「大英雄から“逆賊”へ」
邯鄲駅館。呉漢たちを行かせた劉秀は「内乱と外敵は別の話だ。国難を救おうとする呉漢を止められない」と皆に話す。兵馬を調達する金もなくなり、権力もなく民の心を得るのも難しい劉秀。それでも劉秀は焦る様子はなく、麗華は機嫌が悪くなる。
部屋で2人きりになった麗華に「この件は私が解決する。二度とこんなヘマはしない」と劉秀は話す。打つ手はある、では賭けよう、私がこの件を解決したら私の要求をのめ、と。麗華は「受けて立つ」と返す。
機嫌を直した麗華に「確かにいばらの道ではあるが、宛や洛陽にいた頃よりずっといい。君がそばにいて肩を並べて戦える」と話す劉秀。やっぱり兄上に頼んでみない?と言う麗華を抱き上げ、劉秀は口づけする。
陰識は麗華からの“私は河北に着きました。兄上が言っていたとおり多事多難です。宣撫は容易ではありませんが、私は夫を信じます。私は元気なので、ご心配なく。丁さんと琥珀を頼みます。また馮異の家族が宮中にいるか確かめてください”という文を陰興に読ませる。目を伏せる陰興。そこに鄧禹と鄧奉が来る。
「てっきり、ご病気を患い帰郷されたと思いましたが、どうやら私と同じ状況のようですね。劉玄を避けるために隠居を?」と言う鄧禹。陰識は「私が本当に病気なのか確かめに来たのか?」と聞く。鄧禹は「もちろん見舞いに参ったのです。ただ実は麗華のことも気がかりで…。元気ですか?」と話す。陰興が「劉秀のせいで散々ですよ」と答え、鄧奉が「河北は虎口も同然で、前回の特使は殺されました」と言う。
鄧禹に「新は滅亡したが、天下は今も定まらぬ。お前は私などと違い天下を遊歴し学識も深めた。にもかかわらず新野にこもり一生を終える気か?麗華のことを尋ねたな。河北で苦労している。鄧禹、決断する時だぞ」と言う陰識。
1人、酒を飲んでいた鄧禹は「“我を知る者 我が心憂うと言う 我を知らざる者 我 何をか求むと言う 悠悠たる蒼天 これ 何人ぞや”」とつぶやく。そこに鄧奉が。
「諦めてください。もう過ぎたことですよ」と言う鄧奉。鄧禹は「諦めろだと?旅立つ時、言ったはず、麗華を頼むと。なぜ河北などに?」と返す。鄧奉は「私もお手上げだったんです。姉さんは腕も立つし口も達者。止めるなんて無理ですし、姉さんが危機に陥った時、叔父上は戻らなかった。もう劉秀の妻なのです、お忘れを」と言う。
「魂を奪われ、心に深く刻まれた。この想いは容易には断てぬ」と言う鄧禹。鄧奉は「それでも断たねば」と言う。
鄧禹は「私と文淑は同窓だった。彼を選んだのは、よき選択かもな。だが2人の身が危ない。文淑は天下のため河北という死地に赴いた。酒など飲んでいられるか」と言って杯を投げ捨てる。そして鄧奉に「私は行く、2人がいる河北へ。死ぬ時は彼らと一緒だ」と言う鄧禹。
鄧禹が本来の姿である気概に満ちた“新野の神童”に戻り、鄧奉は喜ぶ。
長安は8本の川が巡り、風水的によい上、高祖が項羽と戦ったほどの要地だった。「よき地だが、遷都には3カ月以上かかるな」と朱鮪に言う劉玄。その時、李軼が来る。
劉玄は河北の状況を李軼に聞く。ためらいながら「劉秀は邯鄲に到着後、新朝の法を撤廃し、冤罪を処理しました。民は大いに喜び、続々と帰順しています。傅俊、劉隆、馬武なども劉秀の旗下に。加えて劉秀は賊を討つ名目で募兵しました」と答える李軼。朱鮪がすかさず「陛下の名の下に行なったのであろうな?」と確かめると、李軼は「違います。陛下、油断ならぬ男です」と言う。
「侮っていたな。だが河北は危地だ。真に従う者は何人もおるまい」と言う劉玄。朱鮪は「劉秀の手勢が今のままなら案ずるには及びません。ただ赤眉軍と結託したら?赤眉軍は陛下に帰順後、爵位を受けるも印綬の授与が遅れただけで叛旗を翻しました。奴らは態勢を整えたら攻めてくるはず。大きな災いとなります」と話す。万一、河北にいる劉秀が奴らと組めば。この洛陽は挟み撃ちに、ご決断くださいと。
