野老の里

奥武蔵をメインに日帰りの山歩きを中心としたブログです

奥武蔵へようこそ 平成24年9月16日 加治丘陵

2012年09月21日 | 奥武蔵へようこそ
(桜山展望台から金子の茶畑)

タイトルの通り埼玉県入間市(一部は飯能市にかかる)にある加治丘陵を歩いてきた。ただカテゴリーを奥武蔵に入れてしまってよいかはちょっと迷う。かといって最近シリーズ化してきている武蔵野というにはちょっと奥過ぎるような気がする。そこで一応奥武蔵としておきながら、山歩きではなく、散歩の範疇に入れておくことにした。実際現地では山歩きの格好ではなく、武蔵野を散歩するときと同じようにジーパンで歩いてきた。

このところ週末になると天気が悪く、あまり山に行きたいという気にならなかった。しかし夏の疲れを残さないためには少しでも歩いておく必要がある。そこで狭山丘陵の更に西の奥にある加治丘陵を歩いてみることにした。かつて元加治駅から歩いたことがあるので、今回はより一般的な仏子駅からのコースを取ってみた。

12時半過ぎに小手指駅を出たこともあって、仏子駅に着いたのは13時をちょっと回ったところであった。南口に出ると住宅街の中に道標が立っている。賑やかな入間市駅と比べると本当に控えめな駅周辺だ。住宅街を抜け、武蔵野音楽大学方面へと向かうと、地形図には金子坂と書かれた大きな道路に出る。廃止された旧国民宿舎グリーンロッジを見送り、道路を渡ると、西武鉄道のガイドマップにあるとおり小さな公園がある。
ここから武蔵野音大の南側を抜けていく道もあるが、ガイドマップにしたがい尾根道を進むことにする。沢沿いの道路を進むと道標が立ち、尾根へ向かう遊歩道へと誘導される。遊歩道は舗装道路だが、車止めがあり、バイク以上の自動車は入ることが出来ない(自転車は可)。九十九折の遊歩道を上がっていくと電波系のヤバそうな建物がある。気味が悪いと思った人は元加治駅からの道を歩いたほうがよいかもしれない。時折覗く古城のようなグリーンロッジの展望塔がどこか不気味に思える。

(グリーンロッジの展望塔)

尾根に上がると遊歩道は小さなピークを巻いていくように付けられている。いくつかのピークには踏み跡があり、人が歩いている形跡もある。ボクも尾根上にある154.4の三角点を探してみることにした。藪っぽい尾根を進むと檜の林の中に小さな塚がある。そこを登ると案の定、154.4の三角点があった。奥武蔵の山の中にあるものと比べると保存状態はかなり良い。三角点峰から西に下ると地主による立入禁止の看板が立てられている。どうやら周辺のやや深い谷が危険なので、立入禁止としているようだ。

(154.4の三角点)

一旦遊歩道に戻ると再び尾根に向かって踏み跡が延びている。今度はかなり明瞭な踏み跡だ。尾根に上がると踏み跡は尾根沿い以外に北へ下るものがこちらも明瞭に延びている。地主さんが使う道だろうか。少し尾根を進むと今度は「どんぐりの会入口」と書かれた標柱が立っている。こちらも北に向かって踏み跡が延びているが、直ぐ先が展望地となっているようだ。寄ってみよう。伐採された展望地からは天覧山や日和田山などが見えているようだが、曇っていてよく分からない。展望地からは加治丘陵の北に出られるようだが、今日は更に尾根を西に進む。

(どんぐりの会入口)


(伐採地)


(天覧山・日和田山方面)

遊歩道に戻り、三角点がある阿須山を目指す。途中小さな祠の脇に古い踏み跡があったが、今でも通れるのだろうか。遊歩道が南に大きくカーヴする辺りに元加治駅からの道が合流してくる。元加治駅からの道は崖地の脇を通る。ただ取り付きが藪なことを除けば普通の山道なので、山好きな人は元加治駅からの道が好ましいかもしれない。元加治駅の分岐を過ぎるとやや地形が複雑となる。遊歩道は地形図とは異なる付き方をしている。したがって三角点のある阿須山を見つけるには多少の探索が必要だ。ボクは一度行ったことがあるので、記憶を頼りに遊歩道の左側を探す。怪しげな伐採跡を目指して上がると立派な林道が出来ている。雑木林を維持するために定期的に伐採しているらしい。白木の転がる伐採跡へ上がると三角点のある阿須山(あずやま 188.7)だ。以前は立てかけられていた山頂標識は地面に打ち捨てられていた。

(祠)


(元加治駅分岐)


(阿須山頂上)

阿須山から遊歩道を戻ると緩やかな下りが続く。西側にあけぼの子どもの森公園への道が分ける。山道なのでこちらを通っていく人も多いことだろう。東からおそらく阿須山へと繋がっているのではないかと思われる林道がやって来るのを見送ると、今度はヤマガラくらぶと彫り出された木の看板が見えてきた。こちらもどんぐりの会と同じく加治丘陵の整備を行っているボランティア団体らしい。ベンチなどが置かれていたが、勝手に使ってよいのかどうかは不明だ。右手に愛宕神社を見る辺りから遊歩道の傾斜がやや急になる。どんどんと下っていくと左手に桜山展望台への近道が延びている。ここを行くことにしよう。

(あけぼの子どもの森公園への分岐)


(ヤマガラくらぶ)


(近道)

