誰もいない。
車から降ろした自転車に乗り換えて、
山峡の道を姉川に沿って奥へ奥へと走る。
前輪のタイヤから空気が抜ける恐れがあった。
数キロ走ったところで、
足俣川と交差する。
奥伊吹への道をそれて、
足俣川沿いに上流に向かう。
その入口に、
「法面崩落のため通行止め」との看板。
かまわず前進。
木の間から見下ろすと、
釣竿を垂らしたいような川が見える。
地元の軽トラ2台とすれ違う。
「熊出没注意」の看板。
気が引き締まる。
かまわず前進。
足俣川にかかる大きな橋の直前に、
「全面通行止め」の掲示板。
岐阜県の春日村に通ずる道なのか。
心を落ち着けて、
橋の上から足俣川を見下ろす。
秋の黄金色の陽を浴びて白っぽく輝く川原の中を、
浅いせせらぎが、
夢の中を流れるように緩やかに流れている。
見上げると、空が狭い。
住み続ければ、鬱になりそうな空だが、
気紛れな旅人としての気は清々するばかりだった。
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