兵を出すように言われていた韓信は、兵の休息も十分、食糧や武器も足りないわけではない、しかし王様(劉邦)が項羽の兵に抗うのは難しいと曹参と灌嬰に話す。曹参と灌嬰は負けるわけがないと思っていたが、以前、項羽と戦った時に自分たちの兵の方が多かったのに互角だった、漢王様は天下取りに関心があるが、生涯、将の私は見込みのない戦はできないと言う。
彭越が漢の使者を拒んだ理由が分からない田横。なぜ外黄より北に駐留し、春には虞県を攻めろという命令を拒むのか田横は彭越に聞く。漢王がよこした文はたった一通、漢王がどうなろうと嬉しくも悲しくもないが、広武山の情勢を見ると美味い汁はすえそうもない、それなのに出兵するのは馬鹿らしいと彭越は話す。韓信が出兵したら我々の存在感がなくなると田横は心配するが、彭越は笑い、臣下だから忠実とはかぎらないと言う。
まだ体調が万全ではない劉邦は、韓信と彭越が来ないことを知り、彭越はずる賢く利がないのに出兵などしない、勝ちたがる韓信も勝算がないかぎり来ないだろうと納得。劉邦は項羽に向かって挑発を続け、韓信と彭越が来るようなら戦えばいい、来ないならその時考えると仲間に言う。
劉邦が大軍を率い谷を通って出陣してきたと項羽は報告を受ける。項羽は門を閉じ、弓矢で迎え撃つように言う。みんなは驚くが、これは我々が以前使った手、勇気の欠片すらもっていない劉邦が私との決戦を望むなどありえない、今戦うのは何か利益があるから、劉邦とは戦わず焦らせてやると項羽は話す。
挑発しても楚軍が出て来ないことを目にした劉邦は「よいだろう。まだ別の手がある」と言う。
劉邦は盧綰を呼びつける。みんなの前で盧綰をひざまずかせ、戚姫を殺すと脅した罪を問い詰める。あの女狐のために忠臣を殺すのかと言う盧綰。俺の意に背いた者は忠臣ではないと怒鳴り、お前は死罪に値すると劉邦は言う。簫何や張良たち仲間が必死で止め、劉邦は仕方なく鞭打ちの刑を言い渡す。それを不服に思った盧綰が言い返し、怒った劉邦は鞭討ちの回数をどんどん増やしていく。
決心したかのように剣を置き、盧綰は陣営を出て行く。
簫何は急いで劉邦に会いに行き、盧綰が楚の陣営に駆け込んだと知らせる。劉邦は俺の下した罰が項羽の元へ走らせたと顔を曇らせるが、いずれ裏切っただろうと自分に言い聞かせるように言う。全軍に盧綰を見かけた者は迷わず斬るよう伝えさせる劉邦。
項羽の前に連れて来られた盧綰は、漢軍で不当な扱いをされ、項王様の元に身を寄せたいと話す。項羽は鼻で笑い「私が受け入れると思うか」と言う。幼い頃から一緒に育った劉邦を裏切った奴を私が信じると思うのかと。それでも劉邦を打ち破る機会を逃すのですか、俺は死んでも奴に復讐すると言う盧綰。項羽は剣を抜き盧綰に突きつけるが、劉邦が憎い、死をもいとわない、と項羽を真っ直ぐ見つめながら盧綰は言う。項羽は剣を鞘に戻し「兵の服を着せて出陣させろ」と告げる。
項軍の幕舎。座りながら劉邦に呼ばれた時のことを盧綰思い返す。戚姫を脅したことは俺のためにした事、長年の仲間だからこそ、お前の考えていることやどう動くのかも分かる、だが俺達の最大の敵は戚姫ではなく項羽、戚姫のことは咎めはしないがある事を頼みたいと言う劉邦。死ぬかもしれないというその頼みを命を投げ出す覚悟で盧綰は引き受ける。
3日が絶つ。盧綰は項羽に劉邦の父親に会いたいと頼む。項羽と一緒にいた虞子期は、漢を裏切ったのにあの老人に会いたいのかと言うが、私事だと頭を下げる盧綰。
劉邦の父と会う盧綰。盧綰に会えたことを喜ぶ劉邦の父だが、盧綰は自分が漢王の元を去り、項王の客人になったと話す。盧綰は別れの挨拶をして幕舎を出て行く。
