快読日記

日々の読書記録

「招かれた女」赤川次郎

2015年04月04日 | 日本の小説
《☆☆ 3/30読了 角川文庫 1984年刊 【日本の小説】 あかがわ・じろう(1948~)》

及川達郎のイラストがなつかしい。
その作品の山を隅からポリポリかじるようにしか読んでないけど、これは何かで「赤川次郎ベスト」と評されていたので、
おお、それは読まねばなるまい、と。

赤川作品が映像的であることはよく言われることですが、この作品もドラマを見てるような読み心地で、場面が切り替わるときにCMが流れてきそう。(褒めてます。)
読みやすい口語体とたくさんのセリフに紛れて見えにくいけど、実は無駄な言葉がほとんどなくて文章に湿気がないのがいい。
テクニックが高度になればなるほど、テクニックを感じさせない、というよい見本だと思いました。
30年前の小説、という古臭さはあまり感じません。

でも、これが赤川次郎ベストかというと、いまいち賛同しかねる。
爽子と淳子という女性にあまり魅力を感じないし、ある人物へのミスリードがしつこいせいで真犯人がわりと早めにわかってしまうのも気になる。

そんなわけで、個人的暫定赤川次郎ベストは「黒い森の記憶」です!
(ちなみに2位は「白い雨」)

/「招かれた女」赤川次郎
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