沈碧を呼んだ陸貞は、明日、昭陽殿に春物を届ける役目を務めるように言う。ひざまずき、抜擢に感謝すると涙を流す沈碧。
沈碧が出て行った後、信用できる者に碧を見張るよう玲瓏に命じる陸貞。不審な動きがあれば、直ちにさえぎり止めてほしいと。
昭陽殿へ行った沈碧は、春物の衣を宮女に手渡す。沈碧は陸貞が自分を見張らせていることに気づき、わざと宮女に「陸掌飾より昭陽殿には最高の衣を用意せよとの申し付けがありました。陛下の側使いの方々への特別な心遣いです」と言う。それを目にし、見張りは帰って行く。
昭陽殿から戻ろうとした沈碧は、偶然、高湛に出くわす。嬉しそうな表情になり、挨拶をする沈碧。沈碧が陸貞の友だと疑わない湛は、貞は元気でやっているか聞く。陸様は私を重用して昭陽殿へ衣を納める役目を、と沈碧は答える。
陸貞のことで申し上げたいことがあると湛に言う沈碧。かつて自分が陸貞を誤解し、訴えたことがあると話しだす。なれど父にひどく叱られ、己が誤っていたことに気がついたと。湛は刑部の沈悟覺が沈碧の父だと知り「ならばお祝いを言おう。沈悟覺は重大な汚職を暴いた功労で、陛下が四品主事に昇進させると聞いている」と話す。父の昇進に喜ぶ沈碧。
行きそうになった高湛を呼び止めた沈碧は、湛の汚れた履物を手巾で拭く。
とりたてて問題もなく沈碧が春物を届けたと玲瓏から報告を受ける陸貞。しかも昭陽殿への配慮について触れ、陸貞の評価を高めたと。沈碧が有能だと感じた陸貞は、これからも大事な役目を与え、重用することを決める。
陸貞は沈碧が心を入れ替えたと思う。
蔵に保管してあった衣にカビが生えていたものが多数見つかり、処分すると陸貞に話す沈碧。沈碧は布地として使える部分は取り置き、履物や小物などを作る時に使うよう皆に指示していた。それ知った陸貞は、気が利くと感心する。「世間知らずだった私も苦労いたしました。そのおかげで倹約が身についたようです」と沈碧は言う。その時、染め物を干していた柱が折れ、陸貞たちに向かい倒れてくる。「危ない」と言い、沈碧は陸貞を押してかばう。
柱は白蟻によって中が空洞になっていた。そこに強い風が吹いたため倒れたということが分かる。
沈碧を診た侍医は、胸を強く打ち、額も傷を負っているが、幾日か養生すれば心配ないと言って帰っていく。
横になっている沈碧を心配する陸貞。沈碧は「これは私への罰かもしれません」と言う。かつて陸貞を陥れようとした天罰だと。そして本来なら宮女の怪我くらいで侍医は呼べないのに感謝すると言う沈碧。陸貞は「当たり前だわ。姉妹同然の仲なのよ」と言う。姉妹同然と言われ、沈碧は体を起こす。涙を浮かべる沈碧に「もう疑わない。過去を水に流して互いを姉妹と思うの」と陸貞は言う。
沈碧をすっかり信用する陸貞。染めが済んだと陸貞と沈碧が話ているところに丹娘がくる。陸貞と沈碧の親密ぶりを見た丹娘は、沈碧から少し離れたところで「善人ぶっているけど裏があるのかも。まだ信じられないの。飼い犬に手を噛まれても知らないわよ」と陸貞に言う。それでも命がけで自分を救ってくれた沈碧を陸貞は疑わない。
陸貞は沈碧を連れ青薔の元へ行く。2日後の宴で皇太后陛下らが召す五彩の衣を作ってくれと言う青薔。皇太后をはじめ、みんなの好みを聞く陸貞。青薔が妃たちについては特に配慮することはないと話すと「宴の日は崔徳妃のお誕生日だったはずですが」と沈碧が言う。忘れていた青薔は、他の妃よりも見栄えのする衣にするよう陸貞に。
青薔は沈碧の覚えがいいことに感心し、陸貞は沈碧が頼りになるため、近頃はよく相談していると言う。