盧綰は漢陣営で軽く扱われてきたことを項羽に話す。だから楚軍で項王様に従い、劉邦の鼻をへし折って、奴らに私の底力を見せつけたいと。
盧綰の話を聞いていた項羽は、盧綰はただの能無し、劉邦の次は自分が損害を被ると思い中座する。追いかけてきた虞子期は、話を聞いてから決めても遅くはない、盧綰が怪しいのなら、ここ数日の落ち着きようは?劉邦の父親に挨拶もするはずがないと言う。そして湖畔で釣りをしていた太公望は、ひとたび立ち上がると紂王の天下取りを助けた、盧綰には劉邦に勝つ策があると説得する。項羽は虞子期に従うことにし、幕舎の中へ戻る。
盧綰は広武山の戦については、現在、項王様と漢王の力は互角だと項羽に話す。そして韓信と彭越のことは熟知している、彭越という男はうまく立ち回り戦をするが信義を重んじない、奴はたくさんくれる者を助ける、韓信はどんな情勢でも最も重視するのは体面だと言う。虞子期は戦になれば漢軍は正面から攻め、彭越は補給路を断ち、韓信も攻めてくる、それでは勝ち目がないと考える。
「そうです」と言い、劉邦の陣営では女たちが世継ぎのことで争っている、盈を支持する者、戚夫人を支持する者、薄夫人を支持する者で劉邦の配下は3つに別れ、劉邦が傷を負った時は大混乱だったと話す盧綰。その上で盧綰は鴻溝で境界を定め、東側を楚、西側を漢と分けて盟を結ぶことを提案。待っていれば必ず近い将来、漢は乱れると。
劉邦の家族も利用できると言う盧綰。手元に置いておいても不義の汚名を残すだけ、劉邦は父親と妻のために必ず盟を結ぶと言う。そして戻れば呂雉は戚夫人を殺すはず、そうなれば劉邦は他をかまってはいられなくなり、2年もしないうちに漢陣営はバラバラになるはず、その時こそ容易に劉邦を殺せると。
項羽の文を持った虞子期は、簫何と張良と会う。和議の件で来たと聞いた簫何は「でしたら漢王がお待ちです。中へどうぞ」と言う。
日が変わり、互いの兵が見つめ緊迫する中、簫何と項伯は挨拶を交わす。
ーつづくー
盧綰が裏切ったわけじゃなくて良かった(;´д`)ノ
盧綰とは兄弟みたいな関係だものね。
戚夫人…というか、女のせいでそれが壊れるなんて嫌。
項羽もようやくようやく冷静に判断ができる大人になったなぁと思う。
でも、もっと早くにそうであったら…とも思ってしまう(;△;)
いろいろと動きがありそうで早く続きが見たい!!
でも月曜日までおあづけなのね…(ノ_・。)
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項羽側は密偵などは、いたはずなのにだまされっぱなしですね。それが不思議です。范増や龍たんを亡くして少々気弱になっているのかな?
城の門を閉じるのも項羽らしくないですよ。
どちらかといえば項羽を応援したいのですが毎回、違う方を選択してるような気がする、、!
盧綰は、思いきって逃げてきて、項羽との対面は本当に緊張感ありました。
盧綰も好きなのですが疑い深い項羽だから、、と思えば虞しきのいう通りにかんがえなおしたのね。大人になったのだけど、、
盧綰は、たくらみがあるようです、、やっぱり、、
項羽、、だんだん、劣勢になりそうな予感です。
項羽はまんまと劉邦の策に嵌められたようですが、もし范増のじっさまが存命だったらどうだったでしょうかね?
一つ一つのことが少しずつ項羽にのしかかってきたようです。
残りの話数もわずか、いよいよ垓下の戦い、運命の時が迫ってきましたね。
それはそうと次回戚夫人が何かやらかすようですね。狂言誘拐で呂雉に罪を着せようって感じかな?たぶんあの叔母さん余計な入れ知恵なのでしょう。
将来的に「アレ」のフラグ立ちなんだけど物語はそこまで行かないかな?