【米国株動向】アルファベットとアマゾン、長期投資なら資金力があるアルファベットに注目
モトリーフール米国本社、2020年8月3日投稿記事より
FAANG銘柄と呼ばれるハイテク5社は、2020年第2四半期決算を発表しました。
各社が新しい時代を牽引していく状況は、当面は変わることはないでしょう。
5銘柄のすべてに投資する以外に、方法はないのでしょうか。
アマゾン・ドット・コム(NASDAQ:AMZN)の時価総額は1兆5,000億ドルですが(本稿執筆時点)、他との差をつける可能性は際立っています。
一方でグーグルの親会社アルファベット(NASDAQ:GOOGL)(NASDAQ:GOOG)は四半期決算で初の減収となり、競争に負けたのではないかとの議論もあります。今、アマゾンの買いを推奨するのは容易ですが、まずいくつかの要素を考察してみましょう。
成長をとるか、極めて高いマージンをとるか
両社は長期的な成長トレンドから恩恵を享受するでしょう。
アマゾンはオンラインショッピングへの移行、グーグルはインターネット広告の拡大が追い風になります。
新型コロナウイルスで世界経済が姿を変えつつあり、eコマースは今最も有望な投資テーマです。
アマゾンの2020年第2四半期売上高は889億ドル、前年同期比40%増と急拡大しました。
北米での売上げの伸び率は43%でしたが、海外売上げが38%、クラウドコンピューティングのアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は29%でした。
一方、アルファベットの売上高は383億ドルと、前年同期比2%減でした。
GoogleやYouTube、パートナーサイト広告収入が同9%減となり、グーグル・クラウドの同43%増(少しずつAWSとの差を縮めています)、YouTubeサブスクリプションなど「その他売上高」の同26%増では埋め切れませんでした。
アマゾンの株価が年初来72%上昇したのに対し、アルファベットは10%にとどまります。
株価の勢いでは明らかにアマゾンが勝っていますが、会社がしっかりキャッシュを確保していけるかどうかも重要です。
アマゾンの売上高の大部分は、小売りと関連サービスから得られるため、営業利益率はハイテク事業よりも遙かに低くなっています。
第2四半期営業利益は58億4,000万ドル(営業利益率は6.6%)でしたが、うち33億6,000万ドルはAWS事業単独で上げました。
一方、アルファベットの営業利益は63億8,000万ドル、営業利益率は17%でした。
両社の利益は、将来の成長や技術革新のための巨額の投資を織り込んだものです。
しかし過去12カ月間のフリーキャッシュフローを見ると、アマゾンは194億ドルであり、アルファベットの312億ドルを大きく下回ります。
アルファベットの株価バリュエーションは、他のハイテク銘柄と同様の水準ですが、株価フリーキャッシュフロー倍率は、アマゾンの81.5倍に対しアルファベットは32.1倍で、アルファベットが、相対的に魅力的です。
資金力を見逃してはいけない
フリーキャッシュフローは、四半期末にバランスシート上の手元流動性を増減させるキャッシュの合計額です。
特にハイテク企業が規模を拡大し、成長を維持するための新規事業が必要になる今後10年間に、重要な意味を持ちます。
第2四半期末にアルファベットは1,200億ドルの現金と有価証券を保有する一方、有利子負債はわずか45億5,000万ドルでした。
アマゾンも現金と有価証券で550億ドルを保有しますが、長期有利子負債も234億ドルです。
見方を変えれば、アルファベットは投資余力の懐が深い企業の一つであり、その点で優位性は高まっています。
投資対象としては、eコマースが拡大しているアマゾンを今買うのがいいように見えますが、長期投資を考えるなら、アルファベットを忘れてはならないでしょう。
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