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(愛宕山頂上)
有間谷の周回コースを歩いてから四か月。久しぶりに奥武蔵を歩く。今回は東吾野駅の近くにある未踏の虎秀山にまず登り、そこから諏訪神社、一本杉峠を経て越生の寂峰愛宕山に登る。その後道を戻り、エビガ坂からユガテを経て飛脚道を下ることにした。
奥武蔵ということでゆっくり起きても良かったのだが、何故か5時に起きてしまったので、その勢いで7時前に東吾野駅に着く。駅前のベンチの側には登山届用のポストが新設されていた。ここのところ若い登山者が増えてきたからなぁ。普段から登山計画書は持っているのだが、備え付けの紙に書いて届出書を出しておいた。駅前の駐車スペースを進むと正面に山並みが見える。地形図を見るとあのうちのどれかが虎秀山らしい。車道を右折し、国道を渡る。細い福徳寺への分岐を見送ると右手に駐車場が見えてくる。新ハイキング誌689号の記事によるとこの駐車場(記事だと広場)が登山口となっているのだが、全くわからない。福徳寺への道を歩いてみるが、傾斜が急で取り付けそうな所は無い。そこで文章をよく読み直してみる。広場の右端に道があるというのだが…。これってもろに民家の敷地に入ってしまわないか?生垣の近くまで行ってみると、確かにその先は山に向かって道らしきものが延びている。
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(登山届用ポスト)
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(虎秀山を望む)
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(虎秀山入口 真ん中の木の右側が入口 ウソだろ…って最初は思う 追記 こちらもご覧ください)
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(入口を振り返ったところ)
民家の敷地にお邪魔して、竹林の中に続く道らしきものを辿っていく。傾斜が急になると踏み跡もいくらかはっきりする。竹林はすぐに終わり、急な傾斜の道を登っていく。傾斜が急すぎて、足がズルズルと滑り落ちてしまう。いくらエアリアに載っていないルートだとはいえ、取り付きからこれでは先が思いやられる。急坂を登りきると平坦な尾根の上に出る。一時はどうなることかと思った。時計を見るともう30分も経ってしまった。しかしこの登山口はどうも具合が良くないと思っていると鉄塔管理用のポストが見えてきた。尾根の南側に取り付きがあるのが見下ろせる。ここから登るのが具合が良さそうだが、どこに出るのやら。とりあえず無視して進むと送電鉄塔の吾野線29号が見えてくる。鉄塔の下からは西側の眺めが良い。送電線の向こうに見えるのは大高山だ。ここから見ると意外にもあまり尖った山には見えない。
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(竹林の道 かなりの急斜面)
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(尾根に上がった所)
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(右が大高山)
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(西武線を見下ろす)
鉄塔の先は小さなピークがある。周囲は檜の林で見晴らしは全くない。この小ピークを越えると踏み跡はよりはっきりとしてくる。取り付きから尾根に上がるくらいまでは結構藪っぽかったのだ。小さなアップダウンを繰り返す道は意外ときつい。ザックは軽いのに何故なのだろう。理由としては太ったということ以外に考えられない。吾妻山のときもそうだったが、体重増加が影響しているのは間違いない。正面にやや傾斜の急な登りが現れる。踏み跡が交錯し、少々歩きにくい。そういえば以前の新ハイキング誌(650号)には山頂直下が歩きにくいとか書かれていたな。そんなことを考えながらも斜面を登りきる。すると四等三角点と書かれた標柱が目に入る。へ?そして側には三角点の標石がある。もしかして虎秀山の山頂(320.5)?側の檜に目をやると虎秀山と書かれた小さな木製のプレートが付けられていた。意外とあっさりと着いてしまった。山頂は細長く、あまり広くはない。草に覆われた小さな岩と倒れかけの檜がうら寂しい感じを醸し出している。
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(登山道の様子)
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(虎秀山頂上)
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(虎秀山の山名プレート)
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(草に覆われた岩)
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(朽ちかけた檜)
あまり休憩したい雰囲気でもないので、山頂を辞し、急坂を下る。下りきった先には送電鉄塔の奥秩父線76号が建っている。鉄塔下からは東西両側が開けている。東側は橋本山辺りが見えるかと思いきや、手前の尾根と檜に阻まれてしまう。見えているのはグリーンラインの尾根で、スカリ山などが呼称のうちにあるようだ。西側は大高山が大きい。但しあまり感動的な眺めとは言い難い。鉄塔から先は只管檜の林が続く。小さなアップダウンはあるものの、ほぼ平坦な道だ。正直面白味はないが、如何にも奥武蔵の道という感じがする。これで近くに山仕事している人でもいれば完璧なのだが。林に入るとすぐに興徳寺への道が分岐している。おそらくこれが地形図に描かれた道だろう。分岐には立派な木製の道標が掛けられていたが、あまり見慣れないプレートだ。
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(鉄塔奥秩父線76号)
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(東側の眺め)
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(西側の眺め)
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(興徳寺分岐の道標)
分岐から最初に東に派生する尾根へ向かって77号鉄塔への道が延びている。分岐を過ぎると本当にしばらく何もない。これほど変化に乏しい道も久しぶりだ。でもこれが奥武蔵。まあ変化が乏しいだけなら耐えられるのだが、今日はそれに加えて結構暑い。寒くなるって予報じゃなかったか?一面檜の林のようにも感じるのだが、時折マツらしき木もあるようだ。するとあまり見慣れない松かさを拾う。なんだろう?小ピークのような所へ上がると枝で通せんぼされた分岐がある。ここは301のピークへ向かう道の分岐らしい。小ピークを越えると道は左へ少し曲がる。立ち枯れた木が目立つ所だが、幼木が成長し、見晴らしは無い。やがて道は尾根を巻き、林道のような広さになる。すると井上やまのこ会が立てた道標がある。東吾野駅井上地区と書かれたほうの道もよく整備されているようだ。エアリアに載っても良い道だと思うのだが。現在地は448のピークの近くではないような気がするのだが、どうもよくわからない。
