この先を、生きて行く

難病の子もいる日常

読書の秋2018・その1

2018-10-30 14:18:46 | 
最近読んだ本(先月)


『屍人荘の殺人』
今村昌弘/著 東京創元社

※ネタバレしないよう書くつもりですが、内容には触れますのでご注意ください。というか読む予定のある方は読まないで読んでから読んでください(クドい書き方)ネタバレに近いです↓↓↓↓↓














館ものなんだな、と思って読みました(先入観で読んだのも悪いと思っています)

・・ゾンビ、が出てきます(あれ?ファンタジー?)

・・・私は、ゾンビをよく知らなくて、何となくですが死者が生き返るのがゾンビなのかな、と思っていました。

しかしこの本に登場するのは生きている人間が薬品かなんかでゾンビになってしまったらしい(バイオテロ)。しかもゾンビになると知能も低下するらしい。バリケードがあるだけですぐには2階に上がって来れないらしいーー

館もの=推理ものとばかり思って読み進めていたので、ゾンビの登場に心が奪われてしまいました。私が知らないだけで、世の中ゾンビがそんなにポピュラーなのかとゾンビの生態も調べてしまいました

いやーー・・斬新だった!私は心のどこかで「きっとゾンビは大掛かりなドッキリで、主人公的な探偵も実は颯爽と舞い戻ってくる筈!」と思っていたのですが。

ちゃんと犯人(殺人の)もトリックもありました。ただ動機は、私は共感出来なかったかなぁ(直前まで違う人犯人と思っていました)。

この感想文載せようかどうしようか迷ったのですが、1ヶ月たった今尚色褪せない衝撃さはやはり凄いのかも・・と思い書いてみました。

賞も取られていて、まだ一作目なのですね。次作も読んでみたいです





不意打ち度

2018-08-28 15:51:12 | 

『まっくろヒヨコ』
ラスカル/文 ピーター・エリオット/絵
平岡 敦/訳
偕成社

ビトルスさんの農園で、ヒヨコが100羽うまれました。

99羽は黄色いヒヨコ。

でも、1羽だけはコーヒーみたいにまっくろでした。


自分だけがまっくろのヒヨコ。本当のパパとママは別にいると考え、探しに行く旅に出ます。道中いろいろな動物に出会い、最後にはまっくろヒヨコを待っていたパパとママにたどり着きます。

・・・私は不意打ちをくらいました(衝撃度は以前紹介した恩田陸さんの『おともだち できた?』位)

ここでこう書いてしまうと不意打ち度は半減してしまうので申し訳無いのですが、久しぶりに図書館の返却棚で見かけ「あ、読んだ方ビックリしたかな?」と思って私もまた借りてしまいました(返却棚って面白い本が割とあるので、図書館の人もシャカリキになって全部片付けないで欲しいなーんて、ね・・

作者の紹介文もちょっと面白かったですあと、見返しも(大事!)

夏に読んだ本 その2

2018-08-22 16:07:41 | 

『金魚たちの放課後』
河合ニ湖/著 小学館

※同じくネタバレしないようなあらすじ&感想を書いたつもりですが、お気をつけください







おれたちが住んでいる町はごく普通の町。でも他ではみられないとっておきの場所があるーーそう、それは金魚畑。

転校生が来る度おれたちはこの金魚畑を見せに行くのが慣習で、今日転校して来たばかりの遠藤蓮実も金魚畑をみてびっくりしていた。

そんな訳でこの町の小学校は、5年生になると授業の一環で金魚を飼うことになっている。金魚は好きだけれどおれはそれが憂鬱でならない。何故かというとーー



灰原くんは自分には負の能力があるのでは?と悩みます。そうでなければ金魚や友達、そして家族だって・・。

偶然「ある行動」を知られてしまった遠藤さんには、悩みつつも本当の気持ちを打ち明けます。それを聞いた遠藤さんはーー?

