ブログの練習

ブログを書く練習です。
最近はレトロな計算機(電卓、マイコン、パソコンなど)
に関することを書き始めました。

Fairchild F8 Family (F3850)

2022-08-11 14:18:16 | マイコン
Fairchild F8ファミリーのCPUとメモリインターフェースを入手しました。上がF3850PC(CPU, メーカーのロゴが無いけどFairchaild製だよね?)、下がMostek MK3853P(SMI, Static Memory Interface)です。最近読んだ「I/O別冊8 マイコン活用アイデア集」の最後に紹介記事があったCPUですが、それを読むまでその存在を知りませんでした。
そんなマイナーなCPUにも関わらず、電脳伝説さん(SBCF8が完成)が基板の作成やBASICの移植をしてくれていたので、基板とデータパックを使ってTiny BASIC for the F8を動かしてみました。

ハンダ付けするだけで何のトラブルも無くあっさり起動。プラモデル感覚です。
メモリとUARTは別基板になっていて、全体像はこんな感じ。

最近入手したレトロLED、東芝TLR101を使ってみました。


ASCIIART.BASを整数型BASIC用に書き替えて走らせてみました。
値をF倍して変数に格納して、演算時に整数部分と小数部分に分けて計算しています。
50行目の416はほんとは416.6なので四捨五入して417にしたいのですが、それだと微妙にオーバーフローしてしまうことがあるというギリギリのところなので416にしています。
100行目のa*a-b*b(a+b)*(a-b)の方がかけ算が1回で済んだり、オーバーフローしにくかったりするので良いかと思ったのですが、大差なかったので元のソースに近い式にしています。
130~140行目の発散判定は、計算量削減のために整数部だけで計算しています。
リストはこちら。

10 F=50
11 REM F is '1.0'
20 FOR Y=-12 TO 12
30 FOR X=-39 TO 39
40 C=X*229/100
41 REM 0.0458*F
50 D=Y*416/100
51 REM 0.0833*F
60 A=C
70 B=D
80 I=0
90 Q=B/F; S=B-Q*F
100 T=(A*A-B*B)/F+C
110 B=2*(A*Q+A*S/F)+D
120 A=T
130 P=A/F; Q=B/F
140 IF (P*P+Q*Q)>4 THEN 180
150 I=I+1;IF I<=15 THEN 90
160 PRINT " ",
170 GOTO 200
180 IF I>9 I=I+7
190 PRINT CHR(48+I),
200 NEXT X
210 PRINT
220 NEXT Y

結果は35分29秒。先日のZilog Z8671 BASIC/Debugとほぼ同じでした。

これを走らせている過程で、Tiny BASICのバグらしきものを2つ発見しました。1つ目はこれ。128で割るとエラー(HOW)になります。-128でも同様でした。最初は除数の範囲が-127~127というタイニーな仕様なのかと思ったのですが、そうではなかったようで、128のときだけエラーになります。

もう1つ見つけたバグがこれ。行番号が1桁のときの挙動がおかしいようで、1桁の行が書けなかったり消されちゃったりします。

データパックにソースもあることだし、中を見てみようかな。
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Tiger 121R (MODEL-121R)

2022-07-12 16:48:50 | 電卓
機械式計算機で有名なタイガー計算器(Tiger Calculator Sales Co., LTD)の電卓です。
検索しても情報は見つからず、電卓博物館(国内のメーカー (2))には121RSが記載されていましたが、121Rは無かったので、記録を残すためにこのブログを書いています。
最後に動画のリンクを貼りますが、計算中に表示が動くタイプで、平方根の計算がかなり遅いので見ていて味わい深い電卓です。
ロゴです。

