《10/6読了 ハルキ文庫(角川春樹事務所) 2013年刊(単行本(2012年刊)を文庫化) 【日本の小説】 むれ・ようこ(1954~)》
主人公は50代半ばの独身女性アキコ。
長年勤めた会社を辞めて、亡くなった母がやっていた飲み屋のような食堂を改装、“サンドイッチとスープ”がメインのシンプルな(しかし手作りで安心な)食堂としてオープンさせて…。
・身辺整理してさっぱりする。
・独立して、自分好みの店を持つ。
・しまちゃん(唯一の店員さん)みたいな味方を持つ。
・愛情のはけ口がある。(ここでは猫)
・自分のルーツを知る。
まるで中年女がやりたいことの見本市みたいです。
つまり、ディテールはリアル(あるある)で、ストーリーはメルヘン(あったらいいな)。
だからこそ、気分良く読めるし読後感も暖かいのかもしれません。
現実はもっと悪意や嫉妬でヌルヌルしていて、そこでうっかり足を滑らせてひどい目にあうこともあるし、逆に加害者になっちゃって自己嫌悪に陥ることだってある。
そして、そういうもろもろが身にしみてわかるお年頃になったからこそ、群ようこの作品でほっとできるんじゃないかと思いました。
こんなにうまくいくわけないだろ、という展開にも、「まあ、そうならいいよなあ」という、ちょっとした理想形なんですよね。
それは、世間のカドにごっつんごっつんぶつかったり、トゲがささっちゃったりしながらも、信頼できる人がいて、強い芯を持った自分で(できるだけ)いられる、という理想。
そのためにも、加齢って必要なんですね。
“年をとってわかること”ってのは確かにある。
「『ずっとその方針』ねえ、それって大切よね」(82p)
/「パンとスープとネコ日和」群ようこ
主人公は50代半ばの独身女性アキコ。
長年勤めた会社を辞めて、亡くなった母がやっていた飲み屋のような食堂を改装、“サンドイッチとスープ”がメインのシンプルな(しかし手作りで安心な)食堂としてオープンさせて…。
・身辺整理してさっぱりする。
・独立して、自分好みの店を持つ。
・しまちゃん(唯一の店員さん)みたいな味方を持つ。
・愛情のはけ口がある。(ここでは猫)
・自分のルーツを知る。
まるで中年女がやりたいことの見本市みたいです。
つまり、ディテールはリアル(あるある)で、ストーリーはメルヘン(あったらいいな)。
だからこそ、気分良く読めるし読後感も暖かいのかもしれません。
現実はもっと悪意や嫉妬でヌルヌルしていて、そこでうっかり足を滑らせてひどい目にあうこともあるし、逆に加害者になっちゃって自己嫌悪に陥ることだってある。
そして、そういうもろもろが身にしみてわかるお年頃になったからこそ、群ようこの作品でほっとできるんじゃないかと思いました。
こんなにうまくいくわけないだろ、という展開にも、「まあ、そうならいいよなあ」という、ちょっとした理想形なんですよね。
それは、世間のカドにごっつんごっつんぶつかったり、トゲがささっちゃったりしながらも、信頼できる人がいて、強い芯を持った自分で(できるだけ)いられる、という理想。
そのためにも、加齢って必要なんですね。
“年をとってわかること”ってのは確かにある。
「『ずっとその方針』ねえ、それって大切よね」(82p)
/「パンとスープとネコ日和」群ようこ