第1部はおれこと灰原慎の視点から、第2部は転校生の遠藤蓮実がその後を受けるような形で描かれています。

そして第2部。こちらは中学生になった遠藤さんのお家のことや友達関係が中心。それにプラスされて灰原くんも。1部では描かれなかった遠藤さんの気持ちもわかり、面白かったです。

灰原くんは1部ではへなちょこだった(笑)のでわからなかったけど、どうも頭が良くてスポーツが出来て格好いいらしい。金魚店で毎日金魚の世話をする灰原くんは1部から成長したなーと頼もしく感じました。

灰原くんと遠藤さんの関係は淡々としているのですが、もし続編があったら是非恋愛模様が垣間見えるお話も読んでみたいなーと思いました(私が読みたい恋愛要素は、恋愛小説ではなく、ちゃんとした主流のお話があって、そのおまけ的なもの位がいいのです

この本も表紙に惹かれて。本って表紙もポイント高いあと帯(大好き)夏のお話かと思ったらそうでもなかった、けれど手に取って読んで良かったです

あっこちらも児童書。やはり『ビューティフル・ネーム』と同じく小学校高学〜中学生かな?


2冊ともよい表紙&よいお話でした




夏に読んだ本

2018-08-22 13:59:58 | 

『ビューティフル・ネーム』
北森ちえ/著 国土社


※感想文もあります。ネタバレには繋がらない書き方をしたつもりです。が、お気をつけください






「すみっこの人」

これが中学のクラスメイトから言われている桃子の渾名。特段いじめられている訳ではなく、空気みたいな人、存在ーーそれから元・友達のことと悩みは尽きず。

そんな桃子が、夏休みに成り行きで参加することになった大学の実験教室。

そこで出会った大学院生の「ブラックさん」。謎の名前の無い石像。そして名前を付けた実験用ラットの「ピーチ」と「黒木さん」。

ひと夏・それから秋、そして数年後も描かれた物語。




題名の通り、名前がキーワードのお話。

中盤では桃子もブラックさんも本名ではなくあだ名で呼び合います。

桃子が中学で自分の名前を覚えて貰えない悩みをブラックさんに打ち明ける場面があるのですけれど、ブラックさんの返答が大人の私にもしみる。

桃子は成り行きで実験教室に行くことになった、と思っていたけど、実は偶然では無かった事やその他諸々・・周りの大人の人も素敵だな、と思いました。

それから動物実験と聞くと解剖や薬を使ったりするのかな?と思っていたので、可愛がる実験ていうのもあるんだーと面白かったです。私は理科全般苦手ですが、この本は分かりやすく書かれていて楽しく読めました(作者は理系の方みたいですね)。

ブラックさんは温厚で優しくてでも的確でいい人(そして眼鏡男子だ)。もしも続編があるとしたら、少しだけ恋愛要素のあるお話希望します


これは児童書ですが、大人も面白い。いや大人だから?一応対象年齢は小学校高学年〜中学かな?でも大人も楽しめます。私はホロリと泣きました(ちなみに我が子たちは読んでいません!私だけ)。

それから装画もよいですー片山若子さん。最初は表紙で手に取りました。が、思いがけずよい本だったので、手元に置いておきたいなぁと購入検討中。

犬がでてくる本・4

2018-06-08 09:29:51 | 
3に引き続き、元気になれる本!


『捨て犬・未来と子犬のマーチ』
今西乃子/著 浜田一男/写真
岩崎書店

未来は人間に虐待(うしろ足首が無い・目に傷)され、捨てられた犬。動物愛護センターで殺処分寸前のところで、里親ボランティア(飼い主が見つかるまでの間面倒をみる)をされていた麻里子さんに助けられました。

その後、無事里親さんが見つかり(著者の今西さん)未来は幸せに暮らしていました。が、今度は今西さん自身も里親ボランティアをすることになり、未来の家には様々な「捨て犬たち」がやって来ます。

・・・この本は未来ちゃん目線で書かれています。内容的には虐待・繁殖犬等取り扱っており悲惨なのですが、そこは未来ちゃんの持ち前のポジティブさで明るく語られており、暗い気持ちも吹き飛ばしてくれます(*^_^*)

写真も沢山載っていて、それを見ても未来ちゃんは(人間に傷付けられ捨てられたのですが)犬にも人間にもとても優しいんだなぁと感じられます。

未来ちゃんの本は他にも数冊出版されています。小学生のお子さんは夏休みの宿題の読書感想文によいと思いますよ(娘は書いていた)♪大人も楽しめる、元気になれる本です