快読日記

日々の読書記録

「迷惑メール、返事をしたらこうなった。詐欺&悪徳商法「実体験」ルポ」多田文明

2014年09月04日 | ノンフィクション・社会・事件・評伝
《8/8読了 イースト・プレス 2013年刊 【迷惑メール 詐欺】 ただ・ふみあき(1965~)》

日々押し寄せる迷惑メールに返信したらどうなる?という話。

迷惑メールにも様々な種類がありますが、結局、人間の“欲”を刺激する儲け話やお色気ものがほとんどです。
しかし、ターゲットに文章を読ませなければいけないという性質上、対面式のキャッチに比べて成功率は低そうです。
LOTO6の当選番号を教えます、みたいな古典的なやつから、チンパンジーを自称するファンキーなメール、おばあさんの遺産をあげますという大河連載メールなど、あの手この手を駆使して“読ませる”メールがおもしろかったです。

でも、それに対する筆者の対応がおもしろくないのが不満です。
詐欺師を追い詰める迫力もないし、突っ込むことで笑わせる力もないし、どういう立ち位置から迷惑メールに臨みたいのかわかりません。
数年前の、キャッチセールスについて行った記録「ついていったら、こうなった」にも全く同じ印象を持ったことを思い出しました。
筆者はテレビ番組の制作者らしいです。
対象を見つけ、取材して、VTRにまとめる、といった仕事と同じ手順でこの本も作られている。
だけど、本っていうのはそのあとに分析や考察がないとつまらない。
だから、いまいちすっきりしない読後感になるんだと思いました。

/「迷惑メール、返事をしたらこうなった。詐欺&悪徳商法「実体験」ルポ」多田文明
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