てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

玉蘭

2008年12月24日 | 読書
古本屋で見つけて購入。

今までに読んだ桐野夏生のほかの本とは、ちょっぴり毛色が違っていました。
いつもは、飛ぶような勢いで読み進めるのですが、
この本のときは、じっくりとしか読めませんでした。
もしかして、失敗か?と心配しましたが、そんなことはありませんでした。
上海幻想とでもいうような感じの本です。

仕事も恋も行き詰って中国に語学留学した主人公は、留学先でも心が晴れない。
そんな日々を送っていたある夜、
昔(戦争前とか)、上海に住んでいた伯父の幽霊が現れる・・・
というそんな感じで始まります。

仕事とか恋に行き詰ったら、なぜ留学するのか、
そのへんは不思議なんですが、これって一般的なのかな。
まあ、それはそれとして、主人公の話、叔父の話、などが交互に書かれています。

女性作家ということで、男性作家の書く女性に比べると、リアル感があります。
逆に男性はあまり現実的じゃないのかもなぁと思ったりしますが、どうなんでしょ。
この作品では、伯父の恋愛相手がたくましくていい感じです。

4点です。
薄さのわりには、読み応えがあります。

オイディプス症候群

2008年12月23日 | 読書
どうやら、シリーズものの2作目らしいことに、読み始めて気づきました。
ま、いいかーと気を取り直して、読了。
多分、問題なかったと思います。

えっとですね、この本は本格推理ものなんですけどね。
一応、ストーリーとしては、孤島での連続殺人事件。
バリバリ本格っぽい舞台設定です。
それに、謎のウイルスが絡む、分厚い上下巻というもので、
続きが気になって、読み終わるまで、眠れませんよ~
というのを期待して買った本です。
ですが、ですが。。。

まず、外人だったので驚きました。登場人物が。
日本人は一人だけしか出てきません。
それはいいとしても、登場人物たちの会話が長いんですよ。
しかも哲学的な話を延々と何十ページも繰り広げるんですよ。
そんな話をしてる余裕があるのか、殺人事件だろ、
と思うんですが、夜更かししておしゃべりしてるんですよ、この人たち。
その上、その話が、わかりにくい。
最初は、なんか難しそうな話だから、私じゃ理解できんのか?
と思ってたんですが、文体も悪いと思います。
それと、探偵役の中心人物が何歳なの?この舞台はいつの時代?と思っちゃう。
たぶん、私より10歳ぐらい年上で、作者と同じ年という団塊世代なんだろうな。
でも若いから、舞台としては1980年代ぐらいか?
そういえば、携帯電話とか出てこなかった。
アンテナ立たないかもしれないけど。

で、肝心の推理部分は、イライラするところがなきにしもあらずという程度。
まあ、そこそこ面白かったです。
でも、あの登場人物会話がねぇ。
あまり他の人にお勧めできない本です。

点数は2点。
探偵が冷たすぎるので減点。

しゃばけ、ぬしさまへ

2008年12月22日 | 読書
「しゃばけ」と「ぬしさまへ」は作者が同じで、シリーズものです。
当然シリーズの最初が「しゃばけ」で、「ぬしさまへ」は2冊目です。

江戸時代もので、妖怪とか出てくるけど、全然おどろおどろしくないです。
ギャグタッチの推理物、江戸時代だから捕り物っていうのかな?
ところどころに挿絵があるんだけど、妖怪が可愛いです。
一口じゃなくて、ひとことにも書いたけど、
家鳴っていうのが、むちゃくちゃ可愛いです。
顔は鬼で怖いけど、体は小さくて、しかも、うじゃうじゃいる。
ほら、家って、時々、みしっとか、ぼきっとか、何にもなくても音がするでしょ。
そういう音をたてるいたずらをするだけという妖怪です。

「しゃばけ」は長編(薄っぺらいけど)ですが、
「ぬしさまへ」は短編です。捕り物以外もあって、しみじみしてたりもします。
あ、主人公は人です。
大店の若旦那(18ぐらいだっけ?)で、病弱です。
とことん病弱なところが、目新しい感じです。
「ダイ・ハード」の主人公が斬新だったのと似た感じです。

これは、続きも読みますよ。

点数は3点
あ、「ぬしさまへ」の1部は4点

オーデュボンの祈り、魔王

2008年12月21日 | 読書
オーデュボンの祈りと魔王は作者が同じです。

最初にオーデュボンを読みました。
やっぱり初めて読む場合は、デビュー作から読まないとね、という理由で。
で、オーデュボンが意外と良かったので、
古本屋で見つけた魔王を買って読んだと、そういうわけです。

さて、オーデュボンの祈りですが
鎖国状態の島で突然目覚めた主人公が、不思議な人たちに会うという話です。
島で殺人(?)事件が起きて、その謎を追っていきます。

最初のうちは、なんじゃこりゃ?的な感じでした。
なにが「なんじゃこりゃ?」かというと、それはカカシとか桜とか…
でもまあ、文章は平明で読みやすいことは読みやすいので、
つらつら読んでいくうちに面白くなっていきました。
最後は、なんとも不思議な読後感。
けっこう、気に入りました。

