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バラの花を追っかけるシニア

ロサ・ガリカを中心とする系譜とチャイナローズとの相互交雑により誕生した基本種の系統とは?

2024年春バラを浜寺公園・中之島・長居・鶴見の4バラ園を追っかけてみた。投稿種類総数は約660種です。そのうち原種系Sp51件、オールドローズ57件、ランブラー81件、シュラブ系74件、ハイブリッドティー137件、フロリバンダ138件、クライミングローズ69件 その他であった。 4バラ園の種類別です
ほぼgoo本ブログにアップは昨日で終わりました。プレート表示とバラのアンマッチはアップしていないので品種実数はもう少し多い事になる。各植物園の特徴がわかる。ランブラーは殆どが浜寺公園です。Spも浜寺公園が多い。その他は相応に分散

植物でこの様に系統別に登録管理されているのには驚きだが、古代から存在するバラが今日では3万種も存在するとか。では、バラの先祖、ルーツはどうなのだろうかと興味が湧く。素人なので理解する上でフローチャートを作成してみた。(錯誤があればご容赦ください) 

地球上にはおよそ150種類の野生種が北半球のみに存在する。ヨーロッパ、北アメリカ、北アフリカにも存在するが最も多くはアジアであり、日本にも15種類ほど自生している。しかし、現在に至るバラの改良に係ったのはほんの10数種が原点となっている。その中で原点になるのはガリカ節「ロサ・ガリカ」であり少し詳しくみてみる
◉ガリカローズとガリカ節(上記フローチャート表紙参照)
西アジアから南ヨーロッパに自生するロサ・ガリカ(Rosa gallica)と西アジア一帯に自生するロサ・フェニキア(Rosa phoenicia)(シンスティラ節)と自然交雑により生まれたのがロサ・ダマスケナ(Rosa damascena)です。フェニキアは良い香りをもっており、これがやはり香りの良いガリカと自然交雑されたことで生まれたダマスケナは現在でも香料を採取に利用されており、ダマスク香と呼ばれるバラを代表する香りをもつバラ“ダマスケナ”が出現したのです。この段階で花弁は5枚の基本形から20枚位に変化してきている。このダマスケナがロサ・カニナ(Rosa canina)(カニナ節)と自然交雑により生まれたのが、ロサ・アルバ(Rosa Alda)(ガリカ節)である。
この3種類がギリシャ・ローマ時代から多用されたバラといわれている。
その後、16世紀に入りロサ・アルバとオータム・ダマスクの自然交雑により出現したのがロサ・ケンティフォリア(Rosa centifolia)で4種類のバラが中世から近代に至るまで盛んに栽培されていた。従って、18世紀末までは「ガリカ系」「ダマスク系」「アルバ系」「ケンティフォリオ系」(モス系はケンティフォリオの枝が変わり)の4種類しか知られていなかった。(前期のオールドローズと呼ぶ)
18世紀末頃、チャイナローズがインド経由でヨーロッパに渡り、上記の4種類と四季咲き性のあるチャイナローズが基本となって、相互交雑により多くの系統が生まれ、夫々が一つの系統を確立して一つの系統の基本種となっていく。育種家は競って新種作出に燃えてバラの全盛期へ突入する事になる。(後期のオールドローズと呼ぶ)
以上、ガリカを中心とした基本種の系統である。
◉上記の基本となる4種類とは?(オールドローズ基本4種と呼ばれている)
1)ガリカ系(Gallica Rose)
ロサ・ガリカ(Rosa gallica).     浜寺公園
ガリ家系は、ロサ・ガリカ(Rosa gallica)を親とする系統で、ロサ・ガリカの変種(枝変わり種)であるロサ・ガリカ・オフィキナリス(Rosa gallica officinalis)を中心として発展していった。オフィキナリスは花弁も20枚位の半八重咲きで現代に伝えている。オフィキナリス種には出会うことは出来なかったが古代ロサ・ガリカに近い品種とも言われている。
この春にガリカ系には出会えたバラ.  鶴見緑地バラ園

     ロサ・アガサ・インカルナータ Rosa Agathe Incarnata
                    HGal.     ガリカ系統 作出:  1800年以前  オランダ