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(平坦な道 終始こんな感じ)
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(松かさ)
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(立ち枯れが目立つ)
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(井上やまのこ会の道標)
林道のような広い道が続くが、いくらかアップダウンがある。今度は東に下る分岐が現れる。傍らの道標には虎秀と書かれている。虎秀というと奇異に感じるのだが、間野を経て虎秀という意味らしい。虎秀への道は岩を削って造られており、現在でも林道として使われているのではないだろうか。阿寺へ向かう道は相変わらず林道のような広さだ。但しすぐ側に尾根もあり、上がってみると薄いながらも踏み跡がある。踏み跡を辿っていくと踏み跡が林道から上がってきている。林道へ下りてみるとこの尾根道が阿寺への道であった。阿寺集落へ出る直前に送電鉄塔の下を通る。ここを過ぎると民家が見えてくる。墓地への道を見送り、民家へ向かう道を下ると小さな社があり、グリーンラインへと出る。
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(虎秀分岐)
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(虎秀方面への道)
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(林道から上がる所)
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(阿寺の民家)
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(小さな社)
グリーンラインを出て振り返ると井上地区入口と書かれた道標がある。これならエアリアに載せても良いんじゃなかろうか。それにしてもさっきからグリーンラインをランナーが通り過ぎていく。よく見るとゼッケンを着けているので、何か大会を開いていたようだ。後で調べてみると「第10回奥武蔵グリーンライン・チャレンジ42.195km」なるものがやっていたらしい。ボクも以前ジョギングをやっていたからちょっと羨ましい。でも42.195kmは無理だなぁ…。さてここからどちらへ行ったものか。顔振峠へ向かえば、途中で山道に入れる。でもここは東へ向かおう。東へ車道を下ると南側の眺めが良い。これまで歩いてきた尾根の向こうに丹沢山地が見える。天覚山の上には大山がシルエットになって見えている。東京を飛び越えて神奈川の山が見えるなんて不思議だよな。さらに進むと富士山の頭も見えた。顔振峠辺りからしか見えないものと思っていたので、ちょっと意外だった。
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(道標)
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(グリーンライン マラソン大会の最中)
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(グリーンラインからの眺め)
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(背後は丹沢辺り)
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(富士山)
墓地記号のある辺りに来ると諏訪神社と書かれたプレートがあり、地形図には載っていない小道が延びている。舗装路を登ると墓地があるが、ここは無視してさらに進む。振り返れば富士山と凸凹とした大岳山が見えている。林の中を行くと先ほどと同じプレートがあり、これに従い山道に入る。山道沿いに民家があるためか道が錯綜している。とりあえず本線らしき道を行くと土留めの木段が現れる。木段を上がっていくと建物が見えてくる。どうやら諏訪神社の建物らしい。暗い林を抜けると諏訪神社の明るい境内に出る。すると登山者らしき人がいる。ランナー以外の人に会ったのはこれが初めてだ。境内に入ると随分と賑やかだ。小さな舞台には飾り付けがされていて、大きな幟が二本立っている。近くに設けられたテント内は着替えの最中であった。どうやら奉納の舞を行うらしい。時間があればゆっくりと見ていきたいところだったが、まだ行程の半分も消化していないので、先へ進むことにした。
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(諏訪神社へ)
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(何の花だろう? →シュウカイドウというらしい)
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(大岳山と富士山)
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(ここまでは舗装)
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(木段を登る)
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(諏訪神社 舞台)
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(明治23年9月と書かれている かなり古い)
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(祭り飾り)
諏訪神社駐車場の奥から縦走路に入る。よく整備された良い道だ。整備され過ぎてもはや遊歩道みたいだ。どうも東北の山を歩くと奥武蔵のメジャールートは過剰なまでに整備されているように感じる。まあ虎秀山へのルートなんかはまだかなり山道の雰囲気を残してはいると思うが。駐車場裏手の小ピークを巻く道を進むと見慣れない看板がある。何々東京スカイツリーが見えるって?東側の伐採地から眺めると確かにスカイツリーが見える。但し奥武蔵はスカイツリーが見える所は多いので、新鮮さはない。一旦尾根上に出て、今度は越上山から南に派生する尾根を西に巻いていく。この辺りに神社があったはずだな…。すると50代くらいのカップルが神社から下りてきた。休憩する予定だった諏訪神社でゆっくりできなかったので、寄って行こう。木段を上がると小さ目な神社の建物があり、その奥には大きな岩がある。これが本来の信仰の対象だったのではないだろうか。岩の側に腰を下ろして、小手指の西友で買った調理パンを食べる。吹き抜ける風が涼しい。
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(整備された道)
