「無情の過去」
離陌は物置小屋で目を覚ます。「お前は冷統領を誘惑し、姫統領を悲しませた」と離陌に言う蝴蝶。蝴蝶と海棠は離陌が色目を使えないよう、まぶたを縫うと言う。しかし2人共、互いにやるように言い、自分からは縫おうとしない。「海棠さんが断るのは、責任を取りたくないからよ。下女に傷を付けたと諸葛様に知れたら牢屋に入れられてしまうもの」と言う離陌。それを聞いた蝴蝶が「責任逃れする気なのね」と海棠に怒りだす。さらに「でも蝴蝶さん、あなたも同じようなものよね。姉妹と言っても誰だって罪は被りたくないもの」と離陌が言い、2人は言い争いに。その隙に離陌は物置から逃げ出す。
離陌が無情の部屋の前を通りかかると、大きな音が部屋の中から聞こえてくる。部屋に入った離陌が声をかけた時には、無情は酔いつぶれ、卓にもたれて眠っていた。卓の上には“想うほどに苦しくなる心 想い合う心はやがて無となる運命なのに”と書かれた紙が。
離陌は無情を寝台へ運ぶ。無情が何度も「如煙(じょえん)」と名を呼び、離陌は無情の手に触れながら、目をつぶると読心術を使ってみる。
如煙と楽しい日々を過ごし、如煙の頬に口づけをする無情。しかし突然、如煙は無情に別れを告げ去ってしまう。そして別の人に嫁ぐ日、輿の中で自害してしまう如煙。見つめていた無情が駆けつけると、如煙の手から血がしたたり落ちていた。無情は「死ぬな、如煙!」と叫ぶ。
無情がうなされ、離陌が目を開ける。“無情様の想い人ね。最後がよく見えなかった”と思う離陌。
離陌が卓の上を片付けていると、無情が大切にしている笛などが目に入る。卓まで持ってきた離陌は、笛を手に持ち、読心術を使おうとする。その時、無情が目を覚ます。笛を持っている離陌を見て「おい!」と言う無情。無情は急いで離陌の元へ行き、笛を取り上げると「触るな」と怒る。そこに追命が来る。
笛を胸に抱き「如煙、どこにいるんだ」と無情がつらそうに言う。離陌は謝り「すぐに元の場所へ戻すわ」と言うが、無情から「触るな。今すぐ出て行け。失せろ」と怒鳴られてしまう。急いで離陌は部屋を出て行く。
追いかけてきた追命は、離陌に「今日は南宮(なんきゅう)さんの命日でね。だから機嫌が」と話す。勝手に触った私が悪いと返した離陌は、南宮如煙が誰なのか聞く。「無情の恋人で、言い交わした仲だった。でも、なぜか無情を捨てて高官に嫁ぐことになったが、嫁入りの日に自害を」と答える追命。思い出すと無情は荒れると。「じゃ、そばにいてあげて。私は平気だから」と離陌が言い、追命は戻っていく。
春童は小箱の中身を温如玉に見せる。「烏香葉膏か。どうやって使う気だ」と言う温如玉。春童は「薬効を最大に生かすのが、使う者の望みです」と答える。温如玉は棚から必要な種類の薬を少しずつ取り出し、小箱の中に入れていく。しかし温如玉が離れた隙に、春童は自らもっと小箱の中に入れてしまう。
頭痛に悩まされていた韓総領に、烏香葉膏をすすめる春童。韓総領は「好意だけいただく」と断るが「この薬は非常に貴重で、少量で金100両に値します。シャム国王の常備薬ですよ」と春童が言い、試してみることに。
薬がよく効き「頭痛が治った。陛下のお姿が見える。六扇門を表彰すると仰せのようだ」と言う韓総領。韓総領は「お前を厚遇すると約束しよう」と春童に言う。
離陌を連れてきた諸葛が、瑶花に「楚離陌を仙鶴司に入れ、共に捜索させたいのだが、お前はどう思う?」と聞く。瑶花は「捜査は危険と隣り合わせです。素人は無理かと」と答える。「お前がいるから任せられるのだ。お前は捕吏の中で最も腕が立つ。指導できるだろう」と言う諸葛。瑶花は離陌が訓練を受けていないことも気にするが、諸葛が「離陌には特殊な能力が。必ず事件解決の助けになる」と話し、承知する。
諸葛がその場を後にし「あなたを歓迎するわ」と離陌に言う瑶花。仙鶴司に入った以上、有能な捕吏になれるよう手を貸すと。離陌は「頑張って学びます」と言う。
制服を離陌が取りに行くと「すっかり諸葛総管のお気に入りね」と言う蝴蝶。海棠も「下女が捕吏に?猫や犬も捜索に加われそう」と言う。そんな2人に瑶花は「離陌は私たちの姉妹になったの。試験を受けてなくても仙鶴司の一員よ。離陌を悪く言う者を私は絶対に許さない」と告げる。冷兄さんのためにも、彼女の力は必要だと。気に入らない蝴蝶たちは、何も言わずに行ってしまう。
捕吏の制服を持って歩いていた離陌に、葉児が声をかけてくる。「捜したわ。この刺繍、どうするの?」と離陌の刺繍を制服の上に置く葉児。離陌は「あげるわ、もう要らない」と葉児に渡す。葉児が理由を聞くと「怒らせてしまったのよ」と離陌が答える。そんな離陌が仙鶴司の制服を持っていることに葉児が気づく。離陌が嬉しそうに捕吏になったことを話し、葉児も喜ぶ。そこに無情が来る。
