岐阜多治見テニス練習会 Ⅱ

萩、荻、薄

萩と荻とは、字が似ているが、見かけは全く違う。
荻と薄(ススキ)とは、見かけがそっくりだが、字が似ていない。

万葉集を紐解けば、
笠金村の次の歌がある。
大伴家持ほどは知られていないが、
笠金村の歌は僕の好みだ。

「伊香山(いかごやま)野辺に咲きたる萩見れば君が家なる尾花し思ほゆ」

この伊香山は、琵琶湖の北、僕の故郷の近くで、今も地名(いか)に残っている。
一つの歌の中に、萩と尾花の両方が入っている点がええ。
ただ、一つ合点のいかないことがある。

萩を見て、似ていない尾花(すすきのこと)を思い出すか。
荻を見て、似た尾花を思い出すのなら、納得できる、ということだ。
まあね、萩も尾花も、同じ秋の草花という共通点はあるけどね。

「高円の野辺の秋萩いたづらに咲きか散るらむ見る人なしに」
これは志貴皇子に対する挽歌だが、
こうなると、もう唸るしかない。
1300年以上前の歌なのに古くささがなく、
悲しくも美しく、心に響く。

何と言えばいいか、
そこに時間だけが過ぎ去っていく、嗚呼、という感じ、
これがええ。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「四方山話」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事