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(スカイツリーが見えるそうだ)
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(スカイツリーが見える)
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(こちらは都心のビル群)
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(神社 何の神様を祀っているのかは不明)
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(大岩)
往路を戻り、次は越上山と神社のある小ピークの鞍部を越えていく。鞍部は越上山分岐となっているが、今日は寄って行かない。分岐から林道笹郷線までは尾根の南側に付けられた巻き道を進んでいく。見晴らしは無いが、とても良い道だと思う。林道笹郷線へ下りると日差しが強い。この暑さの中グリーンラインを走るのはかなりきついだろう。向かいのやや急な斜面を登る。平坦になると一本杉峠の分岐だ。ここで一旦一本杉峠方面へ向かう。緩やかに下ると大きな木が立つ一本杉峠に着く。しかし峠に立つ木は杉なのだろうか。檜のような気もするが。峠には同年代くらいの女性グループがいて、何やら地図を見て相談しているようだ。すると彼女たちのほうから「顔振峠はこちらですか?」と尋ねられる。この先の分岐を右に行けばいいと教えた。でもこんな道を上がってくる人たちなら顔振峠の場所くらいわかっていそうなものだと思うのだが。
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(越上山分岐)
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(巻き道 遊歩道のようだ)
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(林道笹郷線)
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(堂平山を望む)
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(一本杉峠)
峠からまずはジグザグの下り。この辺がちょっと峠っぽさを感じさせる。途中建設中の鉄塔が目に入る。あれって、前に見たハゲ山の辺りじゃないか?ジグザグが終われば緩やかな下りとなる。下りきった小さな鞍部がカイ立場。西には二本の道があって、尾根に沿う道は鼻曲山方面、沢道は笹郷線に出る。東側は一本道で、下っていくとさらに峠のようになっている所に出る。以前歩いたはずなのだが、ちょっと道を忘れていた。やや藪っぽい斜面を斜めに下っていく。平坦な所に出ると道が三本に分かれる。地形図だと獅子ヶ滝方面と愛宕山方面の二本だが、さらに滝ノ入方面への道もある。
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(建設中の鉄塔)
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(カイ立場の道標)
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(一段下の分岐 愛宕山へは道なりに進めばいい)
愛宕山方面に入るとすぐに建設中の鉄塔がある小ピークが見えてくる。愛宕山へ行くのは無理かとも思われたのだが、確り迂回路が設けられていた。小ピークを北に巻くと緩やかな下り。最初ははっきりとした道だが、次第に藪に覆われるようになる。蔓科の植物に行く手を阻まれつつも立木に愛宕山入口と書かれた赤テープを見つける。右手には下る道があり、地形図に描かれている本来の破線路なのではないかと思う。愛宕山へは雑然とした歩きにくい道を行く。植林よりも雑木が多く、木の実も結構実っていた。蔓を避けながらも踏み跡を辿ると樹木に覆われた愛宕山(393.8)の頂上に着く。三角点と山名標だけの地味な山頂だ。山頂付近には枝分かれした広葉樹の大木が数本ある。奥武蔵はあまり人の入らないルートのほうが意外な発見がある。
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(建設中の鉄塔 以前はハゲ山だった)
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(藪道)
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(愛宕山入口)
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(木の実)
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(愛宕山のプレート)
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(大木)
当初の計画では愛宕山からは往路を戻ってユガテへと向かう予定だった。しかし気温が高いので獅子ヶ滝で涼みたいと思った。そこでこのまま阿諏訪方面へ下ってみることにした。愛宕山から東にある小ピークの間からは東京スカイツリーの眺めが良い。境界標の立つ小ピークから先は急な斜面。新ハイキングの記事にあるとおり、所々赤テープがある。このまま赤テープを辿って順調に下り…と言いたいところだが、途中でテープを見失ってしまった。地形図とも整合しない下りのような気がするし、もう面倒なので往路を戻ることにした。暑さで体調も悪かったし、ここでのタイムロスは痛かった…。
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(ここでもスカイツリーが見える)
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(カイ立場にある熱いメッセージ)
カイ立場、一本杉峠と戻り、グリーンライン近くの分岐まで戻ってくる。ここからユガテへの分岐であるエビガ坂までは高麗川左岸の主尾根を進んでいく。この辺りは人通りが多い。分岐からすぐにグリーンラインへ下りられる所があり、獅子ヶ滝への分岐が延びている。尾根を登り返すと林道掘削の関係で眺望が得られる。大高山や奥多摩方面の眺めが良い。以前歩いたときはこの辺りの道がとても歩きにくいように感じた。しかし今はむしろよく整備された道だと感じる。それだけ山の経験を積んできたのかもしれない。積み重ねてきたのは体重と年月だけではなかったのだ。通行止めの措置が何年も取られている鎌北湖への道を見送り、エビガ坂に着く。あまり鞍部という感じではない。
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(獅子ヶ滝分岐 道は良さそうでした)
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(展望が得られる所)
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(奥多摩方面)
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(左端は大高山)
