てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

航路

2007年04月29日 | 読書
コニー・ウィルスの「航路」(上下)です。

主人公である臨死体験の研究をしている心理学者が、臨死状態のときの脳と同じような状況を人為的に作り出すことができる薬品を見つけた医者と、協力して研究を進めることになった。しかし、被験者は適性を欠くものばかりだし、適性がある者は協力するのを嫌がる。そこで、仕方なく心理学者が被験者となる。

という、臨死体験がテーマの本です。
未知の薬品以外は、あまりSFっぽくないです。

増築を繰り返したために、迷宮っぽくなった病院内を、いつもなにかに急かされるように走り回る様子が、人為的臨死体験中の様子と重なり、妙にあわただしくて混乱した感じで、
 「まあ、ちょっと待って、落ち着いて。
 まず、何から手をつけたらいいのか、整理してメモに書き出してから動きましょうよ。」
と言いたくなる。
そんな混乱状態も作者の狙い通りなのかもしれないけど。

コニー・ウィルスは、以前に「ドゥームズディ・ブック」を読んだことがあって、結構、気に入ったため、本書も期待して読みました。その過剰な期待が悪かったかもしれないー。どっちかというと、こっちを先に読んだ方が良かったかな。

何が私的にダメだったかというと、登場人物です。
子どもを使って、泣かせようとしてるなって構えちゃったんですよ。
「ドゥームズディ・ブック」にも子どもが出てくるけど、こっちは、分かってても泣けた。
それに、航路の子どもには、あまり好感を抱くことができなかったのがダメだったのかも。だから、私がダメだったからといって、一般的にダメかというと、そうでもないと思いますよ。

ストーリー展開は、スピーディーで、ボリュームのある上下巻を一気に読ませます。それだけでも、凄いか・・・
(上下巻とも2cm7mm)

今日は一日、面白い本をガッツリ読むぜ!
というときにお勧め。

ソニー・マガジンズ ヴィレッジブックスだよ。

サイレントヒル

2007年04月29日 | 映画、TV
なぜ、ホラー映画を借りてくるんだ。
ホラー映画は苦手だ。
と言いながら、鑑賞開始。

夢遊病の子どもが叫ぶ「サイレントヒル」。
たまたまその場所をネットで発見した母親は子どもの治療のために、
2人でサイレントヒルに出かけるが、町は封鎖されていた。
強行突破して町に入ったのはいいが、子どもと、はぐれてしまう・・・

というふうに始まるわけですが、
なんで、2人で、しかも、お昼寝してから出かけるの?
お父さんと3人で、朝から出かければいいじゃん?

さらに、町で出会ったいかにも怪しげな女性の言葉をなぜ信じる?
というか、なぜ話しかける?
さらに、なぜ特定の人たちからは、逃げる?
それと、なぜ机の引き出しを見る?
んでもって、なぜ、目的地はここって決める?

と、?の連続だったんですが、
これって、もしかしてゲームの映画化ですか?
と、途中で気づきました。

なら、わかるなー。

はじめてきた場所に着いたら、まず、戸棚の中を物色するのもお約束ですね。
そっかー。

そう考えてみると、映像も、出てくる化け物もゲームっぽい。
飲まず食わずで、元気なのも、うなずける。

と、ココから先は、主人公達の行動に普通の常識を当てはめるのをやめ、
ゲームなんだ、これはゲームだから仕方が無いんだと
納得しつつ、見ることにしました。
そうしたら、それなりかな。
まあ、頑張って映画化(映像化?)したねって感じ。
そういうのが観たいかどうかは、別として。

日本以外全部沈没

2007年04月29日 | 読書
この本はね、日本沈没の映画が公開されてた頃に読んだんですよ。
もう、すっかり旬が過ぎてしまいましたね。
だいたい、自分の中でも記事にしたかどうか、覚えてないぐらいですよ。

とにかく、日本以外全部沈没って面白そーというノリだけで買ったんですが、
短編集なんですよ。筒井康隆ですよ。
その上、読んでて、既読感バリバリですよ。
まあ、古い本だから、もしかしたら、若い頃読んだことがあるかもしれません。
日本以外全部沈没って面白そーというノリで。
人間、そんなに感性は変わらないからさぁ。

っていうか、絶対、読んだことありますよ、これ。
他の短編を読んで、確信しました。

それはさておき、
日本以外全部沈没ですが、
まー、いかんですよー、これは。
賞味期限がすぎてますよー。
出てくる固有名詞が、古すぎですよー。
私だから、まだ、多少はわかりますよ、
でも、あと10歳若いと、わかんないんじゃないかな。
登場人物解説つきだけどね。
解説があれば大丈夫かどうかは、
ジョークの説明をされたら楽しめるかどうかを考えてもらえば
わかると思います。
ただ、アイディアは面白いから、
「日本以外全部沈没2007」っていうのを書いてもらえないかなー。

映画化された日本以外・・・も古いのかな?
それとも、「日本以外全部沈没2006」になってるのかな?


他の短編は、時代の流れを感じるものもありますが、
まだ大丈夫です。

角川文庫だよ。