以前から欲しいと思っていたPC-1300と1300Sを入手しました。同時に入手したわけではなく、時系列的には次のような感じ。
(1)マニュアル、ACアダプタ、磁気カード、ロールペーパー付きのPC-1300を入手。
(2)プリンタ修理失敗。(センサー部分のフェライト磁石破壊)
(3)別機種(CASIO HR-10等)のプリンタがつなげられないか試行錯誤するが行き詰まる。
(4)ジャンクのPC-1300S(本体のみ)を入手。
(5)こちらもプリンタが動かなかったのでグリスアップ。修理成功。ノウハウ獲得。
(6)修理失敗したと思っていたPC-1300のプリンタが動いた。
これが最初に入手したPC-1300。
充電したら5.8V出ているが、さすがに40年前のニッカド電池を使うのは気持ちが悪いので外すことにする。
動かないプリンタモジュールを外してグリスアップ。
このとき使ったのはKUREのシリコングリースメイト。最初よりは滑らかに動くようになったが、ヘッドが右端から戻るときの紙送り動作が重い。基板からモーターに加わっている電圧を調べて、安定化電源に直接つないで回したところ、グイグイ回るようになったので調子に乗って回していたら突然「ガリッ」という音がして停止。回転センサーと思われる部分のフェライト磁石が欠けてしまっていた。とほほ。。。
放電プリンタ部分をどこかから持ってこれないかと思案し、2台持っているCASIO HR-10の1つを使おうかと分解してみる。
信号線は、プリンタヘッドへの信号7本、モーター駆動、モーター回転センサー、ヘッド位置センサーという感じで、移植できる可能性は感じるが、駆動電圧が低かったり、さすがにそのままつなげれば動くとは思えない。
そうこうしているうちに、PC-1300Sのジャンクがヤフオクで即決価格で出品されているのを発見。動作未確認のジャンク品ということで、状態も悪そうだったがダメ元で購入。
こちらもプリンタの動作が重く、ヘッドが止まってしまって動かない。(メカの潤滑だけでなく、ACアダプタの電流容量不足も一因であることが後でわかるのだが、この時点ではメカの潤滑の問題と考えていた。)
前の失敗があるので、潤滑剤を再検討。Web上で商品説明を見ただけではよくわからないので、とりあえずいろいろ買って比べてみた。
既に持っていたのは、エレクトリッククリーナー(これは潤滑剤ではない)とシリコングリースメイト。新規に買ったのは、
・KURE 5-56DX(プラスチックには使わない方がいいようなので、別の機械式計算機用)
・KURE 5-56 無香性
・KURE シリコンスプレー
・サンハヤト 防錆潤滑剤 αルーブ
の4種。アルミ箔に塗って滑りを見た感じでは、サンハヤトαルーブとKURE 5-56無香性とDXが良く滑る感じ。シリコン系は粘度が高く、高速に動くような部分には向かないような感じだった。今回採用するのは「サンハヤト 防錆潤滑剤 αルーブ」に決定。
「精密機械用」、「ギヤー」と明記されているのも採用の決め手になった。商品説明に「ずば抜けた効果があります」とか「超高級の防錆潤滑剤です」とか自己アピールがすごい。
これでかなり滑らかに動くようになり、手で動かす分には引っかかりもなくなったのだが、実際にプリントアウトしようとするとやはり紙送りのあたりで止まってしまう。電源が足りていないような感もある。
ACアダプタは8.2V、350mAとあるが、この程度の容量で動くのかふと疑問に思い、安定化電源8.2V, max2Aにつなげたところビュンビュン動いた。プリントアウトも正常。
ニッカド電池と併用しないとダメなのかもしれないが、マニュアルにはそんな記述は無かったしなあ。
ACアダプタに50Ωの抵抗負荷をつないで電圧を測ったところ、7.2Vに低下。電流は150mAぐらいなので、ACアダプタも劣化しているのかもしれない。ただ、安定化電源でも8.2V, max 350mAの設定では動かないので、やはり内蔵電池からの給電も必要なのだろう。
紆余曲折の末、なんとか1台動くものが出来た。動く物があるのと無いのでは修理の難易度は格段に違う。こうなるともう1台も修理してみたくなる。
