「停戦の願い」
楚漠然(そばくぜん)は「おめでとうございます」と楚北捷(そほくしょう)に言う。「準備は?」と北捷が聞くと「整いました」と答える漠然。陛下からの詔も届き準備万端、何もなければ、無事、婚儀となりますと。北捷は「私は娉婷(へいてい)のことを聞いている」と言う。漠然が花嫁衣装を仕立てていたと話し、北捷は体調を尋ねる。「お変わりありませんが、ただ…」と漠然がためらう。「何だ」と北捷が言い、漠然は衛兵が娉婷様の伝書鳩を捕まえ、紙には“停戦”と書かれていたことを伝える。北捷は「私への言葉だ。やはりな、嫁ぐ目的はそれか。私を説得する気だ」と言う。
結納の返礼である白い衣装を持って、北捷の元へ歩きだした娉婷。それを漠然が止める。「無礼な、私を誰だと?もう結納も拝受しました。私は鎮北王妃です」と言う。北捷が笑みを浮かべながらうなずき、下がる漠然。
娉婷は「晋の儀礼に従い、衣装を夫に贈ります」と北捷に言う。夕日の色です、私が染めました、戦からのご帰還を願って、と。
北捷に衣装を着せながら「晋では貧しい女子も嫁ぐ時に、上等な布で衣装を作り、夫に着せるそうですね。一生、添い遂げるという願いを込めて」と話す娉婷。そして娉婷は「お強い北捷様は戦で、女子の夫を何人、殺すのやら」と言う。
私からも王妃に贈る物があると、北捷は“鳳桐”という琴を差し出す。「戦がなければ、この琴は心の友に…。残念です」と琴に触れた娉婷が倒れ始める。琴を投げ、抱きとめる北捷。そんな北捷にも体に異変が起き始める。「衣装に毒が」と漠然が叫ぶ。
皇后や貴妃の張蕓児(ちょううんじ)にも、北捷が毒を盛られたと伝えられる。「見舞いに行かせてください」と皇后に頼む張蕓児。
急いで霍太医が呼ばれる。北捷は自分より、寝台に寝ている娉婷の治療をさせる。耐えられず部屋に入ってきた漠然が「ご自身のお体が大事です。どうか手当を」と北捷に言う。しかし北捷は「出ていけ、入った者は殺す」と言い、漠然を部屋から出してしまう。
霍太医は「どうかご安心ください。毒は抜けました。これは毒に精通した者の仕業です。黄藤と烏草があと少し多ければ、この娘さんの命はなかったでしょう」と北捷に話す。
お二方とも回復されましたと漠然に言い、霍太医は帰っていく。
目が覚めた娉婷に「染料に毒を入れるとは。死にたいなら死なせてやるぞ」と言う北捷。娉婷は「嫁ぎません」と言う。
花家に来た張蕓児が、北捷たちのいる部屋の前まで来る。案内してきた花家の者や、部屋の前にいた漠然たちを下がらせる張蕓児。
北捷が娉婷に口づけしようとした時、扉を叩きながら「北捷、具合は?私よ、答えて」と言う張蕓児の声が。
娉婷から離れた北捷は「私を殺すのは、嫁ぐのが嫌だからか。敬安王家の敵討ちか?それとも、そなたに戦術を頼る、あのふぬけに操を立ててか?」と聞く。娉婷は体を起こすと「でも、殺していないでしょう?」と返す。
北捷は「今、やれ」と娉婷に短剣を持たせる。その手を勢いよく自分へ向けて引き、短剣の先があたった胸から血がにじむ。「殺さぬなら、そなたを娶る」と言う北捷。娉婷は殺すことができず、短剣から手を離す。北捷は「どうやら殺せぬようだ」と言う。「ここを開けて」と張蕓児の声がし、北捷は扉に向かって短剣を投げつける。扉に短剣が刺さり、その音を聞いた張蕓児がハッとする。その場を離れる張蕓児。
すぐに「貴妃様は怒ってお帰りに」と漠然が部屋の前から北捷に伝える。娉婷はふっと笑うと「貴妃だったとは」と言う。こんな時に笑う娉婷に「明日はそなたの取り調べがあるだろう。身分が知れるぞ。ここを出よう。もう少しよくなったら、私の屋敷へ移る」と言う北捷。しかし娉婷は「話はひと眠りしてからに」と言って横になってしまう。