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(尾根道 以前よりも歩きやすく感じる)
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(通行止、と書かれているが、実際には通行注意の意味らしい)
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(岩が露出する)
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(エビガ坂)
エビガ坂からユガテへは緩やかな歩きやすい道が延びる。軽快に下り、またグリーンラインへ出る。正面に山道が延びているが、左手に見えるカーヴの辺りにもユガテと書かれた看板がある。その看板の前を曲がると砂利道の私道が延びている。あぁ、この道以前歩いたことがあるな。左手が開けてくれば、ユガテは近い。クルマの入口脇にはベンチがあり、ここでも登山者が休憩している。林を抜けると民家があり、農地が広がっている。あまり広い所ではないが、いつ来ても荒れた雰囲気はない。農具小屋の前にベンチがあるので、ここで休憩を取る。木陰のベンチは多くの登山者で占められていた。暑いが我慢するしかない。ザックを置いて、柚子を一袋買う。まだちょっと早い感じだ。
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(エビガ坂を下る)
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(ユガテに咲く花)
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(柑橘類)
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(ユガテの農地)
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(ユガテの広場)
ユガテから飛脚道へはそのまま農地を抜けていく。砂利の車道を進むと飛脚道の入口だ。大きな道標があり、わかりやすい。まずは西川木楽会が整備するユガテの森に入る。山仕事用の小屋やテラスなどがあり、道も広い。山奥という雰囲気はない。西川木楽会のきのこ山を過ぎると道が細くなる。ただあまりアップダウンがないので、歩き良い点は変わらない。小ピークを過ぎると橋本山の見晴台・男坂方面と女坂方面の分岐に出る。もちろんここは見晴台へと上がる。分岐からすぐで見晴台(321)に出る。以前来たときと変わらず眺めが良い。いやあのときよりも良いくらいだ。前回は黄砂が酷くて正直眺めが悪かった。今回は右から武甲山・武川岳・大持山・小持山をバックに伊豆ヶ岳・古御岳が望める。そこから左に目をやると子の権現のピークの左に大高山が大きく迫る。子の権現のピークの手前に見えるのが虎秀山だ。さらに左に行くと山頂部の樹木が薄い天覚山、そして背後には薄らと大岳山や大山などが見える。山頂にはベンチが数脚あり、初老の男性が煙草を吹かしていた。屋外で吸っている分にはあまり煩く言う気にはならない。ただ預金通帳を広げてみているのはどうかと思う。こっちも気まずいので。
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(森のテラス)
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(橋本山から 奥は大持山・小持山と武甲山 その手前は伊豆ヶ岳・古御岳)
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(左は大高山 右奥は子の権現 手前の鋭鋒が虎秀山)
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(大山と丹沢山地)
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(天覚山 左背後は大岳山)
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(右は二子山だろうか)
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(橋本山のパノラマ)
橋本山からは急なジグザグの短い下り。鞍部へ下りてくるとすぐに雨乞塚への分岐がある。この辺りちょっと藪が濃い。藪っぽい道を進むと檜に覆われた雨乞塚に着く。もちろん見晴らしはないのだが、それ以上に荒れた感じになってしまった。橋本山との鞍部はちょっとしたピークになっていて、その巻き道を進むと尾根道に戻ることができる。整備されたなだらかな道を行くと鉄塔のピークの手前で福徳寺への分岐に差し掛かる。尾根道は前回歩いているし、今朝福徳寺への道を少し歩いたので、ちょっと寄ってみたくなった。
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(雨乞塚)
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(福徳寺分岐)
福徳寺へは急だが整備された良い道が続く。眼下に集落が見えてきた。右に曲がると福徳寺の境内に出る。トイレと水道が整備されていて、下山後装備を解くには良い所だ。禅寺のようだが、本堂は固く閉ざされていた。本堂の前には阿弥陀堂があり、国指定重要文化財となっている。まあ本堂のほうが趣があるような気はするのだが。福徳寺周辺は意外と民家が多く、近くにある養鯉場はお客さんも来ていて、思ったよりも賑わいがある。国道へ出ると連休と言うこともあってか、かなり交通量は多い。国道を渡り、ひとのぼりすると東吾野駅だ。時計を見ると14時近い。もう少し早く下って来られそうな気もしたのだが。やっぱりダイエットしなけりゃダメか。20分ほど待って電車に乗り込む。車内は連休の行楽客を乗せて満員の状態であった。
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(福徳寺)
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(阿弥陀堂)
DATA:
東吾野駅6:58~7:57虎秀山~8:09興徳寺分岐~8:55井上地区分岐~9:00虎秀分岐~9:15阿寺地区~9:34諏訪神社~
10:12林道笹郷線~10:20一本杉峠~10:30カイ立場~10:37獅子ヶ滝分岐~10:48愛宕山~11:17カイ立場~12:16エビガ坂~
12:30ユガテ12:43~13:01橋本山~13:16雨乞塚~13:23福徳寺分岐~13:32福徳寺~13:49東吾野駅
参考図書 新ハイキング 689号(2013年3月号)虎秀山-愛宕山
地形図 飯能 越生
歩数 28,630歩
虎秀山から阿寺の間は奥武蔵の一般的なルートと変わりません。但し虎秀山の入口にちょっと問題があるので、一般ルートとして紹介するのは抵抗があります。出来る限り静かに通過しましょう。上記入口については地主さんからクレームが寄せられているとのことなので、使わないほうが無難です。他サイトでもここを入口としているものがありますが、使用は控えましょう。(平成25年10月18日追記)
