快読日記

日々の読書記録

「ダメをみがく “女子”の呪いを解く方法」津村記久子 深澤真紀

2014年09月09日 | その他
《9/6読了 紀伊國屋書店 2013年刊 【対談】 つむら・きくこ(1978~) ふかさわ・まき(1967~)》

津村記久子が対談本!と聞けば読まずにいられないわけですが、相手が深澤真紀というので約1年間の躊躇。
あんまりいい印象がないんです。
宮崎哲弥に似てますよね、それはどうでもいいか。

「世間知らず・不器用・KYなままでも、なんとか社会で生き延びていくための技術を語り尽くす。世の中をすいすい渡っていけないことに悩む、すべての女性に捧ぐ。」という帯。

2人の失敗談は、多くの働く人にとって身に覚えがある話だと思います。

“生きにくさ”を語る男性、たとえば、穂村弘と比べると、この2人の話はもっと切実で生々しくて、血が流れるような痛みを感じます。
実際に周囲の人と傷つけあうし、悪意やイライラに巻き込まれていやな目に遭うし。
(そういえば、最近ほむほむがカマトトに見えて困る、それはどうでもいいか。)

深澤真紀はバブルという浮ついた時代だからこそ浮上できたみたいな危うさがあって、その不安定なところと、結局“自分語り”が大好きなあたりがちょっと不快。
感情的で、同じ職場で働くのは遠慮したい雰囲気です。
一方、津村記久子の受け答えは現実的で落ち着いていて堅実。
こっちの方がずっと大人だ。
つきあうならこっちがいい。

でも、
そう思うのは深澤の発言に自分の嫌な面を重ねて見るからなんじゃないか。
あ~、正直なところそうかもしれない。
地に足の着いた津村記久子たちの世代がうらやましいのだ、わたしは。
テレビを見てると、似合わない衣装は浮いてるし、ときどき驚くほど自信なさげ、そういう深澤に自分自身への嫌悪を勝手に投影して、気分を悪くしてるだけなんだ、わたしは。

そんなことを考えながら読了したのでちょっと疲れた。

(後半の津村記久子の母親の話は興味深かった。
いつか作品になるんだろうな。楽しみです。)

/「ダメをみがく “女子”の呪いを解く方法」津村記久子 深澤真紀
この記事についてブログを書く
« 「迷惑メール、返事をしたら... | トップ | 「受験脳の作り方-脳科学で... »

その他」カテゴリの最新記事