銘板です。

大きさはこのぐらい。

横。

後ろ。

横。

裏面。

ネジ4本を外すと簡単に開きました。

トランスに押された日付のハンコによると1974年製造のようです。

メインボードはこんな感じ。

チップセットは三菱製。MA8603B, MA8604-01B, MA8605B, M58212Pという表示が見えます。

チップ名で検索すると、Calcuseum(1973 All Items)に情報が見つかりました。三洋 ICC1123、CX-2103、TEAL 121Mなどが同じチップセットを使っているようでした。
この電卓、計算中に表示が動くタイプでそこそこ遅いので見ていて楽しいです。youtubeに動画を置きました。



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Sharp EL-813 (ELSI 813)

2022-07-11 10:28:04 | 電卓
Sharp EL-813です。それほど特徴の無い電卓なので入手後放置していたのですが、ググっても電卓博物館の年表(電卓発売年表 (1964〜1973年))に型番が載っていること以外情報が見つからず、CALCUSEUMにもエントリーすら無いので、とりあえず簡単にでも記録を残そうと思い、このブログを書いています。
裏面です。

銘板です。

ネジを4本はずすだけで簡単に開きました。

この個体は1973年製造のようです。

メインボード

チップセットはRockwell 10580PAと10631PA。基板の表示が580ではなく508なのが謎です。

ググったところ、Arithmomuseumに情報が見つかり、どうやらEL-812というLED表示のポケット電卓と同じチップセットのようでした。
こちらの表示はVFDチューブで数字8本と記号1本。

記号はItronで数字がFutabaなのが面白いです。

形状はEL-803やEL-815Sと類似、チップセットはEL-812と類似した電卓でした。
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Toshiba BC-1201

2022-06-12 12:31:16 | 電卓
Toshiba BC-1201です。BC-1001、BC-1411に続く、東芝の3代目の電卓です。
電卓博物館(Toshiba desktop calculator)によると、「1967年5月発売、219000円、トランジスタ式の小形、低価格、普及機」とのことです。1967年当時としては世界トップレベルの小型機で歴史的価値も高く、calcuseum(CALCUSEUM TOSHIBA: BC1201)のCollector valueも10.0の最高値が付与されています。

この個体は説明書付きで入手した動作品です。

説明書には「軽量小型化」とありますが、大きくて重いです。確かに前の2機種よりは小さいですが。

幅。

奥行き。

後ろはこんな感じ。

BC-1001やBC-1411と違って、キャビネットが簡単には開かなかったので、中を見るのはやめました。電卓博物館にはキャビネットを開けた画像が掲載されています。
コスト削減のためか、小数点以下の桁数は0桁(整数モード)と3桁(小数点モード)の2モードです。"P"スイッチで切り替えます。

小数点以下の桁数がもっと欲しい場合には1億倍して計算すればいいのかな。

これもコスト削減のためか、負数の表示がありません。x<0の場合は10^12+xが表示され、マイナス100はこのようになります。この状態からもう一度"-"キーを押すと"100"になります。

ゼロ除算時のエラーは"7.0000000000"が表示されます。

動画です。下記の計算をしています。
・355/113 (整数モード)
・355/113 (小数モード)
・35500000000/113 (整数モード)
・100-200
・100/0

「軽量小型化」を実現した電卓ですが、これも置き場所に困っているところ。オークションに出して海外に行っちゃったりニキシー管時計の材料にされるのも嫌なので、博物館への寄贈を検討しています。
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Zilog Z8671 BASIC/Debug