張蕓児は毒のついた衣装を前に、誰の布か、誰の染料か、誰が仕立てたか、と花家の者たちを問いつめる。そして下手人はこの中いるはずだと、花福全を打つように命じる張蕓児。花夫人が「あの衣装は私どもと無関係です。すべて娉婷様が作ったもの」と言い、花福全も「鎮北王(北捷)が娉婷様をここへ連れてきたのです。そして私に娉婷様を養女にしろと命じました」と話す。そこに来た北捷が、打つのをやめさせる。
毒が抜けたか心配する張蕓児に、北捷は「結納の際、私が不手際で毒に触れたまでのこと。誰も悪くない」と話す。張蕓児は「では聞くけれど、養女の娉婷とは何者?」と言う。「私が好いている女子だ」と答える北捷。張蕓児は北捷の手を取り「長子から戻って変わったわ」と言う。その手を払い「ご自重ください」と北捷は告げる。ご自身の身分をお忘れなくと。冷たい北捷の態度に「わかったわ。ならば貴妃である私を敵に回さなぬほうがよい。気をつけよ」と言って張蕓児は帰っていく。
馬車に乗った張蕓児は「鎮北王が連れてきた女の素性を調べなさい」と命じる。
張蕓児は隣に寝ている皇帝・司馬弘(しばこう)が気づくように泣き始める。横になりながら「何だ」と言う司馬弘。張蕓児は「私と鎮北王は共に育ち、兄妹のようです。鎮北王に今、命の危険が迫っています。陛下の大事な臣下があの女のせいで…」と話す。司馬弘が「女?誰のことだ」と聞く。「鎮北王妃になる女です。燕王の間者なのです」と言う張蕓児。司馬弘は体を起こす。
娉婷は後で話があると、作ってきた梅花粥を北捷に渡す。北捷が食べ始め「毒入りかも」と言う娉婷。しかし北捷は「そなたは花を無駄にせぬ」と食べ続ける。「これは、おわびの粥です。あなたのご好意を踏みにじりました」と娉婷が言う。北捷は「区別がつかぬ。本心なのか、嘘なのか」と返す。娉婷は「今のは嘘。これからが本心です。この粥は燕のしきたりです。新婦が新郎に作るのです、優しい心を込めて。昨日の衣装の埋め合わせをしたうえでお願いが」と言う。
「大将軍、戦をおやめください。戦のたびに民が苦しんでいます。その手の宝剣を置き、怨恨を終わらせるのです。そのためなら、この命も捧げます」とひざまずく娉婷。北捷は「粥と引き換えに、晋への忠誠を捨てろと?自分の計略に同情と誘惑と刃と花でもって私を引き込んだな」と言う。娉婷は「大将軍も同じお考えかと。だから捨てずにいる」と言って“停戦”と書かれた紙を見せる。
娉婷の前に座った北捷は、停戦と書かれた紙を床に落とし「考えてみろ。私がそなたを娶り、添いたいのは何の計算も大義もない。誠意を尽くしたその私に戦をやめろと?」と言う。「そうしてくださるなら、この娉婷、一生をかけて恩を返します」と言う娉婷。北捷は「計略どおりか。解毒できると見越し、致死量に足りぬ毒を使い、身分を明かすため、昨夜、私の屋敷へ移ることを拒んだ。ここで捕まるために。言え、なぜだ」と問いつめる。娉婷は「私の願いは、ただ1つ。停戦です」と答える。そこに兵たちが入ってくる。
「粥を召し上がったからには、約束をお忘れなく」と北捷に言った娉婷は、勅命により捕まる。
誰の指示で何が目的か娉婷に問う司馬弘。娉婷は「半月前、敬安王の屋敷が焼け、私は流民と共に秦へ。指示も仲間もありません」と答える。司馬弘は「1人で鎮北王を殺そうと?主の敵討ちに?」と聞く。それに娉婷が答えず、司馬弘は「真実を吐くまで、ぶってやれ」と言う。
太監が娉婷をぶとうとし、北捷は「申し上げます。私は素性を調べなかったのではなく、真にこの者と情を通じました。そして、もうすでに私の妻なのです」と話す。しかし娶るのは花家の娘だったため、司馬弘は妻とは認めない。