そんなわけで、次に読んだのは魔王なんですが、
オーデュボンに比べれば、普通の設定です。
やっぱりふんわりしたイメージはあるのですが、
えっと、話を、えっと、忘れました…
あっ。
思い出しました。Amazonの説明を読んだら。
って当たり前か。
そうそう、そういえば超能力系の話だったっけ。
なんか続きがありそうな感じだったので、続きが読みたいと思ったっけ。

点数は4点

チーム・バチスタの栄光

2008年12月20日 | 読書
チーム・バチスタの栄光は、普通に面白かったです。
軽く読めるし、上下巻だけど、薄っぺらいから、通勤の友に最適です。
隣の人などに覗かれると困るシーンは、たぶん、なかったような気がします。

バチスタ手術中に患者が死亡することが続発して、
その原因が何なのか調べるという話です。
なんというか、キャラが立ってます。
調査する人が主人公なのですが、その主人公が会う人を動物などに喩えます。
それもイメージしやすくていいんでしょうね。

バチスタ手術自体も、マンガ医龍で絵で見てるから、とっつきやすいです。
医龍の方がパンチが効いているけど。

まあ、そんなに期待せず、軽い気持ちで読んで、暇つぶしになるという本です。

体調が悪くて気持ち悪いときにもいいかもしれない。
この作者の他の本も買ってみようかな。
作者は海堂尊でした。

点数をつけるなら3点(5点満点)

ハンサム・スーツ

2008年12月01日 | 映画、TV
見終わったあと、『洋服の青山』に行きたくなる映画。
ついつい、よ~ふくのあおやま♪と歌いたくなる。

料理店の店主で、料理の腕も性格もよい、悪いのは見た目だけの主人公が
着ると変身できるハンサムスーツでハンサム生活をエンジョイする話。
で、十分だと思うけど、それじゃあ、落ちがないので(?)、
見た目を中身のどっちを選ぶか~という話っぽくなってます。

しかし、どっちを選ぶかって言ったって、
ハンサムスーツを着てても、脱いでても、中身は同じ人ですよね?
だったらハンサムな方がいいのでは?と思うんだけど、どうなんでしょう。

前半部分は面白かったです。
声に出さずに笑っていました。
苦しかったです。
後半部分はもうひとつ。やりすぎ感が出てきてしまいました。

だよね、のところがピークでした。

うん、でも、予想していた通りだったので、自分的には満足できました。

イーグル・アイ

2008年12月01日 | 映画、TV
そのうちに感想を書こうと思っているうちに、2週間以上たってしまった。。。
みた当初は、そこそこ面白いと感じたように思うけど、
時間がたつにつれ、「あれ?どんな話だっけ?」状態に…
最近、もの忘れが酷いせいだけじゃないと思う。
そういう映画だったんだと思う。

さて、どんな映画かというと、「イーグル・アイ」でした、そうでした。
思い出してきました。
突然、主人公の家に武器がどっちゃり取説付きで送られてきて、
なんじゃこりゃ?状態ところへ、今からXX秒後にFBIがやってきる、逮捕されちゃうから、逃げろという電話。
なんじゃこりゃ?がさらに、なんじゃこりゃ?状態になりつつも、
なぞの指令に従って、逃げ続ける。
さて、なぞの指令を出しているのは誰?その目的は何?という映画です。

スリリングでスピード感あふれる展開で、そこそこ面白いです。
とくに、電光掲示板とか、えっ?こんなところに指示が?!というのが楽しい。
カーチェイスは、どの車に主人公が乗っているのか、何がなんだかわからなくて、いまいちでしたが。

あと、つっこみたいのは、水中に落ちた女性。
落ちたとき、あー死んだなと思ったのに、這い上がってきて、びっくり。
冷凍窒素じゃなかったっけ?
普通の水だったのかなぁ?
ボーマンは死んだんだよね?

あとから考えてみると、この目的のために、どうしてこんなことをしたのか、
他にもっと簡単にできる手があるような気もしましたが、
黒幕は普通の人とは考え方がずれてるから、しかたがないんだよね、
頭はいいけど、精神的にはまだ子どもなんだよね、
という設定かもと納得しました。

まとめると、電光掲示板とか電車の制御でバクバク進んでいくところは面白かったけど、
全体的にデジャブーな感じの映画でした。


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じゃすみんさん:【洋画】イーグルアイ

レッド・クリフ Part1

2008年11月10日 | 映画、TV
今週末は映画の日にするぞー!
と思ってたけど、諸般の事情により、これ1本しか観れませんでした。
近所のシネコンの客席がガラガラでも、
名古屋駅前のシネコンは満席なのね…。
今度からネット予約しておこう。