愛宕山は藪っぽいですが、ここも一般的なルートと言ってよいと思います。阿諏訪方面へ下るのであれば、愛宕山入口まで戻ったほうがよいでしょう。
文字サイズはもとに戻しました。読みづらい方は左側の文字サイズ変更をお使いください。
有間谷の周回コースを歩いてから四か月。久しぶりに奥武蔵を歩く。今回は東吾野駅の近くにある未踏の虎秀山にまず登り、そこから諏訪神社、一本杉峠を経て越生の寂峰愛宕山に登る。その後道を戻り、エビガ坂からユガテを経て飛脚道を下ることにした。
奥武蔵ということでゆっくり起きても良かったのだが、何故か5時に起きてしまったので、その勢いで7時前に東吾野駅に着く。駅前のベンチの側には登山届用のポストが新設されていた。ここのところ若い登山者が増えてきたからなぁ。普段から登山計画書は持っているのだが、備え付けの紙に書いて届出書を出しておいた。駅前の駐車スペースを進むと正面に山並みが見える。地形図を見るとあのうちのどれかが虎秀山らしい。車道を右折し、国道を渡る。細い福徳寺への分岐を見送ると右手に駐車場が見えてくる。新ハイキング誌689号の記事によるとこの駐車場(記事だと広場)が登山口となっているのだが、全くわからない。福徳寺への道を歩いてみるが、傾斜が急で取り付けそうな所は無い。そこで文章をよく読み直してみる。広場の右端に道があるというのだが…。これってもろに民家の敷地に入ってしまわないか?生垣の近くまで行ってみると、確かにその先は山に向かって道らしきものが延びている。
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(登山届用ポスト)
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(虎秀山を望む)
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(虎秀山入口 真ん中の木の右側が入口 ウソだろ…って最初は思う 追記 こちらもご覧ください)
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(入口を振り返ったところ)
民家の敷地にお邪魔して、竹林の中に続く道らしきものを辿っていく。傾斜が急になると踏み跡もいくらかはっきりする。竹林はすぐに終わり、急な傾斜の道を登っていく。傾斜が急すぎて、足がズルズルと滑り落ちてしまう。いくらエアリアに載っていないルートだとはいえ、取り付きからこれでは先が思いやられる。急坂を登りきると平坦な尾根の上に出る。一時はどうなることかと思った。時計を見るともう30分も経ってしまった。しかしこの登山口はどうも具合が良くないと思っていると鉄塔管理用のポストが見えてきた。尾根の南側に取り付きがあるのが見下ろせる。ここから登るのが具合が良さそうだが、どこに出るのやら。とりあえず無視して進むと送電鉄塔の吾野線29号が見えてくる。鉄塔の下からは西側の眺めが良い。送電線の向こうに見えるのは大高山だ。ここから見ると意外にもあまり尖った山には見えない。
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(竹林の道 かなりの急斜面)
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(尾根に上がった所)
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(右が大高山)
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(西武線を見下ろす)
鉄塔の先は小さなピークがある。周囲は檜の林で見晴らしは全くない。この小ピークを越えると踏み跡はよりはっきりとしてくる。取り付きから尾根に上がるくらいまでは結構藪っぽかったのだ。小さなアップダウンを繰り返す道は意外ときつい。ザックは軽いのに何故なのだろう。理由としては太ったということ以外に考えられない。吾妻山のときもそうだったが、体重増加が影響しているのは間違いない。正面にやや傾斜の急な登りが現れる。踏み跡が交錯し、少々歩きにくい。そういえば以前の新ハイキング誌(650号)には山頂直下が歩きにくいとか書かれていたな。そんなことを考えながらも斜面を登りきる。すると四等三角点と書かれた標柱が目に入る。へ?そして側には三角点の標石がある。もしかして虎秀山の山頂(320.5)?側の檜に目をやると虎秀山と書かれた小さな木製のプレートが付けられていた。意外とあっさりと着いてしまった。山頂は細長く、あまり広くはない。草に覆われた小さな岩と倒れかけの檜がうら寂しい感じを醸し出している。
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(登山道の様子)
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(虎秀山頂上)
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(虎秀山の山名プレート)
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(草に覆われた岩)
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(朽ちかけた檜)
あまり休憩したい雰囲気でもないので、山頂を辞し、急坂を下る。下りきった先には送電鉄塔の奥秩父線76号が建っている。鉄塔下からは東西両側が開けている。東側は橋本山辺りが見えるかと思いきや、手前の尾根と檜に阻まれてしまう。見えているのはグリーンラインの尾根で、スカリ山などが呼称のうちにあるようだ。西側は大高山が大きい。但しあまり感動的な眺めとは言い難い。鉄塔から先は只管檜の林が続く。小さなアップダウンはあるものの、ほぼ平坦な道だ。正直面白味はないが、如何にも奥武蔵の道という感じがする。これで近くに山仕事している人でもいれば完璧なのだが。林に入るとすぐに興徳寺への道が分岐している。おそらくこれが地形図に描かれた道だろう。分岐には立派な木製の道標が掛けられていたが、あまり見慣れないプレートだ。
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(鉄塔奥秩父線76号)
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(東側の眺め)
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(西側の眺め)
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(興徳寺分岐の道標)
分岐から最初に東に派生する尾根へ向かって77号鉄塔への道が延びている。分岐を過ぎると本当にしばらく何もない。これほど変化に乏しい道も久しぶりだ。でもこれが奥武蔵。まあ変化が乏しいだけなら耐えられるのだが、今日はそれに加えて結構暑い。寒くなるって予報じゃなかったか?一面檜の林のようにも感じるのだが、時折マツらしき木もあるようだ。するとあまり見慣れない松かさを拾う。なんだろう?小ピークのような所へ上がると枝で通せんぼされた分岐がある。ここは301のピークへ向かう道の分岐らしい。小ピークを越えると道は左へ少し曲がる。立ち枯れた木が目立つ所だが、幼木が成長し、見晴らしは無い。やがて道は尾根を巻き、林道のような広さになる。すると井上やまのこ会が立てた道標がある。東吾野駅井上地区と書かれたほうの道もよく整備されているようだ。エアリアに載っても良い道だと思うのだが。現在地は448のピークの近くではないような気がするのだが、どうもよくわからない。
