明日は明日の風が吹いたら私が儲かる

作詞、短歌、川柳、俳句などに目覚めたユリシーズのたわいない日記。
主に言葉のことに関して書き連ねてみます。

作詞109 『幸福の王子』

2012年04月28日 20時43分31秒 | 作詞(新作)
幸福の王子


私は愚かでみずぼらしいツバメでした
恋の意味も知らず ただわがままで

冬を越すためにふと通り過ぎようとした街
金色の王子様 そっと泣いていました

私は問いかけました「なぜ泣いているのですか?」
「この街には辛い人ばかりで胸が痛いのです」

王子は私に悲しい願いをしました
己の体を街の人々に運んでと

剣のルビーや涙流すサファイアの目
体を覆い尽くす純金もなにもかも

いつしか私は我が身を捨てるその姿に
本当の恋をして離れぬと誓ったのです

ついに冬は来て体はどんどん冷えゆきます
でもあなたの足元は私には安らぎの場所

最後にただひとつお願いをいたしました
「王子の手に口づけて構わないでしょうか」と

王子は答えました「口づけるなら唇に。
私はあなたを愛しているから」

深深と雪が舞いツバメの身体を覆います
皆王子とツバメを嘲笑って去っていゆきます

幸福とはなんでしょう?人に嘲笑れない事ですか?
愛するモノのため自分を捨てるは愚かですか?

あなたが幸福なら私もまた幸福です
嘲笑されようと愚かだと罵られようと

私は愚かでみずぼらしいツバメでしょう
けれどかまわない 心は幸福だから


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