劉玄が手を下すには早いと迷うと、李軼が「猶予はなりません。劉秀が軍を持てば手遅れです」と言う。2人から言われ「馮異に指示を与えよ」と言う劉玄。朱鮪と李軼は目を合わせる。
牢。馮異の父の髪だけではなく、指まで斬ろうとする李軼。そこに駆けてきた丁柔が止める。「義父は病弱ゆえ、お見逃しを。代わりに私の指を斬ってください」とひざまずく丁柔。李軼は「昆陽で馮異はお前のため王尋の軍営に突入した。別嬪ゆえ惜しいが…まあいい。馮異を試してみるか」と言って卓に短剣を突き立てる。「では自分でやれ」と言う李軼。丁柔は短剣を手に取ると、自分の指を切り落とす。
馮異の元に髪と指が届く。届けた者が「陛下は劉秀に叛意があることをお気づきになった。馮将軍は奴をけしかけるがよい。さすれば朝廷は大義名分を得て…」と伝える。怒りと共に、涙を流す馮異。
うつむいて座っている馮異に劉秀が声をかける。
「邯鄲の平定はあらかた済んだ。北上を続けようと思うが、お前の考えは?」と劉秀が聞く。馮異は「賛成だ、すぐ支度を」と行きそうに。そんな馮異を呼び止め、劉秀は「何かあったのか?ずっと浮かない顔をしているぞ。悩みでもあるのでは?」と聞く。「実は君に話したいことがある」と言う馮異。劉秀は笑顔で「我らは知己だ、遠慮するな」と返す。
馮異は「新が滅亡したのち、民は更始に期待するも元緑林軍の暴虐ぶりに誰しも失望している。王莽亡きあとも漢再興への道はなお遠い。目下、劉氏の中で英傑は君しか…」と言いかける。「やめろ」とさえぎる劉秀。それでも本音で話そうと、馮異は「こたびは絶好の機会だ。河北を拠点に大業を成しては?」と言う。「それが言いたかったのか?」と劉秀が聞く。馮異は「ああ」と答える。
劉秀は「河北の状況はお前も見てきたはず。治安が乱れ民は困窮している。私が反逆すれば情勢はさらに混乱し、民の苦しみも増す。何より私は朝廷から遣わされた宣撫特使だ。陛下に…二心はない」と言う。もうこの件に触れるなと。馮異は失言だったと、北上の準備に向かう。
劉秀は密偵の報告で、劉玄が長安への遷都を決め、劉賜に宮殿の修繕を任せたことを知る。「あなたは以前、洛陽で遷都の下準備をしたけど、劉賜も長安で同じことをするわけね。でも悪くない。長安は人材の宝庫よ。劉玄は玉璽の他に高祖の斬蛇剣も手にしたし、遷都で漢の威光も高まるわ」と話す麗華。しかし劉秀は「今の状況は高祖の頃とは違う。遷都すれば兵力が関中に移るが、山東、河北、中原にはまだ反乱軍がいる。東を治めねば天下は定まらない」と言う。遷都で王朝の正統性を示せても、中原の平定は逆に難航するはず、ゆえに遷都は災いとなると。麗華は「天下は今以上に乱れると?」と聞く。劉秀は頬笑んで「どれほど乱れても私がいる」と言って、麗華と抱き合う。そこに王覇が来る。
「大将軍を訪ねる者が」と劉秀に伝える王覇。
劉秀を訪ねて来たのは景帝の子孫で趙王の子・劉林だった。劉秀と劉林が話す部屋の外で、父親の代に王位を失ったが、河北ではすさまじい勢力を誇ると麗華に話す馮異。麗華は「天下の至る所に漢王朝の末裔がいるのね」と言う。一緒にいた王覇が「それより何しに奴は来たんだ?」と聞く。馮異は「劉林は失った王位の回復に執念を燃やしている。文淑の宣撫を好機と見て、献策するらしい」と答える。「一体、どんな策かしら」と言う麗華。
