道東を発見する旅 第3の人生

東京オリンピックの開会式で日本は終わる、合理的な利他主義

毎日、テレビをつけると、コロナウイルスの感染者情報をやっています。

この騒ぎがおさまるのか、あるいはもっとひどくなるのか、全く予想がつきません。

病気の深刻さや感染経路など、未だに全くわかっていないままなので不安を感じます。

自分は、直近の国としての課題は、この夏開かれる東京オリンピックがどうなるか、だと思います。

政府が開催すると言っていますが、本当に出来るのでしょうか。きっと、誰も自信をもって言えない筈です。

それを予感させるのが、遂に始まった会合や集会の自粛の動きです。

検査体制が確立されれば、先行きの見通しが立つのでしょうけど、国全体で1日3000件どまりのままです。

こんな時期こそ、風評に惑わされず、日本人が生きていくうえで、将来への方向を見失わないような記事を読むべきだと考えて今回のテーマを選びました。

東京オリンピックの開会式で日本は終わるという予言を紹介します。

不気味に思える予言です。これは今年の初めに行われました。コロナの肺炎の危機が叫ばれていなかった時期です。

タイトルからは、危険な感じを受けますが、実は想像もできない面白い発想です。

誤解されないように念を押しておきますが、オリンピックが開催されると国が亡びてしまうという事です。

ところが、現実は開催されるかどうかが危ぶまれている段階なのです。

だから、開催されない方が日本人にとって幸いかもしれないという、もっと深い根源的な予言です

予言をしたのは、ジャック・アタリという人です。

これまでもあれこれの予言を当てている世界的に有名な人です。

どんな人物で、これまで何を言っていたのか、まずは、4年前にネットにアップされたまとめサイトからご覧ください。

ジャックアタリとは

「ヨーロッパの知”ジャック・アタリ”の予言する21世紀の歴史」 より引用
https://matome.naver.jp/odai/2135642250190833701

ジャック・アタリ(仏: Jacques Attali, 1943年11月1日 - )は、フランスの経済学者、思想家、作家。

アルジェリアの首都アルジェ出身のユダヤ系フランス人。パリ政治学院卒業。経済学国家博士。初代欧州復興開発銀行総裁。

フランソワ・ミッテランの側近中の側近で81年から91年まで大統領補佐官。91年から93年まで初代欧州復興開発銀行総裁。

ミッテラン政権で大統領特別顧問、大統領の知恵袋と言われた

欧州開発銀行の初代総裁

サルコジ政権では構造改革のための諮問委員会委員長

ヨーロッパで要職を経験するほどの人物で決してオカルトを風潮するような怪しい人物ではない

引用終わり

最後の「オカルトを風潮する・・・・」というくだりは、予言から連想される終末期思想とかの予言ではないという事を強調しているようで、ちょっと面白いですね。

フランス政府の要人だった、国際的に活躍した人です。ちょっと前の時期であることからEUの発足から現在まで経済的側面で深くかかわっていた人だと思います。

アタリ氏は、今年の初めに日本のメディアからの招待で来日して、日本の未来について語りました。

その特集が雑誌に掲載されていたので紹介します。格調高い記事を楽しんでいただきたいと存じます。

以下、プレジデント誌2020年3月17日号、人類最高の知性・ジャックアタリの警鐘、”東京オリンピック開会式で日本は終わる”から引用します。

ブレグジットの原因はロンドン五輪

87ページから(一部は省略しています)

ロンドン大会の開会式を覚えていますか。

産業革命や国民保健サービスなどイギリスの世界的な功績を前面に押し出し、ビートルズやミスタービーンなど世界を熱狂させたエンターテインメント予想を取り込み、挙句に「007」の・・・中略、世界を席巻した大英帝国の伝統と威光、ユーモアと親しみやすさを世界に見せつけました。

あの開会式は、イギリスが第2次世界大戦以来、失っていた威信を取り戻した場と言っていいでしょう。

この見事な開会式が「大映帝国は偉大。誰の力も必要としない」という過信に繋がり、イギリスのEU離脱の引き金になったと私は見ています。

オリンピックという巨大な祭典の場で、東京が世界に向けて発信するものが、もし「日本は最高だ」の一色であれば、日本の未来は破滅的です。

逆に「国境を越えて団結できれば素晴らしい世界が待っている」というメッセージであれば、問題はありません。

ロンドン大会の開会式は、たとえ開会式そのものが素晴らしいショーであったとしても、行過ぎた自信とナショナリズムを生まないための反面教師として記憶しておくべきです。

引用終わり

ここまでの感想

面白い考え方ですね。一言で言い切ると、人間は慢心すると周りが見えなくなって失敗するという金言を日本人全体に普遍化した提言です。

今や、テレビを見ていると、あちこちの局で日本ホルホルの番組をやっています。

ホルホルとは、(主に国家・民族的な話題で)恥ずかしげもなく誇らしげに自画自賛をしている姿を揶揄する言葉なのですが、日本人のみならず、どこの国の人でも自分の国をほめられたらうれしいので、それ自体は問題になるとは思えません。