遊歩道を離れ、山道へと入る。桜山展望台のある尾根が大分上のほうに見える。地形図を見るとこの展望台のある辺りが丘陵内では最も高い所にあるようだ。道は途中分岐し、展望台へ直接向かう道は上部が木段になっている。そこで一旦尾根へ乗り上げる道を進む。なかなかの急傾斜だ。一汗掻かされながら尾根に上がると正面にトイレがある。右手には立派なコンクリ製の桜山展望台が見える。展望台には鍵のかかる扉があり、時間外、特に夜間は上がれないようになっている。照明装置などは設置できないので、致し方ない措置と言える。階段を登り、最上部へと上がる。ベンチが置かれ、おまけに屋根付きなので、天気が悪くても展望を楽しむことはできる。南側は金子の広い茶畑が広がる。埼玉県のブランド農産物の一つである狭山茶が栽培されている。ボクは所沢に長いこと住んでいるので、お茶といえば狭山茶が一般的になっている。他の産地のお茶は正直あまり飲む気にならない。狭山茶は甘みが強く、他の産地のものは渋すぎるように思う。所沢も狭山茶の有名な産地なのだが、入間のお茶には敵わないと思う。普段家で飲む分は所沢産だが、人に送るときは入間産のものだけだ。南から西へと目を転じると狭山丘陵から丹沢・奥多摩の山へと山岳風景が展開する。だが、今日は小雨交じりの天気。そんな遠くまで見渡すことは出来ない。北側は駿河台大学の薄茶色の建物の向こうに奥武蔵の山並が広がる。何とか二子山や堂平山などが見えている。先ほどざっと強く雨が降ったのが良かったのかもしれない。

(桜山展望台)


(北側・奥武蔵の眺め)


(パノラマ北側)




(パノラマ南側)


(一番奥が二子山 手前のふたこぶは左が天覚山、右が大高山)


(一番奥が堂平山 手前のふたこぶは越上山)

展望台を下り、遊歩道を西に下る。この先どうするか決めていなかったのだが、南にある霞川沿いに遊歩道があるのでそこを西に進むことにする。下谷ケ貫集落に下りて、お寺の脇を抜けると交通量の多い車道に出る。歩道が無く、少々恐い。信号のある交差点で左に曲がると霞川(桂川)が見えてくる。遊歩道が付いているのだが、一旦更に南へ向かい茶畑に寄っていく。倉庫を過ぎると茶畑の広がる丘へと上がっていく。振り返れば桜山展望台が見える。丘の上へと上がると見渡す限りの茶畑だ。ただ広大過ぎてあまり良い画にはならない。入ってよいかどうかは不明だが、茶畑内の境界となっているであろう農道を通り抜け、再び霞川へと戻る。

(桜山展望台を振り返る)






(茶畑内)

霞川は場所によって舗装された遊歩道が整備され、八高線の金子駅近くまで続いている。以前母親を連れて歩いたときは所々に桜が咲き、桜の名所として知られる金子駅の桜が満開だったことを思い出す。鯉や水鳥のいる川を眺めながらのんびりと歩いていく。やがて八高線の橋脚が見えてきた。ここから八高線の側を通る県道を歩いて飯能駅へ向かうことにした。本当は加治丘陵へ戻り、入間メモリアルパークの北側へ出たかったのだが、八高線を越えられるかはっきりとしなかったため断念したのだった。途切れ途切れに付けられた歩道を只管歩いていくと、入間メモリアルパークの先に北長沢踏切があった。踏切を渡るとどうやら丘陵内へと道が続いているようだ。いずれここはまた訪れなければならなくなったな。

(霞川)


(鯉)


(水鳥)


(巨大な木が茂る小学校)


(八高線の橋脚)


(北長沢踏切)


(八高線)

クルマが猛スピードで通り過ぎる県道を歩き続け、赤城神社近くまで来たとき、ふとタヌキほどの大きさがある小動物の死体が目に入った。あまり見慣れない動物だ。随分大きいような気がするが、イタチだろうか?美杉台団地へと続く広い道路を渡ると道路は加治橋へ向かって大きく蛇行する。小中学校を望む道路からは飯能市では珍しい田んぼが広がっている。田んぼを眺めながら歩いていくとまたも歩道がなくなる。どうもクルマ優先の社会となっているようだ。加治橋の南の袂には林業センターがあり、そこから入間川沿いにあけぼの子どもの森公園へと遊歩道が整備されている。

(イタチか? ソフトフォーカスをかけてます)


(田んぼが広がる 奥は美杉台団地方面)


(加治橋)


(入間川沿いの遊歩道)

加治橋を渡るともう飯能駅周辺の市街地だ。橋を渡り、分岐を左に行くと直ぐに「天覧山」のブランドで知られる五十嵐酒造がある。ここで「ひやおろし」なるお酒を買っていったのだが、実に癖のないお酒であった。飯能駅南口へと続く道路は入間川左岸の断崖の上を通っている。途中崖地を見下ろす所に石仏が備えてあった。見晴しの良い所に信仰対象物が置かれるケースはどこも同じらしい。崖地を離れ、左手に大きな商業施設が見えてくれば、飯能駅は近い。駅に着いたときはもう17時になろうとしていた。

(加治橋から美杉台方面)


(崖地上にある石仏)

DATA:
仏子駅13:10~13:47元加治駅分岐~13:58阿須山~14:14桜山展望台14:34~14:53茶畑~15:05霞川~15:30八高線橋脚~
15:52北長沢踏切~16:12加治橋~16:50飯能駅

桜山展望台利用時間 4~9月:9時~17時半 10月~3月:9時~16時半

地形図 飯能 青梅 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 山の思い出 過去編 2010年1... | トップ | 更新休止のお知らせ »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

奥武蔵へようこそ」カテゴリの最新記事