葉児から離陌が捕吏になったことを聞き「おめでとう、君はよく頑張った」と言う無情。さらに葉児は「あなたに贈ろうと、離陌が作っている刺繍です」と刺繍を無情に見せる。嬉しい無情は、うつむいてる離陌に「昨日はキツいことを言って、本当に悪かった」と謝る。君との友情を大事にしたい、忘れてくれるか?これは予約しておく、完成したらくれる?、と。離陌は「ええ」とうなずく。
冷血の部屋に戻ってきた離陌は「すくに食事の支度を」と冷血に言う。「今後は身の回りの世話はしなくていい」と言う冷血。「私の仕事よ」と返した離陌は“私への感謝のつもりね。でも礼は口に出せない”と冷血の気持ちを察する。
離陌の持っている制服を見て、冷血が「仙鶴司のか?」と聞く。「何があってもお世話はする」と言って、離陌は制服を置きにいく。そこに諸葛が来る。
諸葛は「離陌を仙鶴司に入れることになった」と冷血に話す。「彼女は武芸ができない、危険では?」と言う冷血。しかし武芸には限界があり、離陌の読心術が捜索に役立つと考える諸葛は「心配するな。それより、お前も面倒を見てやってくれ」と言う。
鉄手が自分といると不幸になると話ても、依依は離れようとしない。結婚する気でいる依依は「夫婦だもの、苦労を共にするわ。不幸になっても恨まない」と言う。「俺のそばにいた奴は、皆、あの世へ旅立った」と言う鉄手。両親も妹も俺のせいで死んだ、俺は疫病神なんだよ、1人が似合う、と。
鉄手が依依を置いて行きかけた時、依依の頭に植木鉢が落ちてくる。心配して戻ってきた鉄手は「見ろ、植木鉢が落ちてきた。疫病神だと信じただろう」と言う。それでも「疫病神でも閻魔様でもいい。死んでも構わない。ついていく」と言う依依。
依依のことで困った鉄手は、追命に相談する。追命は鉄手が女といるところを見せ、嫉妬して怒って、最後には別れるという策を考える。
さっそく実行するが、鉄手が大勢の女に囲まれても「鉄兄さんは四大名捕の1人よ。有能だし、男前だし、女がいて当然。この私が惚れ込むくらいだもの」と言う依依。嫉妬はするが、独り占めはしない、女好きなら浮気されても構わない、私を想ってくれれば十分だと。
依依は追命が町にくるのを待っていた。現れた追命に「なぜあの女たちを呼んだの?どういうつもり?」と言う依依。追命は、みんな鉄手の恋人だと言うが、依依は嘘だと分かっていた。
依依は鉄手の好みなど聞こうとするが、追命は「あとで俺が奴を売ったと知られれば、鉄手に殺される」と答えずに行ってしまう。
神侯府に薪を届けるおじさんを見つける依依。芝刈りをしていた死んだおじいさんを思い出したと嘘をつき、依依はおじさんを手伝い神侯府へ潜り込む。しかし鉄手の部屋を探している所を追命に見つかり、すぐに追い出されてしまう。
その後で鉄手と会った追命は、依依が神侯府に潜り込んだことを話す。「お前を捜して忍び込んだ娘がいる。人にどう思われるか」と言う追命。鉄手が「俺と依依は無関係だ」と返すと、追命は「難しいな」と言う。「何が?」と聞く鉄手。追命は「いずれ分かる」と言い、その場を後にする。
椅子に座りながら、また一族が殺された時の夢を見ていた冷血。離陌がそんな冷血に近づき、手巾で汗を拭く。ハッとして冷血が目覚め、そばにいた離陌に「用か?」と聞く。「また夢を見てたのかと…。大丈夫?」と言う離陌。冷血は「先に休め」と言う。
狩りを終えた朱殿下に、鎖を操る女が襲ってくる。「悪には悪の報いがある。お前には、いずれ天罰が」と朱殿下に言う女。女は足に怪我を負い、逃げていく。
朱殿下は“身なりに覚えがある。あの女は狼族だ”と思う。
ーつづくー
蝴蝶と海棠、まぶたを縫うって( ゚艸゚;)
その発想だけで、すでに怖いぃぃぃぃぃ。
離陌が仙鶴司の仲間になったけど、すごく心配。
無情の想い人のことが少し分かりました。
いつも穏やかな無情が、離陌にあんなに怒鳴ったりして。
それだけ無情の悲しみが大きいということ…(;д;)
鉄手も依依が大切だから、失うのが怖いんだよね…。
でも、植木鉢が落ちてきても、依依どこも怪我していなかったし、依依なら大丈夫のような気がする(*'ω'*)
狼族に生き残りが!?
鎖の女も朱殿下が一族を滅ぼしたと思って襲ってきたということ?
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離陌の読心術で、無情も冷血も精神的な負担が
少しでもなくなるといいですよね。
それにしても、無情が後でフォローを入れているのが
流石でした!
そして、狼族の新しいキャラが登場ですね。
姐姐がお茶会でも仰っていたあの方、
これからの辛みが楽しみです。