とりあえず、シリコングリースを拭き取って、アルファルーブを注し直す。壊れたフェライト磁石は、破片を取り除くだけで十分だったのだが、何を思ったか4つの断片に割って一旦外してしまった。これが大失敗。代わりにちょうどいい大きさの磁石などあるはずもなく、悩んだ結果、断片を元に戻して接着剤でくっつけることにした。
とりあえず電源をいれて、プリントしてみると、
一番下のドットが欠けているがちゃんと動いている!プリントヘッドの針の歪みを直したら解決。
無事、2台ともプリントアウトできるようになりました。
256とあるのはPC-1300のプログラムメモリ容量(ステップ数)、640はPC-1300Sです。基板を比べて見ると、
PC-1300(右側)はICが1つ足りないのがわかります。型番はTC5047AP-2。東芝製のメモリです。
プログラム電卓ゲーム1に面白い記事を見つけました。
このICは若松で今でも売られているようなので、増設しようと思えばできるようです。
PC-1300のCPUはググっても情報が無かったのですが、判明しました。VFDモジュールを外せば見やすいのですが、壊してしまうのも嫌だったので隙間から撮影しました。
型番は SC38662 とあります。SHARPのオリジナルと思われます。
このページによると、PC-1300の先祖にあたるPC-1200のCPUが SC38661 ということで、1番違うだけです。
その横には日立製の HD36162 というICがありました。
ググったところ、DATAMATHのCASIO PRO fx-1のページに同じ型番のICがありました。思うにこれは磁気カードリーダー用のICなのではないかと推測できます。
最後に、Forensics test "asin(acos(atan(tan(cos(sin(9))))))"の結果です。
8.989923567というのは
Calculator Forensics Resultsに無い新種ですが、シャープ系の電卓(EL-5001, EL-509S, EL-531A)の値に近いのが面白いです。
(1)マニュアル、ACアダプタ、磁気カード、ロールペーパー付きのPC-1300を入手。
(2)プリンタ修理失敗。(センサー部分のフェライト磁石破壊)
(3)別機種(CASIO HR-10等)のプリンタがつなげられないか試行錯誤するが行き詰まる。
(4)ジャンクのPC-1300S(本体のみ)を入手。
(5)こちらもプリンタが動かなかったのでグリスアップ。修理成功。ノウハウ獲得。
(6)修理失敗したと思っていたPC-1300のプリンタが動いた。
これが最初に入手したPC-1300。
充電したら5.8V出ているが、さすがに40年前のニッカド電池を使うのは気持ちが悪いので外すことにする。
動かないプリンタモジュールを外してグリスアップ。
このとき使ったのはKUREのシリコングリースメイト。最初よりは滑らかに動くようになったが、ヘッドが右端から戻るときの紙送り動作が重い。基板からモーターに加わっている電圧を調べて、安定化電源に直接つないで回したところ、グイグイ回るようになったので調子に乗って回していたら突然「ガリッ」という音がして停止。回転センサーと思われる部分のフェライト磁石が欠けてしまっていた。とほほ。。。
放電プリンタ部分をどこかから持ってこれないかと思案し、2台持っているCASIO HR-10の1つを使おうかと分解してみる。
信号線は、プリンタヘッドへの信号7本、モーター駆動、モーター回転センサー、ヘッド位置センサーという感じで、移植できる可能性は感じるが、駆動電圧が低かったり、さすがにそのままつなげれば動くとは思えない。
そうこうしているうちに、PC-1300Sのジャンクがヤフオクで即決価格で出品されているのを発見。動作未確認のジャンク品ということで、状態も悪そうだったがダメ元で購入。
こちらもプリンタの動作が重く、ヘッドが止まってしまって動かない。(メカの潤滑だけでなく、ACアダプタの電流容量不足も一因であることが後でわかるのだが、この時点ではメカの潤滑の問題と考えていた。)
