春は萌え 夏は緑に 紅の 綵色(まだら)に見ゆる 秋の山かも ( 巻十 2177 作者未詳 ) 1200年以上前の歌とは思えない。 特別に感動するような内容ではないけれど、 現代の二流歌人が、 あるいは、素人が、今、作ったような感じの響き。 一体全体、こりゃ、何だ。 古い匂いがどこにもない。 驚きの、万葉集だ。 ひもといて、一歩一歩、 万葉集の森の中に分け入るのも、 面白い旅の一つになるに違いない。