この映画は、ガラガラの方で観ました。
お客さんの7,8割は、私たちと同じぐらいか、それより年上のご夫婦。
あー、やっぱり、夫婦50割引きですかー。

さて、レッド・クリフですが、
日本語による説明で始まったので、
一瞬、吹き替え版か?と不安になりました。

長坂の戦いから、赤壁の戦いが始まる前までが、Part1です。
期待通りというか、思ったとおりというか、
面白さは想像していたとおり。
160分はすぐに過ぎましたけど、
だからといって、すごく面白かったというほどでもない。

曹操が微妙すぎる。
一武将から、あれだけの勢力を築いたほどの人物が
そんなにしょぼいはずないじゃん。
まあ、予告編の
「たった一人の女のために戦いを始めたのか」
というのに、引っかかってたけど、
あくまでも、その路線で突っ切りそうな予感(Part2の予告編)。
苦肉の策は出てこないのかもしれない。。。

あとは、5万対80万で、圧倒的に不利なのに、
呉蜀に危機感がまるでないー。
有能な武将、軍師が付いてるから、楽勝楽勝♪的なムードなんですけど。
呉蜀が仲良すぎるのも気になります。
表面上は仲良くしてても、実は敵、
の方が面白味があると思うなぁ。

戦いのシーンでは、要所要所に各武将の活躍シーンがあり
そこは三国無双のようです。
特に、関羽、最後に必ず決めポーズ取るし。
孔明は、戦場でビーム出すしー。
って、それは嘘。


じゃすみんさんの「レッドクリフPart1」にTB

名前つけは、苦手です

2008年11月05日 | ゲーム
TVゲームで、名前をつけるのが苦手です。
なぜか、妙に恥ずかしいので。

「あああ」とかってのも、恥ずかしいし、
できれば避けて通りたいものです、名前つけ。

たとえば、ドラクエなんかだと、主人公以外は名前が決まってて嬉しい。
サブの登場人物の名前は、変更可能だけど、
当然、そのまま行きます。
下手に変更すると、恥ずかしいだけじゃなく、
後で、攻略本とか攻略サイトとか見たときに、混乱するから。

まあ、そんなわけで、最近は、
ドラクエ主人公ぐらいしか名前をつけてなかったんだけど、
昨日はじめたゲームで、名前をつけろと言われて、困りました。

・・・だって、もう、名前決まってるじゃん、
ブラッド・ボアルという、ちょっと恥ずかし目の名前が。
このままで、いいよ~と思ったら、なんと、あなた、
ミドルネームを入力せよとのこと。
そんなのありか?!
と、いうわけで、適当に「あああ」って入れようと思ったけど、
ミドルネームでしょ?変じゃない?
うんうん、悩んだ挙句、「ががが」にしました。

あ~、これで、峠は越した…と安心したのもつかの間、
今日は、騎士団を結成したから、その名前をつけろって言われました。
えっと、前はゴーレム山賊団だったんだけど、
それじゃあねぇ、山賊じゃないしーーというわけで。
っていうか、前の名前のままでいいじゃん?
しかたがないから、「ドコドン」騎士団にしました。弱そー。

「だだだ」騎士団にすれば、良かった。
なんか、調子よさそうだから。

というわけで、ビーナス アンド ブレーブスをやってます。
百年、戦い続けなさい…

グラン・ヴァカンス 廃園の天使

2008年10月29日 | 読書
飛 浩隆のグラン・ヴァカンス 廃園の天使<1>を読みました。
3部作だそうで、2部まで出ています。
この作者の初めての長編です。
あと2年か3年ぐらいしたら、3部が出るんじゃないかと期待してるんですが、
どうでしょう、5年ぐらい待たないと駄目かな~。
ファンとしては、ポニョ観るより、新作書けよ~と言いたいところですが、
この遅筆があってこそ、あの品質かもしれないしなぁ。

グラン・ヴァカンスで、舞台となっているのは、仮想世界。
ゲーム世界みたいなもので、そこではいつも夏休み。
しかし、あるときを境に、突然訪問者(ユーザー?)がこなくなり
AIたちだけで、永遠の夏休みを過ごしている、という世界です。

とにかく、綺麗です。
青い空、どこまでも透き通った海。
リゾートというと思う浮かぶ、あの情景が、この本の中にあります。
内容は、非常に残酷で、描かれているものも暗く、
普通なら、ちょっと下品なゴシックホラー風になりそうなのに、
あくまでも透明感があるのは、この作者の筆力でしょうね。すごいです。

作者のあとがき(ノート)に
「ここにあるのはもしかしたら古いSFである。ただ、清新であること、残酷であること、美しくあることだけは心がけたつもりだ。」
とありますが、まさに、そのとおりの作品です。

SFなので、読者を選ぶところが残念です。
2007年に買ったこの本(単行本)も2002年の初版本。
もっと売れてもいいと思うのに。
私の中では、日本人作家では、中島敦と並ぶぐらいなんですけど。