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宮部みゆきさんの『希望荘』を読みました。
時期的に考えてもこれが今年最後の読書記録になります。今年最後の読書記録が宮部作品。しかも「待ってました!」の杉村三郎シリーズです。第4弾。本当に待ってたの。
妻と離婚し、愛娘と別れて暮らすことになった杉村。今多コンツェルンでの仕事も手放した彼の新しい「第二の人生」は、生まれ故郷の山梨の田舎へ一旦帰るのだが、再び東京へ戻って探偵事務所を開くことになる。ある日、「昔、人を殺した」という告白を残した亡くなった父のその真偽のほどを調べてほしいとの依頼が舞い込んだ。母の不倫による離婚後、父と再会するまで30年の空白があったという依頼人に、自分の人生と重なる部分を感じた杉村は、35年前の事件を調べることになるのだが……。
杉村三郎。彼は間違いなく「良い人」です。これまでの3作でも感じていたことだけど、本当に良い人なんです。こんなに良い人だと損な人生になっちゃうんじゃないかと心配になるくらい。あ、もう「妻の不倫からの離婚で仕事もなくなっちゃった」という目にあっていました。
本作は表題作のほかに「聖域」「砂男」「二重身(ドッペルゲンガー)」の4編が収録されています。短編なのかもしれないけど、どれも読みごたえが凄くて、長編作品を読んでいるかのようでした。
宮部さんの作品を読んでいつも感じるのは、視線の描写が巧みだなぁ、ということ。表情も顔の向きも変わらなくても、視線のちょっとした動きを捕まえる表現が憎い。こういうのに出会うと、読書をしている最中なのに「はぁ~!」と声が出てしまうのです。今回もこれの連続ですよ。だからグイグイ引き込まれるのだけど。
そしてやはり触れないでいられないのは「二重身(ドッペルゲンガー)」。事件は3月11日のことと深く関係します。「東北へ行ってくる」と言い残して安否不明になった雑貨店店長と、彼を取り巻く人々と「事件」の真相。悲しいけれど真実が分かって本当に良かったと思った作品でした。
今年もたくさん面白い小説が読めて楽しかった。来年はどんな面白い作品と出会えるのか、楽しみでならない!
時期的に考えてもこれが今年最後の読書記録になります。今年最後の読書記録が宮部作品。しかも「待ってました!」の杉村三郎シリーズです。第4弾。本当に待ってたの。
妻と離婚し、愛娘と別れて暮らすことになった杉村。今多コンツェルンでの仕事も手放した彼の新しい「第二の人生」は、生まれ故郷の山梨の田舎へ一旦帰るのだが、再び東京へ戻って探偵事務所を開くことになる。ある日、「昔、人を殺した」という告白を残した亡くなった父のその真偽のほどを調べてほしいとの依頼が舞い込んだ。母の不倫による離婚後、父と再会するまで30年の空白があったという依頼人に、自分の人生と重なる部分を感じた杉村は、35年前の事件を調べることになるのだが……。
杉村三郎。彼は間違いなく「良い人」です。これまでの3作でも感じていたことだけど、本当に良い人なんです。こんなに良い人だと損な人生になっちゃうんじゃないかと心配になるくらい。あ、もう「妻の不倫からの離婚で仕事もなくなっちゃった」という目にあっていました。
本作は表題作のほかに「聖域」「砂男」「二重身(ドッペルゲンガー)」の4編が収録されています。短編なのかもしれないけど、どれも読みごたえが凄くて、長編作品を読んでいるかのようでした。
宮部さんの作品を読んでいつも感じるのは、視線の描写が巧みだなぁ、ということ。表情も顔の向きも変わらなくても、視線のちょっとした動きを捕まえる表現が憎い。こういうのに出会うと、読書をしている最中なのに「はぁ~!」と声が出てしまうのです。今回もこれの連続ですよ。だからグイグイ引き込まれるのだけど。
そしてやはり触れないでいられないのは「二重身(ドッペルゲンガー)」。事件は3月11日のことと深く関係します。「東北へ行ってくる」と言い残して安否不明になった雑貨店店長と、彼を取り巻く人々と「事件」の真相。悲しいけれど真実が分かって本当に良かったと思った作品でした。
今年もたくさん面白い小説が読めて楽しかった。来年はどんな面白い作品と出会えるのか、楽しみでならない!