快読日記

日々の読書記録

「報道事変 なぜこの国では自由に質問できなくなったか」南 彰

2020年08月15日 | ノンフィクション・社会・事件・評伝
8月15日(土)

「報道事変 なぜこの国では自由に質問できなくなったか」南 彰(朝日新書 2019年)を読了。

東京新聞の望月記者に対する菅官房長官や報道室長の質問妨害(「望月封じ」)の詳細が
思った以上にえげつないです。
菅さんは片田珠美の言う「怖い凡人」かもしれません。
本当に怖いのはこういう人です。
そもそも、国民の信託を得て、そのお金を預かり、国の運営を任されているだけの人たちが、
こんなに無駄に威張ってるのはどんだけ勘違いしてるんでしょう、という話です。
説明しろ、言葉を尽くして説明しろ、カメラの向こうには国民がいて、こっち(国民)こそが主人なんだぞ。


政府の横暴ぶりもモヤモヤしますが、
今回この本のおかげでわかったのは、その「望月封じ」に同じマスコミ陣が加担していること。
っていうか、こちらの方がたちが悪い。
権力者にすり寄ってるうちに自分も権力者になったみたいな錯覚を起こしているナベツネの小さい版みたいな人たちが異分子を排除しようとするんですよ、こわっ。


そういえば、昔、学生のころの知り合いで、
解放の運動に取り組んでいた人が、
なんの機会だったか国会の赤絨毯の上を歩いてきたとうっとりした顔で自慢していたことを思い出しました。
権力って人をおかしくさせるんだなあ、くわばらくわばら、と逃げ出したことが懐かしい。