Sunny Side Uku Park

ウクレレレッスン クラスヒロ インストラクターのウクレレ雑記

ウクレレ紹介

2020-10-02 00:20:26 | ウクレレ

コロナ休業明けに楽器を整理したのですが、使いにくいものを処分して替わりに新しい楽器を購入しました。ちょっと変わったテナーウクレレです。

L.LuthierというマレーシアのメーカーのLe Roseという製品です。

同じデザインのギターがあるようで、そのウクレレ版のようです。プロトタイプなのかもしれません。
変わり種だし、通販だったのでかなり悩みましたがピックアップ付き、ジャーマンスプルース単板で7万円台と手ごろだったので思いきって購入しました。
 
本来こういったイレギュラーなデザインは好みではないのですがこのウクレレは気に入りました。トップのスプルースもサイド・バックのローズもとてもきれいです。エボニー指板とメイプルのバインディングも高級感があるし、ヘッドもアシメに角を落としていい感じです。


ポジションマークは7Fにメーカーロゴのhの文字をメイプルでインレイしてあります。



サウンドホール。


スプルースでこのデザインは強度的に不安だったのですが、しっかり補強してあり頑丈です。
見えにくいですがピックアップのボリュームがついています。
 
サイドにもサウンドポートがあります。


ここからバック板にマジックテープで取り付けてある電池ボックスを外して電池交換します。
ボタン電池が2枚入っているので相当もつはずです。
Xブレイシングが施されボディ内部もとても丁寧に作られています。
 
ここまではよいのですが使えるようにするには結構手直し大変でした。
まずはサドル。


あれれ?弦が1弦側に寄ってサドルに乗っています。ブリッジの弦穴が1.5mmほど1弦側に寄っているみたいです。
パーツの組み込みも凄く正確でしっかり作ってあるのにこんなところが何でズレる??
ブリッジの穴を開け直すとか考えましたが大がかり過ぎるし、サドルから弦が落ちることもないのでこのままにしました。
このウクレレは指板にRがついているのですが、そのRよりサドルのRがキツ過ぎたので調整しました。


弦長補正しているオフセットサドルなので難しかったです。
そしてナット。


ブリッジで弦が1弦側に寄っている上にナットの溝も1弦側に寄っていたのでいたので、指板上でも弦が1弦側に寄って1弦が弦落ちしてしまう状態でした。
そこで溝を4弦側に寄せて作り直しました。
4弦からネックのエッジまで3mm、1弦からネックのエッジまで4mmにセッティング。
写真は作り直したものです。ナットファイルという弦を留める溝を切る特殊な道具が必要です。購入店に頼んでも8000円かかるところ、工具(平彫刻刀)と材料(ギター用牛骨ナット)で2000円位で出来ました。
今回ナットのセッティングって物凄く繊細で重要なのを再確認しました。
溝を下げれば弾きやすくはなりますが、音のハリが減少します。ほんの少しの違いで結構変わってきます。下げ過ぎると作り直しですから難しい。
安い楽器はそんな手間をかけられないので大抵ナットが高いです。ここを直すと格段に弾きやすくなりますよ。
 
これで弦落ちは解消。
良く見れば弦がズレてるのがわかりますが、海外の人は案外こういうの気にしないのかもしれませんね。
 
欲を言えばペグももう少しいいのにしたいけど使えないことはありません。


最初やけに軽く回るなーと思ったら何とギアにグリスがべっとり塗ってありました。
おいおい…。
拭き取らせていただきました。
 
ネックの形状も変わっています。


写真でわかるか微妙ですが、3F辺りからヘッドの付け根にかけてぐっと薄くなっているんです。
最初ネックが反ってるのかと思いました。
どういう意図かは不明ですが、相当薄い感じがします。約1cmと弦間隔が広いのでその分弾きやすさを考えての事でしょうか?
 
ネックはほんの少し順反りで弦高4弦2.25mm、1弦2mmのセッティング。
テンションはちょうどよい感じです。
 
ボディが特殊な形状なので普通のハードケースには入りません。
オリジナルのケースつきなんですが、このケースが良くできてます。



とっても軽くて、かなり硬い補強材がトップ、サイド、バック全てに入っているのでとても安心感があります。
 
そうそう書き忘れましたが、ピックアップのバランスも悪かったので調べたらサドルの底がデコボコ。平面に削って調整しました。
ここまで手直しは久しぶりだったので大変でしたが、スプルースらしいスッキリきれいな音がバランス良く鳴って弾いていて気持ちいいです。レスポンスもキレもいいのでストロークソロにも合いそうです。
Youtubeのデモ動画で積極的に使っていますので聴いてみてくださいね。