六月のある 雨の 朝
兄が逝った 傍らに すすり泣く 姪の声
その半開きの 眼にみる 彼の半世
その夜 夢に見る 斎場の断末魔
天空を かきむしり 三途を拒否する命
スルメのごとく折れ曲がり 有機は気体と果て
無機は、その生暖かき 斎箸につつまれ
かすかに見ゆる焼台の癌痕跡 ああ
生命の 完全遊離を いく世とも
六月のある 雨の 朝
兄が逝った 傍らに すすり泣く 姪の声
その半開きの 眼にみる 彼の半世
その夜 夢に見る 斎場の断末魔
天空を かきむしり 三途を拒否する命
スルメのごとく折れ曲がり 有機は気体と果て
無機は、その生暖かき 斎箸につつまれ
かすかに見ゆる焼台の癌痕跡 ああ
生命の 完全遊離を いく世とも