大嫌いになるよね、そんな無神経なことを言うヤツ。

貧しくても自分の力で立っていたい意地があるんだよね。
玲央は、そんなかなえの気持ちをことごとく逆なでする。
でも、玲央にしたら悪気はないのだ。
むしろ、かなえがそんなにムキになって怒ることが理解できない。
お金持ちの玲央と貧乏なかなえの意地を張るポイントがズレている為だ。

例えば、10円安いタマゴを買う為に５キロ先のスーパーへ行く人と、10円高いけれど家から５分以内で行けるスーパーでタマゴを買う人と、どちらが偉いとか間違っているとかないと思う。
５キロ先のスーパーで10円安くタマゴを買う人は、10円を優先した分だけ時間を使ったにすぎない。
10円高いが近場のスーパーでタマゴを買った人はお金より時間を優先したまでだ。
何を優先するのかはその人次第だし、どちらを選んでもどっちも正しいのだ。
かなえと玲央は、価値基準が少々違うだけなのだ。

それでも、かなえが誰にも頼らず頑張っていることを思うと、玲央の言葉の使い方はキツイなぁと思う。
一方で、かなえがお守りにしてきたおじさまの手紙に書かれていた言葉は希望に溢れている。

I'm sure you'll grab a lot of things.

おじさまの正体は玲央なので、こんな言葉を書けるなら普段からかなえにもっと素直に話せばいいのにと思うが、玲央はかなえと顔を合わせると余計なことしか言わない。
援助した分、全額返済するか、自分と結婚するか迫るくらいかなえのことが好きなくせに、かなえを怒らせてばかりいる玲央。
コミュ障を超えている┐(´д｀;)┌

初っ端の
「新しい
体操着を
買ったら？
貧しいのか？」

（6、7ページ）

もひどい言い方だ。
でも、実はこの台詞、２巻、３巻では印象が逆転する。
腹立たしい台詞どころが、玲央の気持ちを思うと切なくなってしまうのだ。
玲央、難儀なやっちゃのぉ(ﾟ´Д`ﾟ)

タイトルからも分かるとおり、この漫画のベースになっているのは、ジーン・ウェブスターの『あしながおじさん』だ。
その為、漫画でも手紙風のモノローグで語られる。
だが、１話でおじさまの正体が玲央だと判明する為、手紙は書かなくなる。
意地っ張りの２人にとって手紙は大切なコミュニケーションツールだ。
酔っ払った玲央はつい手紙がほしいと口走ってしまい、ちょっと可愛らしい。

ところで、この手紙形式の物語の構成って子供の頃から不思議だったのよね。
『あしながおじさん』も遠恋時代の『赤毛のアン』も一章まるまる手紙だよ。
それ、もう手紙じゃなくて小包だよ。
手紙という名の小包が届いたらちょっとビックリだよね。
若干迷惑行為かもしれないよね。
すんません、野暮な発想ですね(~_~;)

あしなが王子様は失恋する（１） (フラワーコミックスα)

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