前の失敗があるので、潤滑剤を再検討。Web上で商品説明を見ただけではよくわからないので、とりあえずいろいろ買って比べてみた。
既に持っていたのは、エレクトリッククリーナー(これは潤滑剤ではない)とシリコングリースメイト。新規に買ったのは、
・KURE 5-56DX(プラスチックには使わない方がいいようなので、別の機械式計算機用)
・KURE 5-56 無香性
・KURE シリコンスプレー
・サンハヤト 防錆潤滑剤 αルーブ
の4種。アルミ箔に塗って滑りを見た感じでは、サンハヤトαルーブとKURE 5-56無香性とDXが良く滑る感じ。シリコン系は粘度が高く、高速に動くような部分には向かないような感じだった。今回採用するのは「サンハヤト 防錆潤滑剤 αルーブ」に決定。
「精密機械用」、「ギヤー」と明記されているのも採用の決め手になった。商品説明に「ずば抜けた効果があります」とか「超高級の防錆潤滑剤です」とか自己アピールがすごい。
これでかなり滑らかに動くようになり、手で動かす分には引っかかりもなくなったのだが、実際にプリントアウトしようとするとやはり紙送りのあたりで止まってしまう。電源が足りていないような感もある。
ACアダプタは8.2V、350mAとあるが、この程度の容量で動くのかふと疑問に思い、安定化電源8.2V, max2Aにつなげたところビュンビュン動いた。プリントアウトも正常。
ニッカド電池と併用しないとダメなのかもしれないが、マニュアルにはそんな記述は無かったしなあ。
ACアダプタに50Ωの抵抗負荷をつないで電圧を測ったところ、7.2Vに低下。電流は150mAぐらいなので、ACアダプタも劣化しているのかもしれない。ただ、安定化電源でも8.2V, max 350mAの設定では動かないので、やはり内蔵電池からの給電も必要なのだろう。
紆余曲折の末、なんとか1台動くものが出来た。動く物があるのと無いのでは修理の難易度は格段に違う。こうなるともう1台も修理してみたくなる。
とりあえず、シリコングリースを拭き取って、アルファルーブを注し直す。壊れたフェライト磁石は、破片を取り除くだけで十分だったのだが、何を思ったか4つの断片に割って一旦外してしまった。これが大失敗。代わりにちょうどいい大きさの磁石などあるはずもなく、悩んだ結果、断片を元に戻して接着剤でくっつけることにした。
とりあえず電源をいれて、プリントしてみると、
一番下のドットが欠けているがちゃんと動いている!プリントヘッドの針の歪みを直したら解決。
無事、2台ともプリントアウトできるようになりました。
256とあるのはPC-1300のプログラムメモリ容量(ステップ数)、640はPC-1300Sです。基板を比べて見ると、
PC-1300(右側)はICが1つ足りないのがわかります。型番はTC5047AP-2。東芝製のメモリです。
プログラム電卓ゲーム1に面白い記事を見つけました。
このICは若松で今でも売られているようなので、増設しようと思えばできるようです。
PC-1300のCPUはググっても情報が無かったのですが、判明しました。VFDモジュールを外せば見やすいのですが、壊してしまうのも嫌だったので隙間から撮影しました。
型番は SC38662 とあります。SHARPのオリジナルと思われます。
このページによると、PC-1300の先祖にあたるPC-1200のCPUが SC38661 ということで、1番違うだけです。
その横には日立製の HD36162 というICがありました。
ググったところ、DATAMATHのCASIO PRO fx-1のページに同じ型番のICがありました。思うにこれは磁気カードリーダー用のICなのではないかと推測できます。
最後に、Forensics test "asin(acos(atan(tan(cos(sin(9))))))"の結果です。
8.989923567というのは
Calculator Forensics Resultsに無い新種ですが、シャープ系の電卓(EL-5001, EL-509S, EL-531A)の値に近いのが面白いです。