娉婷は話すには「2つ条件が」と言う。司馬弘が鼻で笑い「私は開河淹道の策を立てた燕の軍師です」と娉婷は話す。北捷が誠のことだと言い、司馬弘は2つの条件を聞くことに。
娉婷の条件は、1つ、花家はおとがめなし、2つ、私の遺骨を故郷に送る、というものだった。
司馬弘が受け入れ、娉婷は「陛下にお話があって参りました。燕と晋が同盟を結べば南北の商道が開かれます。しかし北方は情勢不安。晋は長年の戦で兵も民も疲弊。燕と手を組めば晋は北の各国から攻められない。3年停戦すれば、晋は繁栄する強国となります」と話す。そして「この件は鎮北王とも話し、鎮北王のお考えが私と同じだと知りました」と言う娉婷。
北捷は娉婷が故意に自らを死へと導き、無事に帰れぬと承知で命がけの上奏をしたと分かる。
「この楚北捷、死など恐れておらぬ」と娉婷に言うと「再び燕を攻めるのは、どうかおやめください」と司馬弘に頼む北捷。司馬弘は北捷を惑わしたと考え「女を牢獄に入れ、明日、刑に処せ」と命じる。「陛下」と北捷は言うが、司馬弘は「赦免を請う者は同罪」と言い放つ。
司馬弘を尋ねた北捷は「娉婷の望みは停戦。どこも間違っておりませぬ」と話す。張蕓児は北捷の頬を叩き「勝ったなら、さらに攻めるべきでしょう。妖女のために陛下に逆らい戦を拒むとは、この恩知らず」と言う。ひざまずき「陛下のご恩は忘れませんし、私は晋の民です。しかし、捕まっているのはただの敵国の女ではなく、私の妻です」と言う北捷。だが娉婷を燕に返せば、次は開河淹道より協力な手を打ってくると思っている司馬弘は「あの女は妻にさせぬし、逃がしもできぬ。殺すのみだ」と言う。停戦のために敬安王家を犠牲にした北捷は、陛下には賛同できないというが、聞いてもらえない。
牢に入れられている娉婷に食事や琴が運ばれてくる。そして「鎮北王が渡すようにと」と琴の上にかんざしが置かれ“第二夜だ”という伝言が伝えられる。
ーつづくー
張蕓児は…北捷が好きなんだよね…きっと。
毒を盛られたって聞いた時の動揺ぶりとか、好いている女子だっていわれた時の顔とか。
これから、いろいろしてきそうヾ(・ω・`;)ノ
お互いの民のために停戦をと言っているのに…(o´д`o)=3
鳥ですら言ってるのに!!(違う?)
戦いの迫力ある場面はなかったけど、北捷と娉婷の短剣のシーンとかやりとりとかがよかった!
あと花福全は打たれているのに、なんだか可笑しくて(*´艸`*)
“第二夜だ”は何だろう?
そして、娉婷はどうなってしまうの!?(✽ ゚д゚ ✽)
↓ポチッと押していただけると嬉しいな。
よろしくお願いします
にほんブログ村
いつもポチッをありがとうございます(*´ー`*)
すべてを利用していたのですね。。。
目的のためにすべては仕組まれたことでした。
それに対して、北捷は娉婷を思う気持ちが前面に表れていて。
そこに、張貴妃が絡んできて、北捷にとっては
思うようにならない状況ですね・・・
張貴妃は北捷を思う役なのですね。
張貴妃の鄧莎 さんがこれからどんな風になっていくのか
こちらも楽しみです!
他にも「月下の恋歌」とか・・ドラマごとに印象がガラッと変わるので、よく見る人だと思いつつなかなか思い出せませんでした(汗)
いつものことながら俳優さんたちの演技の幅が広くて感心させられます。
民を思う気持ちだけから白ヘイテイに味方してるだけではなさそうで…(*^^*)
そう、うささん、楚北捷に絶対気のある張貴妃、あれこれしてきそうですよね、心配です!
夫に衣を贈る晋、新郎に粥を作る燕、こういったお国のしきたりって素敵ですね♪
相思相愛でこのシーンならもっと素敵なんでしょうね、ちょっと残念。
第二夜ってなんでしょうね?
白ヘイテイ、ヒロインだからここで処刑されたりはしないだろうけど(笑)どうなるのでしょう?