パイプふかして、サックス吹いて

人生の大半を終え、思い返せばなんと種々雑多な生業で食べてきたのだろう、そんな半生を思い出すままに。

バンドマン一年生

2010-01-30 16:09:55 | 日記

前述のジャズ学校は一年程で勝手に終了。

知人の紹介で電通通り、土橋脇の現在リクルートが在る場所にあったショーボートという名前のキャバレーの専属バンドに4thSAXとして入団。
 
二百曲以上あるパート譜を次々と初見で演奏するのは、ほやほやの一年生には半分もついていけない。 
 
前からいる三人のサックス先輩は気持ちよさそうに演奏を楽しんでいる、毎日楽譜を少しずつ持ち帰り練習した。
 
難しいところでも楽器を構えマウスピース(唄口)は口から離さない、客や店のオーナー等にはしっかり演奏している様に見せなくてはならない。
 
日が経つにつれ、慣れと教則本で勉強した効果が出てくるのだ。

この世界では店とバンドとはバンマスかマネージャーが何人編成かで店と契約するので、メンバーが休むときは自分と同じキーガ(バンド用語で楽器)で同程度の技量のラート(トラ=エキストラ)を自前で雇って補充しなければならない。
 
どうしてもラートが見つからない時は、窮余の一策でタチンボ(殆ど演奏出来ない者に楽器を持たせてステージ上でメンバーを装う)を雇う。

員数合わせだ。ちなみにプロ楽士一年生の初月給は九千円
 
当時の大卒の初任給とほぼ同じだった。

頑張って一人前に成ればこの程度のバンドでも年齢に関係なく3~4倍のネーカ(かね)は稼げた。 
                                  次回に続く。


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