沈碧は沈嘉敏に呼ばれる。「そなたも出世して私のことなど忘れていたでしょう」と言う沈嘉敏。日々犬のように陸貞にくっついていると。沈碧は慌ててひざまずくと、陸貞とは仇同士、信用させるために従順を装っていただけだと言う。そして何か役に立てることがありますか?と聞く沈碧。沈嘉敏は少し考えた後、高湛の様子を探ってほしいと頼む。それを聞いた沈碧は、2日後に宴があり、殿下も出席すると話す。
宴のために誰よりも美しくなろうと衣を選ぶ沈嘉敏。しかし芳華は着る物より贈る物について考えるよう提案する。よい考えだと思った沈嘉敏に帯を送るよう芳華と月華は言う。殿下が帯を受け取れば、お嬢様の想いが届いた証しですと。
修文殿。陸貞が作った袋を1つ分けてほしいと元禄が高湛に話ているところに蕭喚雲が来る。
皇太后が監視しているため危険だと、用があるなら王璇か阮娘をよこすように言う高湛。陸貞とは何もない、だから手を出すなと言ったのは陸貞を守るための噓?と聞いた蕭喚雲は「青鏡殿によく行くそうね」と高湛に言う。
高湛は蕭喚雲の顔を見ながら「君とは無理だとはっきり言ったはず。誰を愛そうと君には関係ない」と返す。さらに「今一度言っておく。もし陸貞を傷つけることがあれば決して容赦しない」と言う高湛。「心配しないで。冷たくされても決して諦めない。これからは私のやり方であなたを少しずつ取り戻す。安心して、陸貞には手は出さないわ。なれど、あなたは私から逃れられない」と蕭喚雲は言う。
皇太后の着る派手にならず、華やかになる衣に悩む陸貞。沈碧は皇太后の魅力は威厳や高貴さ、色彩は控え目にし、皇太后の持つ魅力を引き出すよう工夫してみたらどうかと陸貞に。その言葉で陸貞は、淡い色の無地の生地で色違いの衣を5枚作って重ね着をすればいいと思いつく。沈碧は重ね着は重くなるため、薄い生地で作るとよいと案を出す。
宴の日。婁昭君の着ている衣がすばらしいと褒める高演。蕭喚雲は気に入らない。
陸貞が衣を作ったことを知った高演は陸貞を呼ぶ。婁昭君からいかなる着想があったか聞かれた陸貞は、一度しか着ない衣を作っていれば費用がかかり過ぎる、陛下は倹約を旨とせよと仰せになった、単色の衣なら平素も着られると話す。朝廷の財政にも貢献すると思った高演は、陸貞を七品の典飾にする。それにより陸貞が司衣司の管理をまかされることになる。
宴の席を離れた蕭喚雲を心配する王璇。「安心なさい。あんな猿芝居になど興味はない。なれどこの芝居、見せ物としてはなかなか面白いものになりそう」と宴のほうを見る。宴で席を離れた高湛は、陸貞に目配せをする。そのすぐ後、陸貞も席を離れる。その様子をすべて見ていた蕭喚雲は、陸貞が連れて来ていた沈碧に興味を持つ。かつては仇同士だったと話す王璇。
誰も来ないよう元禄に見張らせる高湛。陸貞がくるのを待っていた高湛だったが、沈嘉敏が来てしまう。沈嘉敏は高湛を人気のない場所へ連れて行く。
高湛と2人きりになった沈嘉敏は、御日を高湛に。帯を見た高湛は「これは受け取れない」と言い、沈嘉敏に返す。そして自分を"兄さん"ではなく"長広王殿下"と呼ぶように言う高湛。高湛から"沈殿"と言われ、沈嘉敏は駆け出して行ってしまう。
沈嘉敏とのやり取りを陸貞も聞いていた。「なかなか面白いお話だったわ」と高湛に言う陸貞。高湛と陸貞は手を取り歩き出す。
泣きながら月華と歩いていた沈嘉敏に蕭貴妃が四阿で待っていると宮女が知らせに来る。しかし案内された四阿には蕭喚雲の姿はなかった。高い場所にある四阿から、高湛と陸貞が仲良く歩いているのを目にする沈嘉敏。
嘉福殿に戻り沈嘉敏が泣いていると長公主が来る。陸貞を殺してやると言う沈嘉敏を、口汚く罵り、殺すなどという言葉を使うなど、未来の王妃にあるまじき言動だと叱る長公主。嘉敏こそ誰よりも王妃に相応しいと長公主から言われ沈嘉敏は嬉しくなるが、そんな沈嘉敏に湛はいずれ側室を持つことになる、かように度量の狭いことでは王妃などは務まらず、人も従わないと長公主は告げる。嫉妬は女子の最大の弱みで、身分ある女子は寛容でなくてはいけないと。
