ホームグラウンドの王禅寺で初ナイターにチャレンジしてきました。ナイターといってもナイター券ではなく、夕暮れから営業時間終了にかけての3時間券での釣りです。
今回の釣り方は、普通のスプーン用のタックルに縦釣り用のルアーを使用したネオスタイルの変則的な釣り方です。
私は、ネオスタイルのロッドが好きではないので、ごく普通のスプーン用のロッドでネオスタイルの縦釣り用のルアーを使う釣りをすることが多いのです。
スプーン用のロッドでも、ネオスタイルのロッドとそんなに遜色なく数釣りをすることが出来ます。但し、数釣りをするためには相当の知識と経験を必要とします。
ネオスタイルの縦釣りがなぜ爆釣するのか。その答えは、ペレットを意識した小粒のルアー、そしてPEラインとロッドの高感度によるところが非常に大きいのです。ネオスタイルのロッドは、スプーン用のロッドとは比較にならない高感度を実現しています。
感度重視のファーストテーパーのロッドです。カンツリ用のロッドでファーストテーパーのロッドはほとんどありません。しかも、リールシートがなく手元にダイレクトにアタリが伝わってくるようにしています。カッコ悪いのは、リールシートがないのでリールをゴムテープみたいのでクルクル巻いて固定します。
実釣の際には、ロッドの尻栓は外して使います。ネオスタイルのロッドは中が空洞になっています。尻栓を外すことにより、管楽器のようにロッドの中でアタリなどの振動が共鳴し振幅が大きくなるので、よりアタリが手元に伝わりやすくなっています。
ネオスタイルは超高感度を実現したタックルです。
手元に伝わってくるアタリだけでも、スプーン用のものとは比較にならないのですが、それだけではありません。上級者になると、ラインを見て釣っているのです。
手元に伝わらないアタリがラインには出るのです。例えば、フォール中にラインが引き込まれる、ラインの沈みが止まる、ラインがたるむ、などは全てアタリです。これらはまだ手元にアタリが伝わる前のアタリです。
魚がルアーを加えている時間は、コンマ数秒ともいわれています。ネオスタイルのルアーは、ペレットを意識したルアーですが、所詮金属片です。魚はバイトしても遺物と感じて一瞬で吐き出してしまいます。そこで、細かいアタリをとって電光石火のアワセをいれる必要があります。
手元でガツンとアタリをとって釣るのは誰にでもできます。ラインを見てアタリを判別するのは相当の経験が必要になります。ここまで来てしまえば超爆釣の域に突入します。魚がいれば、一投一尾の割合で釣れてきます。但し、ラインでアタリ判別できるか否かにかかっています。
ラインを見てアタリを確認するのが難しいのであれば、トップガイドを見ればよいのです。トップガイドの微妙な動きでも手元に伝わらないアタリが数多くあります。ナイターではラインが見えないので、街灯などによりトップガイドの見える位置にロッドを構えればよいのです。
ネオスタイルのウンチクを書いてきましたが、私はネオスタイルのロッドが好きではないので、自己流の縦釣りで釣っています。しかし、その源流はネオスタイルのコンセプトです。ネオスタイルの原理が理解できてしまえば普通のカンツリ用のロッドでも超爆釣します。
では、スプーン用のロッド(XUL)でネオスタイルのルアーを使った王禅寺ナイターの実釣と釣り方を以下に書いてみます。
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午後5時00分実釣開始。
夕暮れ時の闇夜が迫る時間帯で、辺りは薄暗い感じ。
1投目からゲット。いきなり超爆釣モード!
何故か、アルビノが1投目から3投目まで3連続ゲット!
こんなことってあるんですか?
● アルビノ
しばらくして、モンスター級がヒット!
突然突っ走りドラグが止まらない。ロッドはフニャフニャのXULでラインが太くないのでドラグを締めるとブレイクしてしまう。アングラーがたくさん並んでてお祭り騒ぎになったら大変。30メートルくらいアングラーの前を突っ走って行った。これはやばいことになったと思った。ラッキーにも誰ともラインが絡まなかったのが不思議。
30メートル一気に突っ走ってようやく止まり、そこから5分くらいやりとりをして正体を見た。やけにデカいイトウであった。釣りあげて測ったらジャスト60センチ。
● 60センチジャストのイトウ 大物記録更新!