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(平坦な道 終始こんな感じ)
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(松かさ)
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(立ち枯れが目立つ)
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(井上やまのこ会の道標)
林道のような広い道が続くが、いくらかアップダウンがある。今度は東に下る分岐が現れる。傍らの道標には虎秀と書かれている。虎秀というと奇異に感じるのだが、間野を経て虎秀という意味らしい。虎秀への道は岩を削って造られており、現在でも林道として使われているのではないだろうか。阿寺へ向かう道は相変わらず林道のような広さだ。但しすぐ側に尾根もあり、上がってみると薄いながらも踏み跡がある。踏み跡を辿っていくと踏み跡が林道から上がってきている。林道へ下りてみるとこの尾根道が阿寺への道であった。阿寺集落へ出る直前に送電鉄塔の下を通る。ここを過ぎると民家が見えてくる。墓地への道を見送り、民家へ向かう道を下ると小さな社があり、グリーンラインへと出る。
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(虎秀分岐)
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(虎秀方面への道)
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(林道から上がる所)
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(阿寺の民家)
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(小さな社)
グリーンラインを出て振り返ると井上地区入口と書かれた道標がある。これならエアリアに載せても良いんじゃなかろうか。それにしてもさっきからグリーンラインをランナーが通り過ぎていく。よく見るとゼッケンを着けているので、何か大会を開いていたようだ。後で調べてみると「第10回奥武蔵グリーンライン・チャレンジ42.195km」なるものがやっていたらしい。ボクも以前ジョギングをやっていたからちょっと羨ましい。でも42.195kmは無理だなぁ…。さてここからどちらへ行ったものか。顔振峠へ向かえば、途中で山道に入れる。でもここは東へ向かおう。東へ車道を下ると南側の眺めが良い。これまで歩いてきた尾根の向こうに丹沢山地が見える。天覚山の上には大山がシルエットになって見えている。東京を飛び越えて神奈川の山が見えるなんて不思議だよな。さらに進むと富士山の頭も見えた。顔振峠辺りからしか見えないものと思っていたので、ちょっと意外だった。
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(道標)
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(グリーンライン マラソン大会の最中)
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(グリーンラインからの眺め)
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(背後は丹沢辺り)
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(富士山)
墓地記号のある辺りに来ると諏訪神社と書かれたプレートがあり、地形図には載っていない小道が延びている。舗装路を登ると墓地があるが、ここは無視してさらに進む。振り返れば富士山と凸凹とした大岳山が見えている。林の中を行くと先ほどと同じプレートがあり、これに従い山道に入る。山道沿いに民家があるためか道が錯綜している。とりあえず本線らしき道を行くと土留めの木段が現れる。木段を上がっていくと建物が見えてくる。どうやら諏訪神社の建物らしい。暗い林を抜けると諏訪神社の明るい境内に出る。すると登山者らしき人がいる。ランナー以外の人に会ったのはこれが初めてだ。境内に入ると随分と賑やかだ。小さな舞台には飾り付けがされていて、大きな幟が二本立っている。近くに設けられたテント内は着替えの最中であった。どうやら奉納の舞を行うらしい。時間があればゆっくりと見ていきたいところだったが、まだ行程の半分も消化していないので、先へ進むことにした。
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(諏訪神社へ)
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(何の花だろう? →シュウカイドウというらしい)
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(大岳山と富士山)
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(ここまでは舗装)
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(木段を登る)
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(諏訪神社 舞台)
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(明治23年9月と書かれている かなり古い)
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(祭り飾り)
諏訪神社駐車場の奥から縦走路に入る。よく整備された良い道だ。整備され過ぎてもはや遊歩道みたいだ。どうも東北の山を歩くと奥武蔵のメジャールートは過剰なまでに整備されているように感じる。まあ虎秀山へのルートなんかはまだかなり山道の雰囲気を残してはいると思うが。駐車場裏手の小ピークを巻く道を進むと見慣れない看板がある。何々東京スカイツリーが見えるって?東側の伐採地から眺めると確かにスカイツリーが見える。但し奥武蔵はスカイツリーが見える所は多いので、新鮮さはない。一旦尾根上に出て、今度は越上山から南に派生する尾根を西に巻いていく。この辺りに神社があったはずだな…。すると50代くらいのカップルが神社から下りてきた。休憩する予定だった諏訪神社でゆっくりできなかったので、寄って行こう。木段を上がると小さ目な神社の建物があり、その奥には大きな岩がある。これが本来の信仰の対象だったのではないだろうか。岩の側に腰を下ろして、小手指の西友で買った調理パンを食べる。吹き抜ける風が涼しい。
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(整備された道)