2022-06-07 14:17:28 | マイコン
Zilog Z8671 (Z8 MCU with BASIC/Debug Interpreter)です。BASICインタプリタのROMが内蔵されたZ8ファミリーのマイコンです。運良く入手することが出来たので動作確認してみました。ググると情報がいくつか見つかり、主に下記サイトを参考にさせていただきました。
Z8671を動かす | Electrelic by Electrelicさん
Z8 – 電脳伝説 by 電脳伝説さん
Z8 – レトロな雰囲気 by tomi9さん
まずはHardware Application Note (Zilog "z8671 seven chip computer hardware application note", Sept. 1981)に忠実に作ろうと思ったんだけど、Z6132なる32Kbitの疑似SRAMを使っていたので早々にあきらめ、おなじみのHM6116に変更。
最初はブレッドボードかユニバーサル基板に組もうかと考えていたところなのですが、
電脳伝説さん(&tomi9さん)のSBCZ8の基板が440円という安さで売られているのでそれを購入して流用することにしました。
SBCZ8はRAMがx800H~xFFFHに配置されているようだったのですが、そこにはボーレート設定用のROMを置きたいので入れ替える必要がありそう。
/CEを入れ替えようと思ったんだけど、基板のパターンを見たら/WEを入れ替える方が簡単だったので、ROMとRAMの物理的な位置と/WEを入れ替えて解決。ところがパターンカットするときに/CEの線も切ってしまったので、結局/CEを入れ替えるのと労力はあまり変わらず。まあいいか。
最初、何でA8~11をプルダウンしているんだろうと思っていたのですが、Handbook (Zilog Z8 Family Design Handbook)に記載あり。起動時にI/Oポートをアドレスバスとして使用する設定をする前にメモリにアクセスしに行くため。なるほど言われてみればそうですね。Z8681は起動時に外部ROMにはアクセスしないのでプルダウンは不要。チップ横の抵抗を省略出来ました。
せっかく内蔵BASICなのに、ボーレートの設定だけのために外付けROMを付けるのはなんだかなあ、と思っていたところ、上記のElectrelicさんのブログにD0~2をプルアップ&プルダウンして値を入れればいいという話を発見。ROMを省略できました。
RXDの6.8Kは何なんだろうと思っていたら、tomi9さんのブログに「USBシリアルを接続すると、PowerONリセットがRXDからの電流の回り込みでVCCに電圧が加わりリセットできないのでRXDに抵抗が追加してあります。」という記述を発見。なるほど納得。



とりあえず完成したので起動。してみたが動かず・・・おかしいなあ。
オシロで/AS, /DS, /CE, TXDの信号を見てみるとそれなりの信号は出ている。が、良くみるとTXDの動きが遅すぎる。XTAL1, XTAL2をみたら周波数が数KHz。これはおかしい。水晶がちゃんと発振していないようだ。水晶にソケットとか付けたのがまずかったのかなあと思ったものの、せっかくソケットなので水晶を入れ替えてみる。手持ちの4MHzだとちゃんと発振。10MHzは発振せず。ああ、やっぱりそういう微妙なところか。
SBCZ8のコンデンサは15pだったんだけど、Applicatio Noteは22pFだったので、その差も気になる。

データシートを確認しようと思い、Handbookを確認したところ、C<=15pFって書いてあるじゃん!Application Noteは何で22pFなのよ。

15pFと22pFでそんなに変わるかなあ、と思いながらコンデンサを交換。結果、あっさり発振成功。(このあたりは写真や記録を撮っていなかったので画像無し)

お約束のマンデルブロ集合でベンチマークでも走らすか、と思って以前MCS8051のベンチマークに使ったASCIIART.BASを見てみたら浮動小数点演算していることに気付く。
マンデルブロ集合の計算なんだからそりゃそうだよね。しかしZ8671のBASICは16bitの整数型なのだ。整数型BASIC用のベンチマークは無いのかな?と思ってはせりんさんのサイト(ASCIIART(マンデルブロ集合)ベンチマーク)を見ても、みんな浮動小数点演算が前提だった。
仕方ないので固定小数点版をやっつけで作ってみました。
最初小数部8bitでやってたらいろいろ溢れて試行錯誤の結果小数部6bitで動きました。
16bitの符号付き整数を小数部6bitの固定小数点に変換しながら計算。
最初小数部8bitでやったら計算途中で溢れてNG。7bitだと一応動くけど、溢れる可能性があるので6bitにしました。
この実装も結構インチキなのですが、計算に使われる変数値が±5.0以下みたいなのでとりあえず動いているという感じです。
発散判定は整数部だけでやってます。(真面目にやっても時間がかかるわりにそれほど差が無いので。)
CHR関数的なものが無いので、10~15はIF文で"A"~"F"をPRINT。FOR文も無いのでIFとGOTOで代用。
プログラムはこんな感じ。
(【2023/1/5 追記
下記コードはオーバーフローしてる箇所があるっぽいので、整数型BASIC用のプログラムとしては別の記事(Fairchild F8 Family (F3850))に書いたやつの方がいいかもしれないです。)