魚との闘いで、魚がかなり傷ついてしまった。
アングラーが沢山いる時は、他のアングラーとのトラブルを避けるため、こういう場合はラインを自分で切ってしまうのが紳士的釣り方だ。
最初の1時間で29匹ゲット!
闇夜になりアタリがなくなったので、ルアーをグロー系にチェンジ。再度超爆釣モードに突入!
ナイターはグロ一系のみでOK。毎回面倒でもグローライト(ブラックライト)をルアーにあてて発光させ、ルアーの存在を魚にアピールする。ネオスタイルのグローライトが強力でよい。
当日の釣り方は以下のとおり。
ルアーを15メートルくらい投げて、着水したらロッドを上向きに構え、デッドスローでリールを巻きながらボトムまでルアーを落とす。ボトムに着底する前にバイトがあればアワセる。
ボトムに着底したら、リールのハンドルを1回転させて3秒ステイ。この動作を足元まで繰り返す。
巻きフォールとボトムのデジ巻きをミックスさせた釣り方になる。
このとき一番肝心なことは、トップガイドとルアーが一直線になってテンションをかけて常にラインを張った状態にしておくこと。これができていないと数釣りはできない。
日中はラインを見てアタリを確認する。ナイターではラインは見えないので、トップガイドを見てアタリを確認する。
ナイター用の照明灯と照明灯の真ん中方向にロッドをもってくると、トップガイドが見える位置がある。トップガイドが見やすい位置を探してロッドを構える。
トップガイドをよ~く見ていると、魚のバイトによりガイドが微妙に動いているのが分かるようになってくる。このとき、手元にはアタリは伝わってこないが、魚は確実にルアーをバイトしている。
トップガイドがほんの少しでも微妙に動いたら、電光石火でアワセる。
手元にアタリがないのに、レギュラーサイズのレインボーがウソみたいに釣れてくる。
● レギュラーサイズ25センチ弱のレインボー
トップガイドが数ミリ程度お辞儀をするようなパターンが一番多い。
ラインにテンションをかけていないとトップガイドは全く動かない。糸ふけがあったら全く動かない。従って、ラインテンションを常にかけている必要がある。
手元に伝わってくるアタリはほとんどない。しかし、魚はルアーをバイトしている。アタリが手元に伝わってこないだけのこと。
手元に伝わってくるアタリより、ラインやトップガイドだけに出るアタリの方が遥かに多い。そのアタリを逃さずに釣ることにより数釣りが可能になる。
この釣り方で、ほぼ投げる度にアタリが確認でき爆釣となった。
途中、ライントラブルで15分間のロスタイム。
午後8時00分になり納竿。
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以上、当日の実釣の模様を解説付きで書いてみました。
釣果
3時間で62匹
内40センチクラスのレインボー5匹と60センチジャストのイトウ)
最初の1時間は29匹(2分に1匹の割合)
残りの2時間で33匹
1時間で29匹というのは投げる度に釣れているペースです。
私の釣り方は、本来のネオスタイルの縦釣りとはかけ離れたものです。それでもこんなに釣れてしまうのです。
何故縦釣りがよく釣れるのかその理屈が理解できれば、縦釣り用のロッドやラインシステムでなくても、スプーン用のロッドでネオスタイルのルアーで数釣りができます。
当日、私の使用したロッドは、軽量スプーン用のXULという非常に柔らかいものです。ネオスタイルのロッドとはまるで違います。ネオスタイルのロッドでなくても、そこそこの釣果は出るのです。
当日のタックル
ロッド シマノ CARDIFF 60XUL
リール ダイワ EXIST2003C
ライン バリバス AREA Master Limited NYLON 3lb
リーダー ネオスタイル Marker Leader 3lb
当日のナイター用使用ルアー ネオスタイルのキメラ
私は、この釣り方を自分で試行錯誤の上あみ出したので「コゲスタイル」と呼んでいます。ネオスタイルの応用といえば聞こえがよいですかね。