だから、日本人は偉い、と誰もが考えてしまいがちになってはいけないという話で、アタリ氏は記事の中で、日本と韓国の争いは幼稚であり、早く切り替えたほうがいいとも言っています。低レベルの争いにむきになってはいけないという事でしょう。

自分は、まだまだ日本人には余裕があると思うので、嫌韓のレベルは上がったとしても、コテンパンにやっつけてしまうというところまではいかないと思います。

ブレグジットの本質は、移民の数の多さだと思います。イギリスには世界各国から大量の移民がやってきて定住しています。

それに加えてイギリスの荒々しい時に暴力的な文化の背景が関係しているのではないかと自分は思います。

サッカーの試合で飲んで相手チームのサポーターと殴り合いの暴動を起こすフーリガンや、ラグビーにみられる荒々しい文化なども、政治的な問題にそれも大きく関係しているのではないでしょうか。

今回のパンデミックでも、当然のようにイギリスではアジア人に対する差別がメディアで報道されています。

一方、日本は、そもそも移民がそう簡単に入ってこれないような法的体制があります。

ヨーロッパと違って、難民や移民の流入が少ないうえに、昔と違い今は人々が保守的で、変化を望まないという背景があります。

アタリ氏の予言のように、オリンピックの開会式で「日本最高」と叫んでも、それで日本人が慢心してしまい、イギリスのように誤った方向にいく(多分アタリ氏はそう考えているのでしょう)事は無いと思うのですが、皆さんはいかがお考えでしょうか。

アタリ氏が日本人に提唱する2つの処方箋

この後、アタリ氏は「合理的な利他主義」と「未知なものに心を開く」の2つを日本の将来を明るくする提案としています。

以下、その1つ、合理的な利他主義について原文から引用します。

88ページから

合理的な利他主義

他者の事を顧みない利己の追及が長続きしないのは明らかです。他者の幸せを考慮してこそ自分自身も豊かになれるのです。

他者を助けることが自己を助けること、利他主義が利己の最善の方法であることを、ぜひ理解していただきたいと思います。

ここで言う「他者」とは身の回りの人だけでなく、これから生まれてくる次世代も含まれます。

次世代の利益を考えて行動することが、個人にとっても最大の利益になることを悟ることによって私たちは幸せに暮らせます。

人文知の宝庫である偉大な日本文化を広く活用し、この先も発展させることは、世界のために有益となり、日本の次世代の利益にもなります。

引用終わり

まとめ

当たり前のような話ですが、これこそが人間が生きていくうえでの王道です。周りを見渡すと、政治家でも自己ファーストの醜い人もたくさんいます。

記事では、この後、少子高齢化問題に対して、外国人労働者の受け入れは根本的解決にならない。

フランスでは第2次世界大戦後から始めていた積極的な子育て支援政策が功を奏したのである。

日本が本腰を入れるべきことは、外国人受け入れ拡大以上に、子供を産み、次世代への備えを進めるための意識改革が必要だと持論が展開されていきます。

読みごたえのある記事でした。日本の将来に対する提言で、これほど格調高くレベルの高い記事は見かけませんでした。

さて、東京オリンピックの開会式はどんな形になり、それで国民の意識はどう変わるのでしょう。

パンデミックにより、もし開催されなくなるとすれば、日本人にとって、台風や地震のようにパンデミックも、自然の脅威の一つとして受け止めれば、それもいい結果をもたらすかもしれないという、前向きの予言になるかもしれないですね。

現在のコロナウイルス・パンデミックは、直近のオリンピックだけでなく、長期的に政治や経済にどう影響していくのか、経済的に苦境に陥りそうな隣国、中国や韓国とのわが国の関係など、これからの半年は何が起こるか分からない不安定な時代になる可能性が高いことは間違いないです。

こんな時こそ、アタリ氏の言うように「自分ファースト」ではなくて「合理的な利他主義」を考えて実践できたらいいですね。

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