10 F=64: M=F-1: REM for Fixed Floating Point (F=1.0, M is a bit mask for fraction part)
20 Y=-12
30 X=-39
40 C=X*3: REM 0.0458*F
50 D=Y*16/3: REM 0.08333*F
60 A=C
70 B=D
80 I=0
100 Q=B/F
130 IF B>=0 THEN S=AND(B,M): GOTO 150
140 S=-AND(-B,M)
150 T=(A+B)*(A-B)/F+C
160 B=2*(A*Q+A*S/F)+D
170 A=T
180 P=A/F: Q=B/F
190 IF (P*P+Q*Q)>4 THEN GOTO 220
200 I=I+1:IF I<=15 THEN GOTO 100
210 PRINT " ";: GOTO 300
220 IF I<10 THEN PRINT I;: GOTO 300
230 IF I=10 THEN PRINT "A";: GOTO 300
240 IF I=11 THEN PRINT "B";: GOTO 300
250 IF I=12 THEN PRINT "C";: GOTO 300
260 IF I=13 THEN PRINT "D";: GOTO 300
270 IF I=14 THEN PRINT "E";: GOTO 300
280 IF I=15 THEN PRINT "F";
300 X=X+1:IF X<=39 THEN GOTO 40
310 PRINT
320 Y=Y+1:IF Y<=12 THEN GOTO 30

結果です。クロックは7.3728MHz、実行時間は1897秒(31分37秒)。かなり遅いです。でもレトロマイコンは遅いほど味わい深いのでこれでいいのだ。


動作時も消費電力は5V×50mAと小さめ。円高で値上げされそうなので駆け込みで買ったFLIRで測定。52度ぐらいとそれほど高温ではない。

さて次は何をやろうかな?
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CASIO AL-1000

2022-06-04 10:34:17 | 電卓
CASIO AL-1000です。

Ledudu(AL-1000)で☆☆☆、CALCUSEUM(CASIO: AL1000)のcollector valueも10.0の正真正銘の稀少機種です。電卓博物館(Casio desktop calculator)によると「1967年10月に発売された世界で最初のプログラム付電卓」とありますが、それには異論があるようで、DoPECC(Casio AL-1000 Calculator)には、1965年発売のOlivetti Programma 101の方が先と書かれています。
この個体はオークションで入手したのですが、そのときの商品説明がこちら。
「カシオの初期型の電卓AL-1000です、通電しましたがボタン操作してたらパーンと言って煙が出たのでジャンク品でお願いします、その後もう一度コンセントにさすとディスプレイはまた普通に表示されてボタンも押せましたがここでまたコンセントを抜きました。もともと一か所数字が点灯しなかったです。ルートの計算までできたのは確認しました。とにかく古い機械なので修理ベースとお考えの上ご入札お願いいたします。」
整理すると、
・一旦通電したが部品が爆発した。(おそらくコンデンサ)
・ニキシー管点灯不良1ヶ所あり。
・数値入力、開平の計算、表示はできた。
ということなので、爆発したコンデンサを交換すれば良さそうです。爆発しているので故障箇所の特定も簡単そう。爆発した原因がコンデンサ以外にもある可能性もありますが、一番ありがちな原因は単なるコンデンサの劣化でしょう。
大型電卓3台(Sharp PC-7200, Toshiba BC-1001, BC-1411)をマイコン博物館に寄贈できたおかげで作業部屋が多少片付いたので、前からやらなきゃと思っていた修理に取りかかりました。
筐体を開けてみたら、確かに何かが破裂した残骸がありました。

