小説家の開高健が、 「夏の闇」の中で、 うまいパンさえあれば、 ワインにつまみは要らない、 という意味のことを言っている。 本当かね。 と思っていたが、 今夜、本当だと思った。 我が家の「ゴパン」で焼いたパンをかじりながら、 ブルゴーニュの赤ワインを飲んだ。 サツマイモ入りのパンだった。 うまい。 パンもワインもうまい。 肉も魚も、チーズも要らない。 本当だ。 さすが、開高先生だ。 その死は、 つくづく早すぎた、とも思った。 君は誰の呟きを聴く?