劉秀は「それが妙計だと?」と劉林に言う。「いかにも。大将軍が同意すれば、直ちに黄河の堤防を切る。戦わずして赤眉軍100万に勝てるぞ」と言う劉林。劉秀は「では黄河下流の民はいかがする?」と聞く。劉林は「いかがも何も大局が第一だ」と答える。「大局が第一?人命に関わることだぞ。堤防を壊せば黄河下流の町は水没し、無辜の民が犠牲になる」と怒鳴りつける劉秀。劉氏の末裔でありながら、かくも非道な策を献ずるのかと。劉林は「大事を成すためだ。樊崇率いる赤眉は我が漢の天下を脅かす賊軍だぞ。民の命が何なのだ、戦では無数の兵が死ぬ。情に流されてはいけない。大功を立てようぞ」と言う。
「お断りする」とはっきりと言う劉秀。会話が外まで聞こえ、部屋の中へ入った王覇は「うせろ、恥知らずな極悪人め」と言って劉林を追い返してしまう。
「乱世に乗じて利を得る輩なんて無視して」と劉秀に言う麗華。馮異は「劉林は狭量で執念深い男と聞く。このままでは済まぬはず」と言う。劉秀は万一に備え、王覇に尾行をするよう告げる。
堤防を切ろうと向かっていた劉林と兵の前に劉秀たちが現れる。「何の真似だ」と言う劉林。劉秀は「私は勅命で宣撫に来た。民に危害を加える不届き者は斬る」と言う。劉林は「河北に来て賊軍の討伐もせずに狼藉を働くとは。前回の特使のように無惨な死を遂げたいのか?」と言い返す。しかし剣を抜いた腕を麗華に斬られ、劉林は恨みを抱きながら撤退するしかない。
劉林の地盤にいることができなくなり、劉秀は邯鄲を去って北上する事を決める。
劉秀への怒りが収まらない劉林。そんな劉林を王郎が訪ねてくる。
「久方ぶりだな、何か用か?」と劉林が聞く。王郎は「大業をお支えに参りました」と言う。劉林が「お前など、いかさま占い師にすぎぬ」と返すと「ただの占い師ではありません。劉子與が超王殿下に拝謁します」と言う王郎。劉林は「劉子輿?成帝の子か?」と驚く。
王郎は「私は成帝・劉驁の子で民に身を落としていたが、血筋では劉玄や劉秀よりはるかに正統だ」と言う。
「そんな話は一度も聞いたことがないぞ」と言う劉林。王郎は「王莽の在命中は明かせなかった。新はついに滅んだが、即位した劉玄は傍系の子孫で直系の我らの比ではない。ぜひ我らで漢の再興を果たそうぞ」と話す。劉林は「漢の再興?では劉秀の元へ行けばよい。なぜ私を訪ねた」と言う。「劉秀など口ほどにもない男だ。河北に留まれば必ずや自滅する」と言う王郎。劉林が劉秀と面識があるか聞くと、王郎は「先日、奴に探りを入れたところ、傲慢だが臆病者にすぎぬと分かり見限ったのだ」と答える。
「私、劉子輿と共に決起すれば劉玄に従う必要はない。号令を下せば河北の者は我らになびく。劉秀など簡単に潰せよう」と王郎は話す。一理あると思った劉林は「だが…本当に劉子輿なのか?」と聞く。高笑いした王郎が「乱世で本物かどうかなど重要ではない。それより漢の正統な皇帝を担いで天下を掌握したくはないか?」と答え、劉林も笑う。
薊州駅館。密偵からの報告を読み「王郎が劉子輿だと?」と言う劉秀。馮異は「奴は劉林と結託し、檄文で我らの捕殺を呼びかけた」と伝える。檄文を読んで「秀兄さんの首に10万戸の町?」と麗華が言う。劉秀が「漢が再興した今、逆賊になるとは」と言うと「この檄文で我らは皆の標的となる」と話す馮異。麗華は「占い師の妄言を信じるほど、皆、愚かなの?」と聞く。馮異は「ここは河北だ。どの権力者も劉林との関係が深い」と答える。
「奴は私に合うと、すぐ“大功”で釣ろうとした。強欲で気短な男だろう。奴を怒らせれば、ただでは済むまい」と言う劉秀。馮異は「劉玄の特使が諸公を憤慨させた直後に、劉玄より正統な皇帝が担ぎ出された。趙や魏の地も支持すれば、我らの努力は無と化し、河北に身の置き場もなくなる」と言う。刺客も放たれたはずだと。その時「刺客だぞ」という声がする。
