昨日はオールドエベレスト街道踏査の復路一日目、家の前を通過する荷駄隊の灰色牛の一匹に、『素敵な方』と恋してしまった農家の黒牛さん。恋に反対する農家の兄さんや、荷駄隊の支配人に言語に絶する焼きを入れられながらも、恋の成就にモウ進する黒牛さん。おそらく黒牛さんが『盛りの付いた牛』と化す季節には、毎年この光景が展開されるのだろう。新見南吉ばりの『動物愛護者』である私は、黒牛さんの恋の成就を願って止まない。
オールドエベレスト街道踏査の復路二日目
昨日泊まったのは、「カリ峠」のロッジ。朝7時、昨日同じ釜の飯を食べた4人、(ネパールを三か月旅するアラスカンフィシャーマン、山岳事故で下半身不随となったロッジオーナー、親身に世話する奥さん、ロッジ拡張工事を担当するオーナーの弟)に挨拶して、二日目に旅は始まった。
往路は余りトレッカーに会わなかったが、復路はクリスマス休暇に入ったため、多くのヨーロッパ人に行き会う。エストニア3人組、アイルランドの4人組、スペイン人2人組、カナダの青年等に行き会った。スペイン人二人組と休憩に入った。二人は、これまでと、これからの行程の大変さを大袈裟に話す。さすがラテン系は、軽い。ブクサの町に入った。ここには、シェルパの経営する「トレッキング会社」がある。入って茶を頼み、情報も聞く。『前に何回かカトマンズでポーターを雇った。カトマンズのポーターは、荷が背負えない。真面目でないと思うがどうか?』と聞いた。『ポーターは山で雇え。カトマンズのポーターはたまにしか仕事が無いので弱い。山のポーターは普段、山仕事をしているので強い。』と、話してくれた。納得した。カトマンズのポーターは、普段「失業者」同然の生活をしている。
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