快読日記

日々の読書記録

「はじめてわかる国語」清水義範 え/西原理恵子

2012年03月14日 | 言語・文芸評論・古典・詩歌
《3/8読了 講談社文庫 2006年刊(2002年に講談社から刊行された単行本を文庫化) 【日本のエッセイ 日本語】 しみず・よしのり》

「週刊ブックレビュー 20周年記念ブックガイド」でも回顧されていた“日本語ブーム”。
99年刊大野晋「日本語練習帳」を筆頭に、01年齋藤孝の「声に出して読みたい日本語」、05年北原保雄「問題な日本語」、近年でも蛇蔵&海野凪子「日本人の知らない日本語」など、まだまだ花盛り。
そこで「自分ではじめた国語ブームに完全に乗り遅れ」とサイバラ画伯に紹介されている筆者の日本語エッセイです。

内容は、国語とはそもそもどういう学科なのか、に始まる日本語や漢字や文章についてのお話といったところですが、後から出た“日本語本”を読んでいるせいで新鮮味が感じられなくてなんだか申し訳ない。

それはともかく、確かに国語の授業って、ただの誘導尋問みたいな気がする。
本来、論理的で理知的であるはずの“言葉”を扱う教科が一番感情的で恣意的みたい。
でも、そこはさすがに清水義範!「国語」という教科の本当の目的をはっきり説いていて心強いです。
あとは指導者がもっと勉強しなきゃって話ですね。

終盤で大谷崎(って言い方は今もあるのか)の「文章読本」を分析してるのもすごくおもしろかったです。

→「身もフタもない日本文学史」清水義範

/「はじめてわかる国語」清水義範
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