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(スカイツリーが見えるそうだ)
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(スカイツリーが見える)
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(こちらは都心のビル群)
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(神社 何の神様を祀っているのかは不明)
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(大岩)
往路を戻り、次は越上山と神社のある小ピークの鞍部を越えていく。鞍部は越上山分岐となっているが、今日は寄って行かない。分岐から林道笹郷線までは尾根の南側に付けられた巻き道を進んでいく。見晴らしは無いが、とても良い道だと思う。林道笹郷線へ下りると日差しが強い。この暑さの中グリーンラインを走るのはかなりきついだろう。向かいのやや急な斜面を登る。平坦になると一本杉峠の分岐だ。ここで一旦一本杉峠方面へ向かう。緩やかに下ると大きな木が立つ一本杉峠に着く。しかし峠に立つ木は杉なのだろうか。檜のような気もするが。峠には同年代くらいの女性グループがいて、何やら地図を見て相談しているようだ。すると彼女たちのほうから「顔振峠はこちらですか?」と尋ねられる。この先の分岐を右に行けばいいと教えた。でもこんな道を上がってくる人たちなら顔振峠の場所くらいわかっていそうなものだと思うのだが。
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(越上山分岐)
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(巻き道 遊歩道のようだ)
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(林道笹郷線)
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(堂平山を望む)
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(一本杉峠)
峠からまずはジグザグの下り。この辺がちょっと峠っぽさを感じさせる。途中建設中の鉄塔が目に入る。あれって、前に見たハゲ山の辺りじゃないか?ジグザグが終われば緩やかな下りとなる。下りきった小さな鞍部がカイ立場。西には二本の道があって、尾根に沿う道は鼻曲山方面、沢道は笹郷線に出る。東側は一本道で、下っていくとさらに峠のようになっている所に出る。以前歩いたはずなのだが、ちょっと道を忘れていた。やや藪っぽい斜面を斜めに下っていく。平坦な所に出ると道が三本に分かれる。地形図だと獅子ヶ滝方面と愛宕山方面の二本だが、さらに滝ノ入方面への道もある。
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(建設中の鉄塔)
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(カイ立場の道標)
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(一段下の分岐 愛宕山へは道なりに進めばいい)
愛宕山方面に入るとすぐに建設中の鉄塔がある小ピークが見えてくる。愛宕山へ行くのは無理かとも思われたのだが、確り迂回路が設けられていた。小ピークを北に巻くと緩やかな下り。最初ははっきりとした道だが、次第に藪に覆われるようになる。蔓科の植物に行く手を阻まれつつも立木に愛宕山入口と書かれた赤テープを見つける。右手には下る道があり、地形図に描かれている本来の破線路なのではないかと思う。愛宕山へは雑然とした歩きにくい道を行く。植林よりも雑木が多く、木の実も結構実っていた。蔓を避けながらも踏み跡を辿ると樹木に覆われた愛宕山(393.8)の頂上に着く。三角点と山名標だけの地味な山頂だ。山頂付近には枝分かれした広葉樹の大木が数本ある。奥武蔵はあまり人の入らないルートのほうが意外な発見がある。
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(建設中の鉄塔 以前はハゲ山だった)
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(藪道)
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(愛宕山入口)
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(木の実)
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(愛宕山のプレート)
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(大木)
当初の計画では愛宕山からは往路を戻ってユガテへと向かう予定だった。しかし気温が高いので獅子ヶ滝で涼みたいと思った。そこでこのまま阿諏訪方面へ下ってみることにした。愛宕山から東にある小ピークの間からは東京スカイツリーの眺めが良い。境界標の立つ小ピークから先は急な斜面。新ハイキングの記事にあるとおり、所々赤テープがある。このまま赤テープを辿って順調に下り…と言いたいところだが、途中でテープを見失ってしまった。地形図とも整合しない下りのような気がするし、もう面倒なので往路を戻ることにした。暑さで体調も悪かったし、ここでのタイムロスは痛かった…。
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(ここでもスカイツリーが見える)
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(カイ立場にある熱いメッセージ)
カイ立場、一本杉峠と戻り、グリーンライン近くの分岐まで戻ってくる。ここからユガテへの分岐であるエビガ坂までは高麗川左岸の主尾根を進んでいく。この辺りは人通りが多い。分岐からすぐにグリーンラインへ下りられる所があり、獅子ヶ滝への分岐が延びている。尾根を登り返すと林道掘削の関係で眺望が得られる。大高山や奥多摩方面の眺めが良い。以前歩いたときはこの辺りの道がとても歩きにくいように感じた。しかし今はむしろよく整備された道だと感じる。それだけ山の経験を積んできたのかもしれない。積み重ねてきたのは体重と年月だけではなかったのだ。通行止めの措置が何年も取られている鎌北湖への道を見送り、エビガ坂に着く。あまり鞍部という感じではない。
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(獅子ヶ滝分岐 道は良さそうでした)
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(展望が得られる所)
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(奥多摩方面)
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(左端は大高山)
