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約700戸の住宅地の町内を一周するのに約1時間かかる。それぞれの住民の好みで植え込みの樹も違えば花壇の花々も違う。町内会を歩く楽しみは、それぞれの家人が丹精込めた花々を垣間見る事にある。午後から曇ってくるという予報だったが歩いていると陽射しは強く汗ばむ。だからと言って上着を脱ぐと、日陰を通過するたびにヒンヤリする。こういう季節なのだ。
遠くから見るとクリーム色の塊だが近寄ってよくよく見上げると小さな花が集まって固まりになっている。黄色い花は幸せの歌、と言うようなキャッチフレーズを思い出しながら丹念に眺める。そういえばオレンジ色のミツマタも去年見た記憶があるが今年はまだお目にかかっていない。見逃したのかも知れないと、その気になって歩いてみたが矢張り眼にしなかった。町内会だという記憶があるが、何所だか思い出せない。
和紙の原料とされる、と聞いている。学童のころ住民が徴兵されて山からこのミツマタを刈り取り学童達も手伝って、風船爆弾を作った経験があると語ってくれた人はもう亡くなってしまったが、当時、風船爆弾などと言うものまで発想しなければならないほど、日本は敗戦濃厚でどうにもならなかったのだろうと思う。
ミツマタ 三椏 / 中国産 沈丁花科 2007/02/28 竜の爺
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