電源基板の右上のコンデンサ(100μF, 25V)が破裂していました。耐圧の値からすると、高電圧がかかるところでもないので、純粋にコンデンサの劣化が原因だったのかな。

集めた残骸がこちら。

右下のコンデンサも膨らんでいたので除去。

他のコンデンサも交換した方が良いのでしょうが、とりあえず2つだけ交換しました。

電源を入れたところ無事どうさ。商品説明にあった1桁点灯しない現象を確認しましたが、単にウォーミングアップに時間がかかるだけで、30秒ほどしたらちゃんと点灯しました。

基板はこんな感じ。基板の詳細はネット上に大量にあるので、これ以上の分解・撮影はしないことにしました。

計算の様子。お約束の円周率の近似値sqrt(sqrt(2143/22))と、65536の開平。0除算をすると暴走して2桁目の表示が狂います。平方根の計算はかなり速いように思います。
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Toshiba BC-1411

2022-06-02 11:34:46 | 電卓
Toshiba BC-1411。以前ブログに書いたBC-1001に続く、東芝の2代目の電卓です。
電卓博物館の情報(Toshiba desktop calculator)によると、1966年12月発売、当時の価格は390,000円とのことです。
この個体は残念ながら通電しません。かなり大きくて置き場所に困っていたので、「夢の図書館・マイコン博物館」に、Sharp PC-7200, Toshiba BC-1001とあわせて寄贈させていただくことにしました。
入手してから放置されていて写真も撮っていなかったため、寄贈前に撮影しました。
キーボードです。

銘板

キャビネットは簡単に開くような作りになっていました。

基板。

横から。

基板の写真等は電卓博物館(BC-1411の基板)にたくさんあったので、バラして撮影するのはやめました。
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Sharp PC-7200

2022-05-13 10:37:56 | 電卓
Sharp PC-7200です。かなり大型の電卓です(幅43cm×奥行50cm×高さ20cmぐらい)。重さもかなりあります。ググるとマニュアルのページが見つかるのですが、残念ながら同名のパソコンのものでした。
キーボードはこんな感じ。

上位機種のPC-7300はドットマトリクスディプレイらしいのですが、この機種は7セグメントで数字しか表示できず、ディスプレイの上に数字と命令の対応表があります。

twitterで検索すると、夢の図書館(マイコン博物館)さんのツイートがみつかりました。
夢の図書館+マイコン博物館+模ラ博物館(公式) Microcomputer Museum Japan
1977~78年頃の高校の教育用計算機だったようです。ツイートがうまく埋め込めないので画像を拝借します。

電源を入れたところ、プシューッという音と煙と異臭。コンデンサが劣化していたようです。とりあえず、破裂したやつを交換しました。

筐体を開けるとこんな感じ。左側は放電プリンタ。右には磁気カードリーダがあります。

スロットは左から、電源系?、I/O系?、CPUボード、メモリボードのようです。電源系は固定されていて外しにくかったので、残りの3枚を外して観察してみました。
まずは、I/O系(ディスプレイドライバ?)と思われる基板。

裏面です。ローマ字で、OMOTEとかURAとか書かれています。

次に、メモリボード。

裏面。

メモリはMB8224E。4096x1bitのDRAM。24個で12KByte。MBだから富士通っぽいけど、このロゴは「S」だよなあと思いながら調べていたら、富士通の名前の由来が古河電気の「フ」とSiemensの「ジ」だということを初めて知りました。

横にある2つのIC、Rockwell 10929PAはメモリインタフェース(RAM Interface Circuit)らしい。(Micro Computer Digest, Oct. 1976, p.10参照)

そしてこちらがCPUボード。

裏面。

CPUはRockwell 11806CA。Parallel Processing System (PPS-8)のCPUです。勉強不足でPPS-8というマイコンシステムは初耳だったのですが、ググったらデータシートなども見つかり、周辺のICの情報もわかりました。

Rockwell 10788PA General Purpose Keyboard and Display Control (GPKD)

