務のよしなしごと

ハンプトン・コート宮殿の人々(完成時期未定)
「オペラ座の怪人」勝手に解説
住んでいる近辺の紹介

「オペラ座の怪人」第1幕 第8場 -2

2021-07-31 | 趣味

※当ブログのシステム設定により、行途中でのスペースが意図したとおりに表示されないことがあります。英語の台詞や歌詞及び和訳ではおかしな表示が現れることになりますが、ご容赦ください。

支配人たちとシャニュイ子爵=ラウルが届いた手紙について話をしているところに、カルロッタとピアンジが大そうな剣幕で部屋に入って来る。カルロッタもまた手紙を手にしている。

####################

CARLOTTA:(カルロッタ)
Where is he?      彼はどこなの?

ANDRÉ: (アンドレ)
Ah, Welcome back!       あぁ、お帰りなさい。

CARLOTTA:(カルロッタ)
Your precious patron - where is he?       あなた方の大事なパトロン、彼はどこなの?

RAOUL:(ラウル)
What is it now!       今度は何だ!

CARLOTTA (to RAOUL):
I have your letter - a letter which I rather resent!       あなたの手紙よ。私が憤慨しているのは。

FIRMIN:(フィルマン、ラウルに)
Did you send it?       あなたが出したのですか。

RAOUL:(ラウル)
Of course not!       もちろん、出していない。

ANDRÉ:(アンドレ)
As if he would!       彼ならやりそう。

CARLOTTA:(カルロッタ)
You didn't send it?       出していないですって?

RAOUL:(ラウル)
Of course not!       もちろん、出していない。

FIRMIN:(フィルマン、カルロッタに)
What's going on...!      どうしたというのですか。

CARLOTTA:(カルロッタ、ラウルに)
You dare to tell me that this is not the letter you sent?!       これはあなたが出した手紙じゃないって言うの?

RAOUL:(ラウル)
And what is it that I'm meant to have sent?       で、私が出したとされるものはどんなものなんだ?

(ラウルはカルロッタから手紙を取り上げる。カルロッタはラウルが出していないと言い張るので、では誰が・・・という表情で右隣にいるピアンジを見る。ピアンジは彼の右隣にいるアンドレを・・・、アンドレは右隣のフィルマンを次々に見る。フィルマンは右隣の・・・人物がいないので右下の床を見る。ここで客席から小さな笑いが起こる。ラウルは取り上げた手紙を読み始める。)

'Your days at the Opera Populaire are numbered. Christine Daaé will be singing on your behalf tonight.
「お前のオペラ座での実績は過去のものになった。クリスティーン・ダーエが今夜お前の代わりに(主役で)歌う。
Be prepared for a great misfortune, should you attempt to take her place,'
もし彼女の役を取り上げようとするなら、大きな災いに備えておくがいい。」

※クリスティーンが主役を務める(と怪人が言っている)出し物は、「イル・ムート」というオペラ。初演からクリスティーンが主役を務めるよう怪人が示唆しているのである。「イル・ムート」はロイド・ウェバーがこのミュージカル「オペラ座の怪人」の中で使うためにモーツアルトの「フィガロの結婚」をモチーフに作った架空のオペラ(ウィキペディアより)であり、もちろん一つのものとして完結したものではない。

ANDRÉ/FIRMIN:(アンドレとフィルマン)
Far too many notes for my taste - and most of them about Christine! All we've heard since we came is Miss Daaé's name...
手に負えないほど多くの手紙だ。そしてほとんどがクリスティーンについて。我々がここに来てから耳にするのはダーエさんの名前ばかり。

(ここでマダム・ジリーが娘のメグを連れて登場。)

GIRY:(マダム・ジリー)
Miss Daaé has returned.       ダーエさんが戻りました。

FIRMIN:(フィルマン)
In which case I think our meeting is adjourned.       そういうことなら我々の話は中断ということに。

ANDRÉ:(アンドレ)
Where precisely is she now?       彼女は今どこに?

GIRY:(マダム・ジリー)
I thought it best that she went home...      彼女には帰宅してもらうのが一番だと考えました。

MEG:(メグ)
She needed rest.       体を休めることが彼女には必要なの。

RAOUL:(ラウル)
May I see her?       彼女に会えるだろうか。

GIRY:(マダム・ジリー) No, Monsieur, she will see no-one.      いいえ、彼女は誰にも会わないでしょう。

(これを聞いたカルロッタは主役は自分が・・・と思ったのか・・・)

CARLOTTA:(カルロッタ)
Will she sing? Will she sing?       彼女は歌うの?

(マダム・ジリーはこれには答えず・・・)

GIRY:(マダム・ジリー)
Here, I have a note...       ここに手紙を持ってきました。

RAOUL/CARLOTTA/ANDRÉ:(ラウル、カルロッタ、アンドレ)
Let me see it!       それを見せて。

(カルロッタたちが手紙を取り上げようとすると、マダム・ジリーはそうはさせまいと手紙を右手で頭上に上げる。彼女の後ろにいたフィルマンがタイミングよくそれを取り上げる。)

FIRMIN:(フィルマン、手紙をマダム・ジリーから取り上げて)
Please!       静かに!

(フィルマンは手紙を読み始める。)

FIRMIN:(フィルマン)
'Gentlemen, I have now sent you several notes of the most amiable nature, detailing how my theatre is to be run.
「皆さん、最も友好的な表現を使って私の劇場がどのように運営されるべきかいくつか手紙を差し上げてきましたが、
You have not followed my instructions. I shall give you one last chance...'
あなた方は私の指示に従ってはくれませんでした。最後のチャンスを与えることにしよう。」

(徐々に怪人の声がフィルマンの声に重なっていく。)

PHANTOM'S VOICE:(怪人の声)
Christine Daaé has returned to you, and I am anxious her career should progress.
「クリスティーン・ダーエがお前たちのところに戻った。で、私は彼女のキャリアが積まれていくことを願っている。
In the new production of' Il Muto', you will therefore cast Carlotta as the pageboy, and put Miss Daaé in the role of Countess.
新作「イル・ムート」で、お前たちはカルロッタを小姓役にし、クリスティーンを伯爵夫人役にするように。
The role which Miss Daaé plays calls for charm and appeal. The role of the Pageboy is silent - which makes my casting, in a word, ideal.
クリスティーンの役は魅力と表現力が求められる。小姓役はセリフがない。私の配役は一言で言えば理想的である。
I shall watch the performance from my normal seat in Box Five, which will be kept empty for me.
私はいつもの5番ボックス席から見ることにしよう。そこは私のために空けておくように。
Should these commands be ignored, a disaster beyond your imagination will occur.
これらの要求が無視されるならお前たちの想像を超える災難が起こるであろう。

FIRMIN:(怪人の声に重なっていたフィルマンの声が徐々に大きくなり、手紙を読み終える)
I remain, gentlemen, your obedient servant, O.G.'
お前たちの従順なる僕(しもべ)、O.G.(Opera Ghost = オペラ座の怪人)」
####################