劉秀たちが駆けつけると、王覇が男と闘っていた。王覇と代わる麗華。しかし麗華は負けてしまう。続いて馮異が相手になるが、劉秀が止め「私に会いに来たのか?」と男に尋ねる。「さすが代司馬の配下だ。上谷太守・耿況の子、耿弇(こうえん)と申す。昆陽の大英雄に帰順したい」と男は言う。
耿弇は「王郎の追っ手は南から来る。何かすれば墓穴を掘るに等しい。漁陽太守は大司馬の同郷、上谷太守は我が父。両地の精兵と共に王郎を討っては?」と話す。北上する途中で食糧が尽きるか、その前に追っ手に捕まると言う王覇。祭遵も「王郎が優勢となれば、更始漢朝を裏切る恐れもある。我らに牙をむくやも」と反対する。「父は長年、辺境を守ってきた猛将。世を欺くエセ皇帝に従うわけがない」と言い返す耿弇。馮異は劉秀に意見を求められ「皆と同じく私も北上には反対だ。行き場を失ったら、一度洛陽に戻っては?」と言う。
耿弇が「上谷は決して王郎に付かないと誓う。即刻、父に援軍の要請を」と言い、劉秀は耿弇の父を信じることにする。
夜。ぼんやりとしている麗華に「耿弇に負けたことを、まだ考えているのか?」と劉秀が聞く。麗華は「油断しただけよ。それに本気は出していない」と答える。「なぜだ?」と劉縯が言い、麗華は「少し劉稷に似ていない?」と返す。うなずいた劉秀は「確かに、似ているな」と言う。
「耿弇のことを信じるの?」と言う麗華。劉秀は「彼の父親は我が国でも屈指の騎兵を持つ。長子の彼は前途洋々のはずだが、苦境に陥った私を主君と仰いだ。私も誠意を示したい」と話す。
麗華はあきれながら「誠意を示してきてどうなった?私たちは河北に来てから多くの民を救ったわ。でも王郎が現れたとたん、裏切られた」と言う。「不慮の出来事だ。天を信じよう」と言う劉秀。しかし麗華は「縯兄さんの死後、もう天は信じてない」と言う。劉秀は麗華の肩を抱き「安心しろ。天が崩れても私が支える。今後はよくなるさ」と話し、長旅をして少しやつれた麗華を気遣う。「醜くなった?」と麗華が聞く。劉秀は「まさか。君は天女のようだ。一生、見ていたい」と言う。「あなたに嫁いだ以上、たとえ捨てられても絶対に離れないわ」と言う麗華。「一途だな」と劉秀が言って2人で笑う。
麗華は「今日の馮異は妙だったわね」と言う。北上は危険だけど転機にもなる、南下なんて賢い馮異なら百も承知のはず、劉玄の包囲を突破した今、引き返せないわ、なぜ洛陽に戻るなんて?と。劉秀は「情勢が悪化すると踏み、提案したのかもな」と言う。
「これ以上、ひどい目に遭わないわよね?」と言う麗華。劉秀は「何があろうと離れないんだろ?大丈夫、言ったはずだ。天が崩れても私が支える」と言う。
麗華と王覇は告示で兵を募る。しかし王郎が劉子輿だと信じてる民たちは、それを見て傍系の更始帝こそ逆賊だと言う。怒る王覇をなだめ、麗華は「秀兄さんに相談してくる」とその場を後にする。
ーつづくー
王覇の間の悪さが大好き(≧∇≦)ノ彡
劉秀と麗華がイチャイチャしている時に、いつも入ってきて。(爆笑)
これからも邪魔してほしい。
丁柔の指が指がヽ(@ω@;)ノ
自らなんて、どれほど勇気のいたことか。
馮異のお父さんも丁柔に対しての考え方が変わるはず(;△;)
そして馮異がすごく可哀想。
劉秀を裏切りたくない、でも人質が!!みたいな(;д;)
耿弇は劉秀のためにも味方であってほしい。
最後は人のいい劉秀が救われてくれないと!
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懐かしいです。
今回、丁柔が大変な選択をして、
我らが(と勝手に言ってすみません)馮異が本当にかわいそうでした。
辛すぎます。。。
劉玄の取巻きたちどうにかしてほしいです・・・
大変な状況ですけれど、
陰識兄さんの言葉で、鄧禹の動きに期待です!