Rockwell 10696PA General Purpose Input/Output (GPI/O)が2つ

Rockwell 10706 Clock Generator

A6612CA (ROM1)

A6613CA (ROM2)

A6614CA (ROM3)

周辺のグルーロジック。

この個体の動作状況なのですが、置数が表示されない。よくよく調べると、どうやら16桁のうち下8桁が消灯しているようです。

どこかが断線してるのかと思ってしらべたのですが、すぐには原因がわからず頓挫しています。
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SANPLAI KOGYO Sander GE-12MP

2021-07-15 16:43:15 | 電卓
Sander GE-12MP(SANPLAI KOGYO, 1974年製)。表示器を持たない電卓。計算結果は紙に印字される。Sanderというのは、もしかしてサンダー(thunder, 雷)のつもりで命名したような気がするんだけど、sanderだと研磨装置だよね。
計算の様子。

Sander GE-12MP printing calculator

SANPLAI KOGYO Sander GE-12MP printing calculator made in 1974.

youtube#video

 

電源を入れると「ゴーッ」とモーターが回る音がする。数字や記号の凸版になっている円筒が回転し、適当なタイミングでハンマーで叩くことによって印字される。桁の順に印字するのではなく、ピアノで和音を演奏するように印字するのが面白い。
ドラム部分はこんな感じ。

タイプライターと同じような赤黒インクリボンが使われていて、2色表示です。

ネジを4本外すと簡単に開腹できた。

日立製のLSI(HD32112P, HD32191P, HD32171P, HD32172P)が使われている

箱とマニュアル。箱はかなり大きく邪魔なので、もったいないがこの後処分する予定。

SANPLAI KOGYOは
サンプライ工業だと思ったら(電卓博物館の記述もサンプライだし)「サンプレー工業」だった。

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SHARP PC-1300/1300S

2021-07-09 15:00:53 | 電卓
以前から欲しいと思っていたPC-1300と1300Sを入手しました。同時に入手したわけではなく、時系列的には次のような感じ。
(1)マニュアル、ACアダプタ、磁気カード、ロールペーパー付きのPC-1300を入手。
(2)プリンタ修理失敗。(センサー部分のフェライト磁石破壊)
(3)別機種(CASIO HR-10等)のプリンタがつなげられないか試行錯誤するが行き詰まる。
(4)ジャンクのPC-1300S(本体のみ)を入手。
(5)こちらもプリンタが動かなかったのでグリスアップ。修理成功。ノウハウ獲得。
(6)修理失敗したと思っていたPC-1300のプリンタが動いた。

これが最初に入手したPC-1300。

充電したら5.8V出ているが、さすがに40年前のニッカド電池を使うのは気持ちが悪いので外すことにする。

動かないプリンタモジュールを外してグリスアップ。

このとき使ったのはKUREのシリコングリースメイト。最初よりは滑らかに動くようになったが、ヘッドが右端から戻るときの紙送り動作が重い。基板からモーターに加わっている電圧を調べて、安定化電源に直接つないで回したところ、グイグイ回るようになったので調子に乗って回していたら突然「ガリッ」という音がして停止。回転センサーと思われる部分のフェライト磁石が欠けてしまっていた。とほほ。。。

放電プリンタ部分をどこかから持ってこれないかと思案し、2台持っているCASIO HR-10の1つを使おうかと分解してみる。

信号線は、プリンタヘッドへの信号7本、モーター駆動、モーター回転センサー、ヘッド位置センサーという感じで、移植できる可能性は感じるが、駆動電圧が低かったり、さすがにそのままつなげれば動くとは思えない。

そうこうしているうちに、PC-1300Sのジャンクがヤフオクで即決価格で出品されているのを発見。動作未確認のジャンク品ということで、状態も悪そうだったがダメ元で購入。
こちらもプリンタの動作が重く、ヘッドが止まってしまって動かない。(メカの潤滑だけでなく、ACアダプタの電流容量不足も一因であることが後でわかるのだが、この時点ではメカの潤滑の問題と考えていた。)
前の失敗があるので、潤滑剤を再検討。Web上で商品説明を見ただけではよくわからないので、とりあえずいろいろ買って比べてみた。

