名古屋高裁で、
認知症患者の徘徊によるJR電車事故の損害賠償を認知症介護者の親族に賠償命令を下したニュースがあった。
当事者の認知症患者はこの事故で亡くなっており、同居の妻に賠償を命じた(一審では、近隣に住む長男にも賠償責任が及んだ)。
何でも、徘徊防止のために自宅に設置した防犯ブザーのスイッチを適正に管理していなかった-から、という。
当事者は、要介護4で、たまたま防犯ブザーのスイッチが切れた時(入っていなかった)に、戸外に出てしまいこの事故になった-という。
このニュースに触れた認知症を持つ家族のみなさんは驚愕したことでしょう。
私は「怒り」ではなく、「落胆」し、悲しくなりました。
この事故のニュースは知りませんでしたが、一審判決をニュースで知ったとき、
「介護者に昼も夜も寝ないで看ていろ!というのか…」
「認知症患者にホントに首に縄をつけたり、隔離部屋に閉じ込めろ!というのか…」
確かに認知症患者が起こしたコトで、損害を受けた方は誰かに補償してもらわなければならない。場合によっては、人を傷つけてしまうことも(例えば、自動車を運転してしまって・・・)ある。
でも、本人は、その状況を予測できないし、理解できないし、記憶してないし・・・。
よく、「精神鑑定で無罪」なんてニュースもみる。
刑事と民事では違うことも聞く。
この場合、本人は亡くなっているが、生きていたとしても精神鑑定する必要もなく、本人は認知症なので罪が問えないのではなかろうか?
でも、損害を与えてしまった場合、本人にその補償義務はあると思う。
反面、本人は認知症なのにその義務を負えるのか?とも思う。
この事件では、本人は亡くなっている。
亡くなった本人の遺産から(あれば、の話しだが)補償させられるのであれば、まだ、理解できるが、本件は、妻に注意義務を怠ったとして過失責任があるとして補償させることに納得がいかない。
幸い、我が家は恵まれたグループホームの看護の中で過ごしているが、これだって「ちょっとのスキに」ということだってある。
何とも苛立たしいニュースだ。
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