http://www.youtube.com/watch?v=T6XC1oelkAw
http://www.youtube.com/watch?v=i7zcOlnEoRo
http://www.youtube.com/watch?v=AZrLGybwTuU
今日はキャラヴァンの3枚目のアルバム"In the Land of Grey and Pink"(1971)から"Winter Wine"を取り上げてみます。
プログレを聞き始めたのがちょうど大学生の頃で、それから十年以上掛けて様々なバンドの曲を聞いてきたわけですが、
巡り合えて良かったと思うアルバムが二つあります。
一つは2月に取り上げたVan Der Graaf Generatorの"Still Life"。
そしてもう一つがこの"In The Land Of Grey And Pink"(邦題「グレイとピンクの地」)です。
別に四大あるいは五大プログレといわれるバンドが嫌いって訳ではありません。
ただプログレ好きというほどでなくても、ロック好きならいずれは聞くことになるであろうというバンドなのに対し、
上に挙げたアルバムはプログレを聞き続けていなくては出会うことの無いマイナーバンドであり、
かつ単に演奏が上手いということを超越した普遍的なポップ性と強烈な個性をを併せ持った作品であることに
その価値があると考えています。
Van Der Graaf Generatorの"Still Life"がPeter Hamillの持つ凄まじいまでの生命力を感じさせる歌声と
曲の静謐さが好対照を成すアルバムであるとするならば、
この"In the Land of Grey and Pink"は美しいジャケットのイメージを忠実に再現するかのような
幻想的・牧歌的な歌詞・メロディを持った曲が収録されています。
"Still Life"というアルバムが好き嫌いは別として聞いた瞬間に耳に残るような曲が多いのに対して、
本作は一度聞いただけではその良さがあまりピンと来ないというところがあります。
もちろん直ぐに「これはいい!」と思う(僕はそうだったのですが)人ならばよいのですが、
ロック好きな人にはやや上品過ぎる・大人し過ぎるという印象を持たれる方は多いのではないかと思います。
何せアルバム冒頭に置かれた"Golf Girl"のイントロからしてホルンで始まるというロックにはなかなか無い展開だけに、
正直僕でも最初聞いたときはちょっと戸惑いを感じたのを覚えています。
それだけに"Golf Girl"が終わってこの曲のアコースティックギターのイントロから
この曲の作曲者でもあるRichard Sinclairの上品なヴォーカルがかかると一気に曲の世界へと引き込まれてしまいます。
意外にも目立つPye HastingsのギタープレイとDavid Sinclairの間奏部で聞かせる胸の熱くなるような哀愁のハモンドオルガンが
それぞれ緊張感溢れる演奏を披露していて、
僕は"Golf Girl"でプレイヤーを止めてしまった人にも是非もう一曲だけ聞いてほしいとつくづく思うのであります。
ジャケットは数あるロックアルバムでも上位に入るほどの美麗ジャケットだと思います。
作者はAnne Marie Anderson。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/aa/9746043127d616dc3619bdb9e8d07a16.jpg)