既に持っていたのは、エレクトリッククリーナー(これは潤滑剤ではない)とシリコングリースメイト。新規に買ったのは、
・KURE 5-56DX(プラスチックには使わない方がいいようなので、別の機械式計算機用)
・KURE 5-56 無香性
・KURE シリコンスプレー
・サンハヤト 防錆潤滑剤 αルーブ
の4種。アルミ箔に塗って滑りを見た感じでは、サンハヤトαルーブとKURE 5-56無香性とDXが良く滑る感じ。シリコン系は粘度が高く、高速に動くような部分には向かないような感じだった。今回採用するのは「サンハヤト 防錆潤滑剤 αルーブ」に決定。

「精密機械用」、「ギヤー」と明記されているのも採用の決め手になった。商品説明に「ずば抜けた効果があります」とか「超高級の防錆潤滑剤です」とか自己アピールがすごい。
これでかなり滑らかに動くようになり、手で動かす分には引っかかりもなくなったのだが、実際にプリントアウトしようとするとやはり紙送りのあたりで止まってしまう。電源が足りていないような感もある。

ACアダプタは8.2V、350mAとあるが、この程度の容量で動くのかふと疑問に思い、安定化電源8.2V, max2Aにつなげたところビュンビュン動いた。プリントアウトも正常。
ニッカド電池と併用しないとダメなのかもしれないが、マニュアルにはそんな記述は無かったしなあ。
ACアダプタに50Ωの抵抗負荷をつないで電圧を測ったところ、7.2Vに低下。電流は150mAぐらいなので、ACアダプタも劣化しているのかもしれない。ただ、安定化電源でも8.2V, max 350mAの設定では動かないので、やはり内蔵電池からの給電も必要なのだろう。
紆余曲折の末、なんとか1台動くものが出来た。動く物があるのと無いのでは修理の難易度は格段に違う。こうなるともう1台も修理してみたくなる。
とりあえず、シリコングリースを拭き取って、アルファルーブを注し直す。壊れたフェライト磁石は、破片を取り除くだけで十分だったのだが、何を思ったか4つの断片に割って一旦外してしまった。これが大失敗。代わりにちょうどいい大きさの磁石などあるはずもなく、悩んだ結果、断片を元に戻して接着剤でくっつけることにした。

とりあえず電源をいれて、プリントしてみると、

一番下のドットが欠けているがちゃんと動いている!プリントヘッドの針の歪みを直したら解決。
無事、2台ともプリントアウトできるようになりました。

256とあるのはPC-1300のプログラムメモリ容量(ステップ数)、640はPC-1300Sです。基板を比べて見ると、

PC-1300(右側)はICが1つ足りないのがわかります。型番はTC5047AP-2。東芝製のメモリです。
プログラム電卓ゲーム1に面白い記事を見つけました。

このICは若松で今でも売られているようなので、増設しようと思えばできるようです。

PC-1300のCPUはググっても情報が無かったのですが、判明しました。VFDモジュールを外せば見やすいのですが、壊してしまうのも嫌だったので隙間から撮影しました。

型番は SC38662 とあります。SHARPのオリジナルと思われます。
このページによると、PC-1300の先祖にあたるPC-1200のCPUが SC38661 ということで、1番違うだけです。

その横には日立製の HD36162 というICがありました。

ググったところ、DATAMATHのCASIO PRO fx-1のページに同じ型番のICがありました。思うにこれは磁気カードリーダー用のICなのではないかと推測できます。

最後に、Forensics test "asin(acos(atan(tan(cos(sin(9))))))"の結果です。

8.989923567というのは
Calculator Forensics Resultsに無い新種ですが、シャープ系の電卓(EL-5001, EL-509S, EL-531A)の値に近いのが面白いです。

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