《8/29読了 青萠堂 2013年刊 【日本のエッセイ】 なだ・いなだ(1929~2013)》
がんの告知を受けたところから始まるエッセイ集。
ブログで発表された文章が多いせいか、若い頃のしつこさやねばりが抜けている印象を受けますが、
それでもその気骨みたいなものはビシビシ伝わりました。
巻末に収められた講演もうれしい。
これまでの仕事の成果を振り返るような記述もあり、なんだか長いお別れの手紙みたいな本になっています。
そういえば、若いころの本に「生きがいなんか必要ない」という話がありました。
生きがいというのは海に浮かぶ木材の切れっぱしみたいなもので、自力で泳げるうちはむしろ不要のもの、それにしがみついて泳ぐようになったらおしまいだ、という主旨だったような。
だいぶ自己流な表現になっていますが大きくはズレていないと思います。
そして、なだいなだこそそれを実践した人だと確信しました。
無神論を通し、とことん理性と理知の人であり続けた厳しさと強さ。
「とりあえず主義」を標榜し、包容力とユーモアで読者を導いた情の深さ。
そして、性別も年齢も国籍も問わず、誰もがとりあえず今日を生き、明日もまた今日を生きるしかないんだ、と再確認したところで読了です。
/「とりあえず今日を生き、明日もまた今日を生きよう」なだいなだ
がんの告知を受けたところから始まるエッセイ集。
ブログで発表された文章が多いせいか、若い頃のしつこさやねばりが抜けている印象を受けますが、
それでもその気骨みたいなものはビシビシ伝わりました。
巻末に収められた講演もうれしい。
これまでの仕事の成果を振り返るような記述もあり、なんだか長いお別れの手紙みたいな本になっています。
そういえば、若いころの本に「生きがいなんか必要ない」という話がありました。
生きがいというのは海に浮かぶ木材の切れっぱしみたいなもので、自力で泳げるうちはむしろ不要のもの、それにしがみついて泳ぐようになったらおしまいだ、という主旨だったような。
だいぶ自己流な表現になっていますが大きくはズレていないと思います。
そして、なだいなだこそそれを実践した人だと確信しました。
無神論を通し、とことん理性と理知の人であり続けた厳しさと強さ。
「とりあえず主義」を標榜し、包容力とユーモアで読者を導いた情の深さ。
そして、性別も年齢も国籍も問わず、誰もがとりあえず今日を生き、明日もまた今日を生きるしかないんだ、と再確認したところで読了です。
/「とりあえず今日を生き、明日もまた今日を生きよう」なだいなだ