日中でもこの釣り方で勿論釣れます。日中ではラインを見てアタリを確認するので、ナイターよりさらに釣りやすくなります。ラインにアタリが出てからトップガイドにアタリが出るからです。
但し、コゲスタイルをマスターするには、相当のコツと経験を要します。もしかすると、ネオスタイルよりコゲスタイルの方がマスターするのに難しいかもしれません。コゲスタイルは、私が考案した非常に変則的な釣り方です。ただ単に数釣りをしたいのであれば、本来のネオスタイルをお勧めします。
コゲスタイルをマスターしても、ネオスタイルの上級縦釣り師には数釣りでは敵いません。一般的には、コゲスタイルはネオスタイル上級者の3分の2くらいの釣果と考えてください。
余談になりますが、当日、同時に横に入ったネオスタイルの縦釣り師より私のゲットペースの方がよく、その縦釣り師は気を悪くしたのかそそくさと場所移動してしまいました。たまたま運がよかったのでしょう。
スプーンで釣れないときに、コゲスタイルをマスターしておけば、退屈しないで一日中釣りが楽しめます。そして、一番のメリットは、スプーン用のロッドのままでよいということに尽きます。
ラインとルアーのリング直結ではなく、スナップでも大丈夫です。但し、ラインブレイク回避のためダブルユニノットで結束することをお勧めします。ルアーロストや大物バラシはショックですからね。
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コゲスタイルとは(まとめ)
①スプーン用の通常のタックルを使用する。
②ルアーはネオスタイルのものを使用する。
③ラインは3lb基準で種類は何でもよいが最初はナイロンが使いやすい。
④ネオスタイルのマーカーリーダーを付けると釣果アップ。→ リーダーが情報を伝えてくれる。
⑤ルアー着水直後リールを早めに1回転巻く。→ 魚にスイッチをいれるため。
⑥ロッドを上向きに構えて巻きフォール。 → バイトらしきものがあればアワセる。
⑦ルアーが着底したら足元までボトムのデジ巻き。
⑧ボトムのデジ巻きの基本は、リール1回転で3秒ステイとし、あとは状況により応用。
⑨マーカーリーダーをよ~く見て何らかの変化があったら電光石火のアワセを入れる。
⑩マーカーリーダーが一瞬たるむケースが一番多い。
⑪手元にアタリがでる前にアワセる。→ これが一番重要。
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一時間で約30匹のペースで釣れれば「コゲスタイル」完璧マスターです!
このペースで釣れるようになれば、ネオスタイルの上級者並に釣れます。
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※ナイターでトップガイドを見てアタリをとる場合には、穂先が柔らかければ柔らかいほどよい。魚がバイトしたときに違和感を与えないため。
※ロッドを上向きに構えるのは、デッドスローで巻くので、ルアーが早くボトムに着底するのを防ぐためと、ラインに常にテンションをかけておくため。
※リーリング中は、右手の親指を立てて釣ること。親指を立てる理由は、親指を立てることによりロッドを無意識に強く握ることが出来なくなるため、細かいアタリがとれるようになる。また、強く握らないので疲れないし腱鞘炎になることもない。
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こうして書いていると、コゲスタイルは簡単じゃないですね。おそらくネオスタイルの方がはるかに簡単で釣れるような気がしてきました。
何故ならば、ネオスタイルは基本的にロッドの感度でアタリをとりますが、コゲスタイルではロッドではなくライン又はナイターではトップガイドでアタリをとるところが大きく異なるからです。どう考えてもロッドでアタリとった方が簡単に釣れるに決まってます。
コゲスタイルの最大のメリットは、スプーンで釣れなくたった時間帯などに、スプーンで釣っていたロッドのままネオスタイルのルアーにチェンジするだけで釣れるので、退屈にならないということです。
ちなみに私の基本形はスプーニングです。