先生から、
「ごはんちょうだい。」
と声を掛けられ、私の隣に座っている先輩から
「あ·い·し·て·る♡」
ならぬ、
「ご·は·ん♡」
と口の形での指示を受け、門下生初日にしていきなりの大役を仰せつかった私は、炊飯器の前に立ち、しゃもじを握りしめた。
「・・・なんか大袈裟だね〜(笑)」
と思ったそこのアナタッ!
人の気も知らないでっ!
一生シャモジで埋蔵金でも掘り起こしてろっ٩(๑`^´๑)۶プンプン
先生の茶碗にご飯をよそった直後、様子を見についてきていた角刈りメガネ先輩が、私の手から茶碗を引ったくり、
「こんな押さえつけたらダメだよ!もっとフワッとよそわんと。」
と言いながら、茶碗をお釜にひっくり返してしまった。
(コノヤロー!そのメガネ、寝てる間に某過激パフォーマンス集団のモノと変えてやるっヽ(`Д´)ノプンプン)
そんな2度目のプンプンを抑えつつ、茶碗にご飯をよそい直した。「フワッ」を意識して。
(意外と素直(•ө•)♡)
それをまた過激メガネに変身する前の角刈りメガネが、自分の手柄の如く先生の前に差し出した。
「どうぞ」
先生は少しの間ごはんを眺め、
「多いのぉ、アンタ食べぇ。」
と角刈りメガネの皿に半分ほど移していた。
ザマミロ( ̄ー ̄)ニヤリ
「みんなも食べぇ。」
と言う先生からのお言葉を受け、
「いただきますっ!」
門下生が一斉に炊飯器の前へ。
隣に座るボウズ先輩が私のご飯をよそってくれた。
(オイッ!まんが日本昔ばなしかっ!)
というくらい盛られていた。
それを自分の席に持っていくと先生が
「・・・やるのぉ〜。」
珍しい生き物でも見るかのような目で、昔ばなし盛りを見ながら笑っていた。
これから数年後に聞いた話しだが、歴代の門下生もたくさん食べていたらしく、たまに連れて行って下さるホテルや旅館での晩ごはんは、おひつから直接食べていたらしい。
(実際にやろうとしたら、「こういう高級なところでそんな下品なことをしたらいけん!」とご指摘されてしまったが・・・)
井本整体では通常、
「たくさん食べることは良くない。体が強張り、年寄りはたくさん食べる人ほどボケる。(頭の働きが鈍るらしいですよ。)」
と言われるが、門下生は相撲取り並みにもう入らないというくらい食べる。
「食べ方は、その人の生き様じゃ。」
・・・そんなようなことを先生は仰っていた。
奥が深い。
この時を境に、私はたくさん食べるようになる。
当時 一番体重があったボウズ先輩が97キロ。
私は最初、75キロだったので、ボウズ先輩からよく、
「冨永さんは身長もあるし、100キロなんか余裕で超えるでしょ。ニヤニヤ」
と挑発されていたので、乗りやすい私は笑顔で
「任せてくださいっ!イライラ」
と返していた。
実際、最終的には100.4キロまでいき、今のところ門下生史上、最重量記録を保持している。
(今はもう、そんなにありません(TдT))
世間では、栄養、栄養と言って体が要求していないモノまで一生懸命食べてしまう。(〇〇品目食べなきゃ!というように)
子供を持つ親は、もったいないからと子供の残り物までせっせと胃に詰め込むこともあるのでは?
体の要求を無視してしまうと、栄養を吸収するどころか、逆に、どんどん捨てていって(排泄して)しまう。
ではどうすれば良いのか?
美味しいものを、美味しく食べる。
胃が喜び、しっかり消化吸収する。
すると不思議なことに、次の日の朝にはお腹が空いている。
これは門下生の時分、先生から教えていただいたこと、そして、自分で体験したことである。
最近はテレビや雑誌等でも様々な情報が氾濫し、アレもコレもと翻弄される傾向にあるが、自分の身体の声に耳を傾け、その要求に素直に従って生きる。
これこそが今の時代、とても大切なことではないだろうか。
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