ジジイの鉄槌

認知症で要介護1の実父!施設介護のよもやま話しです。
仕方なく成年後見人になり、その後要介護5へ…

施設退去要請から入院へ その3

2015-08-12 | 成年後見人の仕事

入院の日。
じいさんは、グループホームスタッフが連れてきてくれることになっていた。
ソーシャルワーカーから
「グループホーム入居中のおじいさんの当院主治医(内科医)と入院後の主治医(内科医)で協議した結果、おじいさんについては
先日お話しした観察室対応はストレスや環境の変化でよろしくないだろう。
具体的な日常生活の情報もグループホームから届いており、
一般的な観察期間に必要な生活情報は揃っているので、真っ直ぐ認知症病棟に入院し、必要な検査を続ける方向になりました。
やはり、環境の変化は大きなストレスになるので、グループホームに少しでも近い環境の病棟入院でスタートできて良かったです」
と言われ、私もそう思った。

ソーシャルワーカーと入院についての話をしているところに、車椅子に乗せられじいさんが連れてこられた。
病院に私がいたことに少し驚いていたようだが、すぐに落ち着いた様子。
早速、病棟へ移動した。
病棟では主治医が待っていた。
「おとうさんに入院のことを話されたときどんな反応でしたか?」
と聞かれた。
「一応言いましたが、本人は理解していません」
ドクターは明らかに不快の表情をした。
「それじゃ、本人は入院することを知らない?」
「そう思います」
とそこにじいさんを引率してくれているグループホームの施設長(看護士)が
「先生、ご本人は説明しても理解できない状況と思われます。また、記憶についても曖昧さが顕著にあるので、そのとき理解できても次の瞬間には・・・という状況です」
と付け加えてくれた。
ドクターはそれを聞いて納得した様子。
通常の質問(病歴、健常時の性格、最近の様子など)を聞いた後、本人への問診、身体チェックを始めた。
予定通り、認知症病棟で様子を見ることになった。

じいさんを病棟スタッフに預け、入院手続きをした。
その間、昼食があり、入院手続き完了時には食事も終わっていた。
食後の「口ゆすぎ」をスタッフがしているところだった。
帰りの声をかけると
明らかに自分の意思に反している状況を訴えるため、唾を吐き出した。
「始まった」と思った。
しゃべれないわけではないのにしゃべらない。
何度も唾を吐き出している。
スタッフに預け、そそくさと退散した。
車椅子から立ち上がろうともしていたが、既に車椅子に拘束帯が付けられており、立ち上がれなかった。


グループホームに挨拶に寄り、退去の日付けなどを打ち合わせしその日は帰宅した。


妻は、グループホームで終われなかったじいさんを心から哀れみ、残念がっていた。
また、少しでも早く環境になれ、落ち着いた日常を送れるよう願ってもくれた。


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