オンブレ・パルフェ  Ombree Parfaite
系統:     OLD.    G.   ガリカ系統(Gallica)
作出:    1823年 フランス

ガリカ系のバラは、赤、赤紫からピンク色が多く、半八重咲きから丸弁カップ咲き、クオータロゼット咲きの中輪で春のみの一季咲きです。

2)ダマスク系(Damask Rose)
「ロサ・ダマスナ(Rosa damascena)」を基本種とした系統です。クレオパトラ時代に栽培されていたのではないかと推測されています。
ダマスケナには、ガリカとフェニキアが交雑されて生まれた春の一季咲き性を「サマーダマスク」と呼ぶ。一方、ガリカとロサ・モスカータ(Rosa moschata)が交雑して生まれたのは花はそっくりだけど秋に少し返り咲き性をもつことから「オータムダマスク」と呼ばれている。この系統はダマスクローズのピンクの色を引き継ぎピンク系が多い。何より香りの良いのが最大の特徴で後世のバラにダマスク香を引き継ぐ。
長居植物園

ロサ・ダマスケナ  Rosa  damascena
✴︎ダマスクローズの基本種。
系統: ダマスク (D)  Damask     作出: 1455年以前  作出国は不明

長居植物園
ロサ ダマスケナ ビフェラ
系統:        OLD.      D.  ロサ・ダマスク系統 Damask
作出:       古い栽培種.      1633年代以前
別名「オータムダマスク」(返り咲きする性質から名付けられ鑑賞用に広まる

鶴見緑地バラ園

ロサ・トリギンティぺタラ「カザンリク」の花名で知られる
学名: Rosa damascene trigintipetala.
系統: D. ダマスクDamask  作出: 1700年以前 作出国: 中近東

🔵オータムダマスクの片親のバラ ロサ・モスカータ

ロサ・モスカータ Rosa moschata  系統: Sp (原種)  
作出国: 西アジア・北アフリカ 地中海地方ともいわれる

ロサ・フェニキアには出会うことは出来なかった!

3)アルバ系(Alba Rose)
この系統の基本種「ロサ・アルバ(Rosa alba)」は白の花色で、基本的には白色の花が多いが、ピンクの花色の種類もある。オールドローズを代表する白バラといわれる

浜寺公園

アルバ・セミプレナ   Alba Semiplena
系統: A.   アルバ系統 Alba  作出: 1692年以前 作出国: 不明

写真の「アルバ・セミプレナ」がかつてのロサ・アルパに最も近い品種といわれている。「alba」はラテン語で「白」を意味します。
15世紀、中世のイングランドで起きたバラ戦争で、ヨーク家の紀章として掲げた白バラといわれるのがアルバ系統のバラだそうだ

🟢片親となったバラ ロサ:カニナ
長居植物園

ロサ・カニナ Rosa canina
系統:     原種       バラ亜属イヌバラ節
原産地: ヨーロッパ・西アジア・北アフリカ


4)ケンティフォリオ系(Centifolia Rose)
ケンティフォリのケンティ(cent)は、100を意味し、別名、キャベジローズ(Cabbage Rose)とも呼ばれ花弁の枚数が多い特徴を捉えた別名です。
中世から近世にかけて画家が好んで描いたことより「画家のバラ」ともいわれた。
4)-1   モス系(Moss Rosé)
萼から萼筒、小花柄にかけて腺毛が密集し、それが苔の様に見えることから「苔ローズ」と呼ばれ、ケンティフォリオ系が起源のものとダマスク系が起源のものとがある。(枝変わり種である)

ケンティフォリオには出会うことは出来なかったが、モス系には出会えた

鶴見緑地バラ園

シャポー・ド・ナポレオン  Rosa Chapesu de Napoleon
モス系統 Moss Centifolia    作出年: 1826年 作出国:フランス

鶴見緑地バラ園

ジェームス・ミッシェル  James Mitchell
モス系統  作出:   1861年  フランス


オールドローズに様々な系統があるけど、ヨーロッパで古くから親しまれた
代表的な4つの系統を「オールド・ローズの基本4種」と呼んでいる
18世紀末頃迄のヨーロッパのバラ
以上がその概要でした

18世紀末から19世紀中国から渡っててきた
コウシンバラがバラの革命を起こす
後期オールドローズ時代は次回にアップします

下記のフローは全体を整理してみた

全体フロー こちらの方が見やすいかなあ
もっとシンプルに整理してみた


バラ専用のblog開設しました
よろしくお願いします

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