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(尾根道 以前よりも歩きやすく感じる)
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(通行止、と書かれているが、実際には通行注意の意味らしい)
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(岩が露出する)
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(エビガ坂)
エビガ坂からユガテへは緩やかな歩きやすい道が延びる。軽快に下り、またグリーンラインへ出る。正面に山道が延びているが、左手に見えるカーヴの辺りにもユガテと書かれた看板がある。その看板の前を曲がると砂利道の私道が延びている。あぁ、この道以前歩いたことがあるな。左手が開けてくれば、ユガテは近い。クルマの入口脇にはベンチがあり、ここでも登山者が休憩している。林を抜けると民家があり、農地が広がっている。あまり広い所ではないが、いつ来ても荒れた雰囲気はない。農具小屋の前にベンチがあるので、ここで休憩を取る。木陰のベンチは多くの登山者で占められていた。暑いが我慢するしかない。ザックを置いて、柚子を一袋買う。まだちょっと早い感じだ。
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(エビガ坂を下る)
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(ユガテに咲く花)
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(柑橘類)
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(ユガテの農地)
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(ユガテの広場)
ユガテから飛脚道へはそのまま農地を抜けていく。砂利の車道を進むと飛脚道の入口だ。大きな道標があり、わかりやすい。まずは西川木楽会が整備するユガテの森に入る。山仕事用の小屋やテラスなどがあり、道も広い。山奥という雰囲気はない。西川木楽会のきのこ山を過ぎると道が細くなる。ただあまりアップダウンがないので、歩き良い点は変わらない。小ピークを過ぎると橋本山の見晴台・男坂方面と女坂方面の分岐に出る。もちろんここは見晴台へと上がる。分岐からすぐで見晴台(321)に出る。以前来たときと変わらず眺めが良い。いやあのときよりも良いくらいだ。前回は黄砂が酷くて正直眺めが悪かった。今回は右から武甲山・武川岳・大持山・小持山をバックに伊豆ヶ岳・古御岳が望める。そこから左に目をやると子の権現のピークの左に大高山が大きく迫る。子の権現のピークの手前に見えるのが虎秀山だ。さらに左に行くと山頂部の樹木が薄い天覚山、そして背後には薄らと大岳山や大山などが見える。山頂にはベンチが数脚あり、初老の男性が煙草を吹かしていた。屋外で吸っている分にはあまり煩く言う気にはならない。ただ預金通帳を広げてみているのはどうかと思う。こっちも気まずいので。
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(森のテラス)
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(橋本山から 奥は大持山・小持山と武甲山 その手前は伊豆ヶ岳・古御岳)
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(左は大高山 右奥は子の権現 手前の鋭鋒が虎秀山)
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(大山と丹沢山地)
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(天覚山 左背後は大岳山)
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(右は二子山だろうか)
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(橋本山のパノラマ)
橋本山からは急なジグザグの短い下り。鞍部へ下りてくるとすぐに雨乞塚への分岐がある。この辺りちょっと藪が濃い。藪っぽい道を進むと檜に覆われた雨乞塚に着く。もちろん見晴らしはないのだが、それ以上に荒れた感じになってしまった。橋本山との鞍部はちょっとしたピークになっていて、その巻き道を進むと尾根道に戻ることができる。整備されたなだらかな道を行くと鉄塔のピークの手前で福徳寺への分岐に差し掛かる。尾根道は前回歩いているし、今朝福徳寺への道を少し歩いたので、ちょっと寄ってみたくなった。
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(雨乞塚)
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(福徳寺分岐)
福徳寺へは急だが整備された良い道が続く。眼下に集落が見えてきた。右に曲がると福徳寺の境内に出る。トイレと水道が整備されていて、下山後装備を解くには良い所だ。禅寺のようだが、本堂は固く閉ざされていた。本堂の前には阿弥陀堂があり、国指定重要文化財となっている。まあ本堂のほうが趣があるような気はするのだが。福徳寺周辺は意外と民家が多く、近くにある養鯉場はお客さんも来ていて、思ったよりも賑わいがある。国道へ出ると連休と言うこともあってか、かなり交通量は多い。国道を渡り、ひとのぼりすると東吾野駅だ。時計を見ると14時近い。もう少し早く下って来られそうな気もしたのだが。やっぱりダイエットしなけりゃダメか。20分ほど待って電車に乗り込む。車内は連休の行楽客を乗せて満員の状態であった。
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(福徳寺)
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(阿弥陀堂)
DATA:
東吾野駅6:58~7:57虎秀山~8:09興徳寺分岐~8:55井上地区分岐~9:00虎秀分岐~9:15阿寺地区~9:34諏訪神社~
10:12林道笹郷線~10:20一本杉峠~10:30カイ立場~10:37獅子ヶ滝分岐~10:48愛宕山~11:17カイ立場~12:16エビガ坂~
12:30ユガテ12:43~13:01橋本山~13:16雨乞塚~13:23福徳寺分岐~13:32福徳寺~13:49東吾野駅
参考図書 新ハイキング 689号(2013年3月号)虎秀山-愛宕山
地形図 飯能 越生
歩数 28,630歩
虎秀山から阿寺の間は奥武蔵の一般的なルートと変わりません。但し虎秀山の入口にちょっと問題があるので、一般ルートとして紹介するのは抵抗があります。
愛宕山は藪っぽいですが、ここも一般的なルートと言ってよいと思います。阿諏訪方面へ下るのであれば、愛宕山入口まで戻ったほうがよいでしょう。
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