蕭貴妃もわざと陸貞たちの姿を見せたと話す沈嘉敏に、長公主は「これよりは蕭貴妃からできるだけ離れなさい」と言う。理由を聞かれ、蕭貴妃が陛下に嫁ぐ前は湛と親しかったと話す長公主。湛は過去のことは忘れたと言っているが、蕭貴妃はまだ諦めていない、そのせいで湛は今も1人なんだと。
修文殿に長公主が来るが、湛は会わない。
長公主と話し合うべきでは、と高湛に言う忠叔父。忠叔父は会う機会の多い陸貞と沈嘉敏に面倒が起きることを心配する。
高湛は青鏡殿の火事の日、娶るのは陸貞だけと決めたと忠叔父に話す。忠叔父は陸貞の身分を気にするが、高湛は王妃の候補である沈嘉敏は六品の女官、それを逆手にとる考えだと打ち明ける。いくら断っても姉上は嘉敏が相応しいゆえ娶れと言うに決まっておる、そこまで姉上が身分にこだわるのであれば、貞が昇進し、六品の女官になることで問題が消えるはず、貞のほうは己の力で昇進しようと懸命になっている、うまくいけば皆も納得するはずだと。
七品になった陸貞が六品になるのも遠くないと思う高湛。
含光殿へ行った沈嘉敏は、平州からの土産を渡す。枕には興味を示さなかった蕭喚雲だったが、粱国の后宮にあった3つの宝の1つ瑪瑙盆を目にし顔色を変える。粱の政変の折り、父が陳王を助けたため、その褒美として頂いたものだと話す沈嘉敏。
礼を言う蕭喚雲に「先だって私を四阿にお呼びになったのは私へのお気遣いでございますよね」と言う沈嘉敏。私が長広王を慕っているのではないかと貴妃殿下は誤解なさっている、私が都に参ったのは見聞を広めるためだと。
阮娘は外にいる王璇に、沈嘉敏が失礼な贈り物をした上、長広王との仲を否定したと報告する。阮娘たちは沈嘉敏が高湛に帯を贈ったことも知っていた。「公主様と陸貞を対立させることで漁夫の利(二者が争っている隙に利益を横取りすること)を狙う気か」と言う王璇。愚か者の沈嘉敏を利用するに限ると王璇は言う。
手を振りながら沈嘉敏は帰って行く。見送った蕭喚雲は、外にいた王璇に「璇、芝居の役者が揃ったようだ。ならばそろそろ幕開けといきましょう」と笑う。
ーつづくー
虎の刺繍が猫のようだという丹娘の刺繍も見て見たかったー!
やっぱり何だかんだで丹娘と元禄は仲良し(=´ー`)人(´ー`=)
沈碧を見張っていた宮女。信用はできるかもしれないけど、丸見えだよ…(;´д`)ノ"
それに皆が沈碧に騙されているし(0д0∥)
陸貞には丹娘の言葉をもっとちゃんと聞いてほしかったけど、それだけ沈碧の騙しがうまいということだよね(;_;)
陸貞がすごく心配。
沈嘉敏の帯が(*≧ω≦*)
さすがに帯の理由を知った今、高湛は受け取らないよねー。
呼び方について言ってくれたのも嬉しかったかも。
蕭喚雲が動き出しそう…。
こちらもすごく心配ヾ(・ω・`;)ノ
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まず油断させるんだよね( ; ; )でも、高湛には悪いイメージをつけたくないよね!
陸貞が単独でミスを犯すように…かな?
丹娘は見る目があるかも!沈碧を信用してないもん(o^^o)
ちょっとヤキモチみたいだったかな~
陸貞にほっぺをふにゃふにゃされてる姿が可笑しかった(o^^o)
沈碧を見張ってる女官(≧∇≦)バレバレだったね(≧∇≦)
簫喚雲も何か動きがーーーーーーーこちらも何をするんだろう?
長公主は諦めていないんですね( ; ; )いい人だと思っていたのに残念( ; ; )
うささん、ありがとうございます(o^^o)
作りすぎが見え見えな気がするのは
私も同じですよ。
帯の件は、はっきり意思表示をしましたね。
阿湛、この調子で阿貞と絆を深めてほしいです。